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情報:農業と環境
No.10 2001.2.1

 
No.10

・循環型社会形成推進基本法の紹介

・農薬登録に係わる試験指針の見直し

・平成12年度 農業環境技術研究所運営委員会における

・農林水産業にかかわる環境研究の三所連絡会が設置される

・「衛星データ利用に関するつくば会合」のお知らせ

・環境省「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)

・鱗翅目昆虫の生物多様性パターンと推定法

・本の紹介 27:宇宙は自ら進化した,リー・スモーリン著,

・本の紹介 28:縄文農耕の世界−DNA分析で何がわかったか−,

・本の紹介 29:農的循環社会への道,篠原 孝著,創森社(2000)

・本の紹介 30:水と生命の生態学

・本の紹介 31:リスク学事典,日本リスク研究学会編,


 

循環型社会形成推進基本法の紹介
 
 
 平成12年5月,循環型社会形成推進基本法をはじめとする関連6法が新しく成立または改正された。これによって,環境に配慮したさまざまな事業活動が法的に義務づけられる時代が到来したことになる。「循環型社会形成推進基本法」(循環基本法)は、文字通り循環型社会形成関連6法の背骨としての基本的理念を提示するものである。
 
 20世紀後半の日本は、大量生産・大量消費・大量廃棄システムのもとで社会経済を発展させた時代であった。しかし21世紀を迎えたいま、このシステムはいたるところで行き詰まりをみせている。廃棄物が日増しに増加するため,最終処分場は逼迫し、ごみを捨てる場所がなくなりつつあるのが現状である。さらに、リサイクルも思うように進展しないし、ご多聞に漏れず不法投棄も増えつつある。一方,天然資源は枯渇しつつあるので,これまでのような生活スタイルを続けられる可能性はない。そのこともあって,社会全体で廃棄物処理を何とかしなければという危機感が高まっている。これらの社会的背景のもとに、循環基本法が成立した。
 
 




















 

 

     環 境 基 本 法 
 
 
       
 
    循環型社会形成推進基本法
 

 
       
−*−   −*−   −*−   −*−   −*−   −*−   −*−
           







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 







 




















 
 
 
1.循環型社会形成推進基本法
 
 循環基本法は6つの骨子から成る。第1は、これから形成すべき「循環型社会」の具体像を明記している点である。究極的な目的は、天然資源の消費抑制と環境負荷の低減にある。大量生産ではなく最適生産で資源を循環させる循環型社会をつくることである。それを実現するための手段として,「廃棄物の発生抑制」,「資源の循環利用」,さらに「廃棄物の適正処分」が示されている。すなわち、「ごみを出さない」,「出たごみはできるだけ資源として使う」,さらに「資源としてどうしても使えないごみは適正に処分する」という優先順位をつけた効率的な廃棄物対策の推進方針が示されている。
 
 第2は、廃棄物そのものの定義を新たに明確化した点である。循環基本法では、法の対象となる「廃棄物等」について、有価・無価を問わないとした。このため、野積みされているタイヤなども法の対象とすることができる。「廃棄物等」の具体的定義づけは、いくつかの要素に分かれる。ひとつは、廃棄物処理法で定義されている「廃棄物」である。これに加えて、発生メカニズムも定義づけている。すなわち,「一度使用された物品」や「使用されずに収集され、もしくは廃棄された物品(未使用の物品でいらなくなったもの)」、さらに製品の製造・加工・修理もしくは販売、エネルギーの供給、土木建設工事など「人の活動に伴い副次的に得られた物品」も「廃棄物等」に含まれる。これによって、有価・無価を問わず、いらなくなったモノはすべてこの法の対象に含まれる。また,モノを効率的に循環させるため、廃棄物等のうち有用なものを「循環資源」と呼んでいる。
 
 第3は、循環型社会を構築するための手法について優先順位を明らかにした点である。具体的には、資源の有効活用を図る目的で (1)発生抑制 (2)再使用 (3)再生利用 (4)熱回収 (5)適正処分 の順で優先順位がつけてある。
 
