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農業と環境 No.177 (2015年1月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農業環境技術研究所研究成果発表会2014 「未来につなげよう農業と環境」 開催報告

農業環境技術研究所は、平成26年11月28日(金曜日)、新宿明治安田生命ホール(東京都新宿区)において、「未来につなげよう農業と環境」 をテーマとして、研究成果発表会2014を開催しました。

農業環境技術研究所は、1983年に我が国で初めて「環境」を冠した国の研究所として設立されて以来、2001年の独立行政法人化を経て、昨年、2013年に設立30周年を迎えることができました。この間、世界の食料問題と環境問題の克服への貢献を基本理念に、農業と環境に関するさまざまな研究を展開しています。成果発表会は、そうした研究活動から得られた成果の中からいくつかを選び、一般市民から見た食の安全や農業環境の保全に焦点を当てながら紹介するもので、1年おきに開催しています。

会場(写真)
参加者(写真)

今回の発表会では、宮下C貴 理事長による開会のあいさつ、農林水産省農林水産技術会議事務局の雨宮宏司 局長のあいさつの後、慶應義塾大学の大沼あゆみ教授をお招きして特別講演をいただきました。特別講演では、農業がこれまで無償で提供してきた公益的機能、生態系サービス (農業生態系が農産物生産以外に果たす様々な機能) の価値の大きさと、それをマネー化すること (外部経済の内部化) が農業の持続的な発展を実現する上で重要なことを、これまでの試算や大沼先生自身のコウノトリ米に関する研究成果を例に講演いただきました。

特別講演に続き、農環研から5題の研究テーマについて成果を紹介しました。「微気象学的視点で温暖化に立ち向かう−イネの高温障害低減に向けて」(吉本真由美主任研究員)、「昆虫の情報化学物質等の機能を活用した農業技術開発」(田端純主任研究員)、「農業分野における先進リモートセンシングの高度利用」(石塚直樹主任研究員)、「農耕地eDNAデータベース(eDDASs)の開発とその活用の方向性」(吉田重信主任研究員)、「農作物の重金属吸収低減に向けた土壌のリスクマネージメント −コメのヒ素・カドミウム吸収のトレードオフ関係を中心に−」(荒尾知人研究コーディネータ)の5題です。これらはいずれも、農業環境の未来への継承と、環境と調和した持続的な農業のための実用化を見据えたテーマであり、若手から中堅の主任研究員の発表を中心としたものですが、諸先輩方による農環研設立以来の研究成果の上に立脚したテーマでもあります。

(写真)大沼あゆみ 慶應義塾大学教授
(写真)吉本真由美 主任研究員
(写真)田端 純 主任研究員
(写真)石塚直樹 主任研究員
(写真)吉田重信 主任研究員
(写真)荒尾知人 研究コーディネータ

参加者へのアンケートでは、「一般市民にとってわかりやすい発表内容で、聴いていておもしろかった」、「研究の最前線の話題をわかりやすく、ていねいに説明していただき、たいへん勉強になりました」、「今回の発表も実用化の可能性が高い内容が多く、期待しています」など、好意的なご意見や今後の活動への期待が多く寄せられました。

また、開会前と休憩時間には、2012年の成果発表会と同様に、第3期中期計画 (平成23年度〜平成27年度) のリサーチプロジェクトの活動をポスターで紹介しました。ポスターセッションでも、熱心な議論が交わされるとともに、アンケートでは 「ポスターセッションが楽しかったので、良い企画と思います。さまざまな研究領域を分野の垣根を越えて交流を進めていることが伝わってきました。」 という応援の言葉もいただきました。

(写真)
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当日の参加者総数は136名で、一般市民や企業・団体の方は59名が参加されました。

当日の講演の要旨、リサーチプロジェクト紹介ポスター、講演時に使用した図表などのPDFファイルを公開していますので、研究成果発表会2014「未来につなげよう農業と環境」 特設ページ をご覧ください。

(企画戦略室長 山本勝利)

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