 第4は、国,地方自治体、事業者および国民の役割分担を明確にした点である。廃棄物の処理については、「排出者責任」という言葉があるように,従来からごみを出す者がその責任を持つという考え方であった。そこで、従来の排出者責任と合わせて、「拡大生産者責任」すなわち生産者の責任をも明らかにしている。拡大生産者責任のおもな内容は、「素材を工夫する」,「商品に素材表示をつけて情報を提供する」および「一定の製品については事業者が廃棄物になった製品を回収して自らリサイクルをする」ことなどである。
 
 第5は、政府が循環基本法案を策定した点である。この法では、廃棄物リサイクル対策を総合的かつ計画的に進めるための基本計画を政府がつくると規定している。数値目標も定める計画である。また,審議過程の透明性をもたせるため環境大臣が計画の原案を策定する段階と、具体的計画の作成段階の2度にわたり、中央環境審議会の意見を聞くように規定されている。また,公聴会を開くなど広く各界の意見を求める方針である。さらに、フォローアップのため5年ごとに計画を見直すことも明記され、合わせて計画の進捗状況に関する年次報告を毎年国会に提出することも規定している。
 
 第6は、循環型社会を形成していくために国がどのような施策を講じていくかを、網羅的に示した点である。同法の基本的方針をどう具体化していくかについての方向性を示している。例えば、廃棄物の発生抑制に関する措置、「排出者責任」の徹底に向けた規制措置、「拡大生産者責任」を踏まえた措置、再生品の使用促進、環境保全に支障が生じる場合は原因事業者に原状回復費用などを負担させる措置などを規定している。さらに、同法の趣旨に沿った個別の関連法(廃棄物処理法、資源有効利用促進法、建設リサイクル法、食品リサイクル法、グリーン購入法など、このほど成立した関連5法に加え、すでに制定されている家電リサイクル法や容器包装リサイクル法を加えた7法が含まれる)を円滑に運用して、より実効性を高めていくとしている。
 
 循環基本法は理念の法である。国や地方自治体をはじめ事業者そしてすべての国民が,こぞって大量消費および大量廃棄の流れを変えることを最大の目的としている。循環型社会形成推進基本法の施行によって、大量生産および大量消費に歯止めをかけ、資源循環システムを社会に定着させることができるか。この基本法の効力によって、21世紀の社会の方向性が決まるであろう。
 
法の骨子
1. 形成すべき「循環型社会」の姿を明確に提示
 
2. 法の対象となる「廃棄物等」のうち有用なものを「循環資源」と定義
 
3. 処理の「優先順位」を初めて法定化
 
4. 国,地方自治体,事業者および国民の役割分担を明確化
 
5. 政府が「循環型社会形成推進基本計画」を策定
 
6. 循環型社会形成に向けた国の施策を明示
 
 
法の要点
21世紀の循環型社会形成を目指す理念法

 
法の対象は有価と無価を問わず「廃棄物等」と規定し,不法投棄への抜け道をなくす

 
廃棄物対策について,1)発生抑制,2)再使用,3)再生利用,4)熱回収,5)適正処分と優先順位を明示
事業者や国民の「排出者責任」を明確化

 
生産者が自らの製品等について廃棄後も責任を負う「拡大生産者責任」の一般原則を確立
 
2.グリーン購入法
法の骨子
1. 公的部門の環境物品等の調達の推進
 
2. 国,地方自治体,事業者および国民の責務を規定
 
3. 環境物品等の調達を推進するための基本方針を策定
 
4. 基本方針に即して各省庁,機関が調達方針を作成
 
5. 環境大臣が調達の推進に必要な措置を要請
 
6. 地方自治体による調達の推進
 
7. 調達の推進にあたっての配慮
 
8. 環境物品等に関する情報の提供
 
 
法の要点

 
国や公共機関が率先して環境物品を購入することにより,環境物品への需要を促進
環境大臣が各省庁トップの協力を得て基本方針を作成し,閣議決定

 
各省庁が調達方針を作成することにより,各省庁ごとの主体的な取り組みを促進
重点的に調達を推進する「特定調達物品」を決定
調達方針について,実績をまとめて毎年公表
環境大臣が各省庁に対して必要な措置を要請
製品について適切に情報提供
 
3.改正廃棄物処理法
法の骨子
1. 適正処理のための体制確保
 
  ●国や都道府県の役割の明確化
  ●産廃多量排出事業者の処理計画の策定
  ●廃棄物処理センターの指定要件の緩和,業務拡大
  ●「特定施設の整備の促進に関する法律」の一部改正
 
2. 適正処理のための規制強化
 
  ●廃棄物処理施設の設備にかかわる強化要件の追加
  ●処理施設・処理業の許可の取り消し自由の追加
  ●産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の見直し
  ●不適正処分に関する支障の除去などの措置命令の強化
 
法の要点

 
国の基本方針の策定や都道府県の処理計画の策定などにより,それぞれの役割を明確化する

 
民間の施設・処理が不十分な場合は都道府県が公共関与し,整備促進に必要な措置を講じる
廃棄物処理センターや特定施設など処理施設の新規建設を促進

 
マニフェスト制度強化により排出事業者に最終処分までの処理責任を徹底させる

 
廃棄処理業からの暴力団の排除や不法投棄,不適正処理の防止に向けた規制強化
 
4.資源有効利用促進法
法の骨子
1. リサイクル対策:業者による製品の回収・リサイクルの実施などを強化する
 
2. リデュース対策:製品の省資源化・長寿命化などによる廃棄物の発生抑制対策を新たに講じる
 
3. リユース対策:回収した製品からの部品などの再利用対策を新たに講じる
 
法の要点
  ●製品対策
   ・省資源化・長寿命化による廃棄物の発生抑制対策の推進
   ・部品などの再使用対策の推進
   ・分別回収のための表示
  ●副産物(産業廃棄物)対策
   ・副産物の発生抑制・リサイクル対策の推進
 
5.建設リサイクル法
法の骨子
1.
 
解体時は従来のミンチ解体をやめ,木材,アスファルト,コンクリートに廃材を分別する
 
2. 分別した廃材を,再生リサイクル工場で加工して再資源化する
 
3.
 
元請け業者は発注者(施主)に対して,解体工事の分別計画を説明しなければならない
 
4. 下請け業者に対しても,分別計画を告知しなければならない
 
5.
 
発注者は,元請け業者から示された計画に基づき,都道府県知事に解体工事計画を届け出なければならない
 
 
6.食品リサイクル法
法の骨子
1. 食品廃棄物の再生利用計画を推進する基本方針を定める
 
2. 食品関連事業者は再生利用基準に従い,リサイクルに取り組まねばならない
 
3. 再生利用計画上,必要があれば行政から食品関連事業者に指導・助言を行う
 
4.
 
再生利用の基準に満たない食品関連業者に対しては,勧告や企業名の公表などを行うことができる
 
5.
 
食品廃棄物の再資源化を行う事業者を登録制とし,廃棄物処理法や肥料取締法,飼料安全法の特例を設け,地域性に合った円滑な再生利用を促す
 
(参考:月刊地球環境 2000年12月号)
 
 

農薬登録に係わる試験指針の見直し
 
 
 農薬を登録申請するときは,農薬取締法の規定に基づいて農薬の品質の適正化と安全で適正な使用の観点から,その効果・薬害・毒性・残留性に関する試験成績の提出が義務付けられている。この試験に関する詳細は、従来よりOECDが定める化学品テストガイドラインや国内の医薬等の安全性評価に係る動向を踏まえて定められてきた。
 
 しかし,最近の医学・薬学・毒性学の技術的進歩により、近年、OECDが定めるテストガイドラインについても見直しが進んでいる。このような国内外の動きに対応して、わが国の試験指針の見直しが必要となり、平成13年2月1日以降に農薬登録する場合には、新たな試験指針に則ったデータの提出が義務付けられることになった(農林水産省農産園芸局長通達、平成12年11月24日)。
 
 今回の見直しの内容は、人畜に係る安全性評価の充実あるいは水産動植物に係る影響評価を充実させる観点からの,動植物急性神経毒性試験等5つの試験項目の追加と、すでにある試験項目の指針の改訂である。
 
1.新たに追加される試験成績
1)急性神経毒性試験成績:神経毒性を有するおそれがある場合に、げっ歯類(通常ラット)を用いて実施する。
2)反復経口投与神経毒性試験成績:90日間反復経口投与毒性試験の結果、神経毒性を有するおそれがある場合に、げっ歯類(通常ラット)を用いて実施する。
3)水中運命に関する試験成績:水中での農薬の消長(加水分解・光分解)を把握するための試験を新たに実施する。
4)水産動植物への影響に関する試験成績:緑藻 Selenastrum capricornutum 等に72〜96時間暴露させた場合の生長阻害試験、及びミジンコ類に24〜48時間暴露させる繁殖試験を新たに実施する。
5)変異原性に関する試験成績:変異原性に関する試験の一つとして、げっ歯類を用いて小核試験を新たに実施する。
 
2.改訂された試験項目
今回改訂された試験項目は、各種の毒性試験・環境影響試験・有効成分の性状等に関する20項目にわたる。改訂の主な点は次の通りである。
1)動物愛護の観点から、急性毒性・皮膚刺激性・眼刺激性試験等に供試する動物数の削減と試験群の設定方法を改訂。
2)90日間反復経口投与・21日間反復経皮投与・90日間反復吸入毒性試験において、被験物質の投与による毒性変化及び毒性変化の認められない最高投与量(無毒性量)についての知見を得るため、神経系・免疫系・内分泌系に係る検査項目を新たに追加。
3)繁殖毒性試験の観察・検査項目に性成熟及び発情周期の観察・精子検査を新たに追加。
4)魚類急性毒性試験での試験期間を48時間から96時間に変更。
5)有効成分の性状・安定性・分解性等に関する試験の中で、土壌吸着性試験の供試土壌のタイプについて、従来の日本国内の土壌をOECDテストガイドライン106に提示された土壌タイプに変更。
 
 
平成12年度 農業環境技術研究所運営委員会における
指摘事項とその措置
 






 
 平成12年7月13日に農業環境技術研究所運営委員会が開催されました。運営委員会の趣旨,運営委員の氏名,委員会の内容についてはすでに 情報:農業と環境No.4:「平成12年農業環境技術研究所運営委員会開催される」(リンク先:http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/mgzn004.html#00410)でお知らせしてあります。今回,運営委員から出された指摘事項に対する研究所としての対応措置がまとまりましたので公開いたします。





 
     
  1.研究の方向性について  















 
 「農業環境研究の将来の方向」は、環境保全に関わる「農」の役割を的確につかんでいる。温暖化、土地侵食など地球環境問題と農業生産、そして農業管理の問題をシステムとして取り上げていく姿勢は好ましい。また、農業環境研究には、自然科学の観点からだけでなく、社会科学ともかかわるもっとグローバルな観点からの研究も期待される。たとえば、水田を主体とするアジア型農業が森林まで含めた農村社会を形成していることを、世界に伝えるような研究を持続してほしい。農と環境についての研究は、激動する科学技術社会の中においても、人間の生存にかかわる根幹的な研究であり、研究所のミッションを明確にして、その時代時代に効果が最大限に発揮される研究所となるよう期待する。

 農地と森林を支える大気、土壌、水は共に連続的であり、また農地と森林をめぐる社会情勢も基本的には共通であり、森林総研の環境関連研究部門との連携をこれまで以上に深める必要がある。また、環境分野は他領域の分野との連携が欠かせない。農水省の範疇にとどまらず、積極的に他研究機関との連携を進めることが望ましい。















 
     
   (対応)  














 
 2001年4月からの独立行政法人化への移行に際して農水省傘下の農業関係試験研究機関の研究領域の見直しが行われ,農環研は,1.農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性の確保,2.地球規模での環境変化と農業生態系との相互作用の解明,3.生態学・環境科学に係わる基礎的・基盤的研究について重点的に研究を行うことになった。そのため,水田を主体としたアジア型農業の社会科学を含む視点からの研究は実施できる状況にはない。独立行政法人移行後は,5年間の具体的な達成目標(ミッション)を明確にした中期計画の作成が義務づけられており,現在,そのための作業を行っている。環境研究は多岐,多分野にわたっているため,当所に課せられた課題について責任をもって取り組むと同時に,農林水産業にかかる環境研究については、森林総合研究所、瀬戸内海区水産研究所および農業環境技術研究で三所連絡会を設置し、農林水の分野で一体的な環境研究の推進を図ることにした。また、つくば地区にある他省の研究機関との連携や共同研究をこれまで以上に推進する方向で検討している。













 
     
  2.運営委員会の持ち方  








 
 農林水産省傘下の研究所全体の研究分野のなかで、農環研がどのような分野を分担しているかなど、研究所の位置づけについて説明が必要である。運営委員会で機関評価を行うためには、研究課題の設定時に意見を聞くようにしないと、評価時だけでは研究課題の流れが見えない。また、研究成果の実績、活用事例等を積極的にプレゼンテーションすることが必要であり、運営委員は一定の年数継続して委嘱し、継続的な視点で評価を行えるようにする必要がある。過去の運営委員会における改善の指摘あるいは実施の注文が着実に実行されており、独法化後もこのような会議を設定し、運営していくことは重要である。







 
     
   (対応)  



















 
 独立行政法人化移行後は今まで以上に外部評価は重要と考えており、現在2つの方法で研究所を評価してもらうシステムを考えている。一つは、研究課題についての評価である。このうちプロジェクト研究課題については、外部専門家による課題評価を行う。一方、経常的な研究課題については、専門家集団のいる所内での研究評価を行うとともに、シーズ研究の推進にも一層努力していきたい。

 もう一つは今までの運営委員会を発展させた「運営・評価委員会」であり、外部専門家、有識者からなる委員会を設置する。この委員会では、研究所がおかれた諸状況・諸課題等を適切に勘案し、運営全般の中でもより重視すべき評価目的・評価視点を明確化し、あわせて関連する評価項目・評価基準・評価手法等の具体的な評価指針を明確に定め、機関評価の実効性が上がるようにしたい。また、今までと同様にインターネットなどを利用し評価の結果を公開する。さらに、評価委員には一定の年数を継続してもらうことが望ましいと考えている。

 研究成果は学会、講演会、シンポジウム等で広く公表していくが、毎年の主要研究成果については、従来の農業環境試験研究推進会議を一部変更し、行政部局や他独立行政法人、公立研究機関等に大いにアピールしていきたいと考えている。



















 
     
  3.業績評価  







 
 個人的な資質や創造意欲に基づいた研究という仕事はこれまで個人に依存する部分が大きかった。評価の仕組みなどをうまく作り、管理責任を明確にすることによって、研究という仕事にふさわしい運営を行うべきである。インベントリーの構築において、研究者の役割は非常に重要であるが、どういう基準で評価するのか検討が必要。また、行政施策への提言や基準作りのためのデータ、情報の提供など、論文以外の見えにくい研究成果について、指数化することは難しいが、積極的な評価をすることが必要である。






 
     
   (対応)  





 
 独立行政法人化後は、透明性のある評価項目を作って、研究管理職員、研究職員の業績を評価する仕組みを導入し、研究の活性化に結びつくよう、評価のやり方について検討を加えている。また、評価基準は研究論文に限定せず、多様な評価項目を作成し、研究所のミッションや運営、行政への提言等、研究所にとって重要な業務に対しても適切な評価を行う予定である。




 
     
  4.研究成果の受け渡し  




















 
 平素より行政ニーズの把握と基礎的データの収集を行い、行政の求めている情報をただちに発信できる体制を作るとともに、行政に対して、「こういうことをやるべきである」と提言する姿勢を強め、研究所としてこういう技術があるんだということを積極的に行政に売り込んでほしい。環境問題に関する調査・研究には、国民の関心が高く、公的な研究機関として、また専門的立場からの積極的な取り組みが期待される。近年は、行政における国内外の議論においても、専門的・技術的内容に踏みこんだ議論が必要となっており、データへの解釈も含めてこのような行政ニーズへの対応が必要である。
 
気象変動に伴う農業生産体系の変化で将来の水資源問題や育種の目標がどうなるかなど、他の研究機関や行政機関に長期的な課題を積極的に提言していくことも必要である。
 環境問題は国際的な活動が必要な分野であり、それとともにNPO(民間非営利組織)、NGO(非政府組織)への対応、連携が欠かせない。農環研としてどのように対応するのか、方向を明確に示す必要がある。また、研究所が何をしているかを国民に知ってもらうためには、研究活動の成果をタイミング良く発信していく広報活動、インターネットホームページの充実などが欠かせない。また、次代を担う学生への教育活動などが一層重要になる。インターネット等で生のデータを公開する際には解釈の仕方をはっきりさせ、研究所の意図が利用者に伝わるようにしてほしい。
 




















 
     
   (対応)  








 
 当所の性格から研究成果が直接農家の普及技術に結びつくことは少なく、成果の受け渡し先は行政、他研究機関が主体となる。そのため行政問題に対応した研究課題を推進していくが、それまでの研究蓄積がないと新たな情報提供や技術開発は難しい。そのため、農業に係わる環境問題の基礎的な研究も重視していきたい。このような取り組みを通して、行政施策や他機関に対する提言が出来るようしていきたい。広報については今後、研究成果の公開が義務づけられることからも、成果を広く国民にわかりやすい形で提供することが必要と考えている。NPOやNGOとの協力については、研究所のミッションをふまえ、前向きに検討していく。







 
     
  5.研究所の活性化  










 
 一つの法人が生き延びるかどうかという視点ではなく、日本の科学・技術をこれからも本当に支えていける研究所であり続けるにはどうしたらよいかという視点で法人の運営を進めてほしい。サイエンスの面でインパクトファクタの高い論文を出し、テクノロジーの面で売れる特許を出す。そしてそれらをもとに行政などに提言するという二段構えの対応が必要である。今後重要になる分野を担っているにもかかわらず、調査や息の長い研究が多いためか、研究成果の発表がやや少ないように感じる。若い人材を引きつけるためにも、インパクトの高い論文や売れる特許を出すことが評価され、その上で実際の社会の問題に対する提言が評価されるシステムを作るべきである。さしあたって研究能力の高い優れた人材の採用がもっとも重要であろう。全国公募などそれを可能にする方策を工夫してほしい。









 
     
   (対応)  







 
 当所は独立行政法人となった後も、基礎的な調査及び研究等を行うと位置づけられており、環境研究の基盤となる各専門分野の今までの研究の継承性と資質の向上、シーズ研究に十分配慮した運営が必要と考えている。そして、科学技術の発展に寄与するようなインパクトファクターの高い論文を出せるような研究環境を作っていきたい。一方では、長期間の調査研究が不可欠なインベントリー研究やモニタリングを必要とする研究もあり、論文は一律に出ないこともある。研究者の採用については公募制により学位取得者の採用を増やしていく予定である。






 
     
  6.地球環境研究  









 
 「地球規模の環境変動が農業生態系に及ぼす影響の解明」については、地球温暖化など気候変動による影響と大気質変動による影響の2つに分け、後者では二酸化炭素の濃度増加だけでなく、オゾンや酸性降下物質の問題にも取り組む必要がある。また、温室効果ガスについては研究の対象を日本国内の農業だけに限定せず、発展途上国の同様な問題にも目を向け、特にアジアの発展途上国における水田からのメタン放出の抑制について、この研究所の守備範囲として取り組んではどうか。農耕地における二酸化炭素の収支の研究について、一年生草本の役割は森林に比べるとはるかに小さい。稲作等によるCO収支の研究は早急にまとめて公表し、他の問題に方向転換すべきではないか。








 
     
   (対応)  
















 
 温暖化影響については、海洋−大気結合モデルを用いたCO漸増シナリオをダウンスケーリングた局地気象モデルを作成し、日本や世界の農業生産予測や農耕地の変動予測を実施している。大気質に影響を与えるオゾンについては、すでに関東地方の稲の収量減少の評価法を確立しており、汚染が激しい場合には、収量減少として総収穫量の4.6%(1985年)と推定している。今後、必要に応じて、稲以外の他の農作物にも拡げた減収量評価を検討していきたい。酸性雨の農作物への影響については、年平均値がpH4.5程度の現状の酸性雨では、農業生産には大きな影響は及ぼさないと結論している。
 農耕地からの温室効果ガス(メタンと亜酸化窒素)については、すでに、中国、インドネシア、タイなどと、発生量評価とその削減技術の開発研究を共同で実施しており、今後も一層の連携をもって進める。一方、温暖化の影響が顕著に出てくると考えられる北極域の二酸化炭素とメタンの収支については、アラスカ大学とMOUを締結し共同研究を実施している。また、森林を含めた各種生態系におけるCO収支については、環境庁地球環境研究総合推進費のプロジェクトにおいて、当所も森林合研究所や国内外の大学と連携をとりながら、アジアのフラックス観測研究を進めている。
















 
     
  7.インベントリー研究  












 
 法人化後においても、公的研究機関として、基盤的なデータや人材のバンクになるという大きな使命があり、農業環境のインベントリーを基盤研究と位置づけて整備する方向に注目している。農業環境インベントリーセンターと環境化学分析センターの持つ意味は大きく、これらが全国的なデータ・技術センターになることを期待する。しかし、農業環境インベントリーのための情報の収集・管理には膨大な経費と労力が必要であり、その業務を効率的かつ効果的に行うために具体的な作業計画を作成する必要がある。来春、行政機関の情報公開法が施行されるため、各行政機関では情報公開の方針を検討している。各種調査のデータ・情報等の提供について関係部局と具体的に協議してはどうか。今後、行政機関が調査・集計したデータを総合的・体系的に整理・分析することは、研究所の研究業務としても重要であり、その成果に基づいて、調査地点・調査項目の設定、効率的分析方法、有効な対策の検討等、行政への指導・助言ができる。











 
     
   (対応)  



















 
 インベントリー研究は、法人化後の農業環境調査研究を支える基盤として重要な任務と考えており、農業環境インベントリーセンターを核にして、全所的に取り組むことにしている。農業環境インベントリー研究の構想を立て、具体的に収集・保存・提供すべき試料・データ・情報をリストアップして、出来るところから着実に実施していきたい。研究費については、13年度から立ち上げ予定の農水省委託研究プロジェクト「データベース・モデル協調システムの開発」の中で「土壌資源情報統合システムの開発」が行われる予定である。他の水、昆虫、微生物、線虫、植生分野については、研究者のところに蓄積されている既存のデータベースのインベントリーへの取り込み、データ・情報のデータベース化を進めたい。また、新たな研究の推進に当たっては、研究の終了時におのずとインベントリーの財産としての付加価値が生まれるような、インベントリーを意識したデータ・情報の整理をし、自然にインベントリーが充実していくようなシステムを全所的に構築していきたい。
 行政事業で得られたデータ・情報のデータベース化及び情報公開については、これからの時代はその事業の一環として行政側で行うことが基本であると考えている。当研究所としては、事業に当たっての調査項目・調査地点の設定、分析手法の選択、調査結果の整理のためのデータベースのフォーマットの設定や事業後のデータベースの活用等で連携・協力していきたい。



















 
     
  8.生態系・生物多様性研究  










 
 環境保全農業を推進するための新しい技術について、先見的な視点からのアセスメントが求められている。ケミカルな領域の課題は農水省でかなり研究の蓄積があるが、生物学領域の問題では極めて蓄積が少なく、農環研では生物利用型農業技術と生態系全体とのかかわりの解明など、生物環境の問題についてしっかり取り組んでほしい。また、生物多様性について、国際的に議論がなされているが、人類にとってどのような多様性が必要なのかというコンセンサスがはっきりしない。アマゾン流域などは有用な生物遺伝資源として明らかに重要であるが、生物多様性が生態系の安定に結びつくというのは単なる仮説にすぎない。生物多様性に関する科学的知識を充実し、われわれにとって必要な生物多様性とは何かの解明に取り組んでほしい。









 
     
   (対応)  













 
 独法化後は、環境保全型農業の推進は農業技術研究機構が中心になって取り組むことになっており、当研究所では生態系や生物多様性に関する先見的な視点での的確なアセスメントを実施するために不可欠な基礎的・先導的研究を進めていきたい。また、新しい農法等の生態系全体への影響、生物多様性が生態系の安定・存続に不可欠であることの科学的な証明等が重要であると認識しているので、新組織では、限られた研究資源を効率的に活用しながら、従来研究の蓄積が不足していた生物群集、生態系、生物多様性といった問題を正面に据えて、人為的インパクトが生態系の生物相に及ぼす影響の評価(当面は、遺伝子組換え作物、導入天敵、侵入植物等の環境影響を重視する)を行う。そのための基礎として重要な農業生態系の構造と機能の解明、およびその基盤となる微生物・昆虫の収集・分類・評価に関する研究を重点化して、ご指摘の問題に着実に応えられる研究体制を整備し強化していくとともに、今後、農業生態系における生物多様性に関する研究会等を主催し、問題の所在を一層明確化していきたい。












 
     
  9.化学物質の安全性の研究  



















 
 ダイオキシン、内分泌かく乱物質の研究は、国の複数の研究所によって進められている。対象とする産業や研究の手法、目的は異なるが、いろいろ情報交換をすることがそれぞれの研究を進めるためには重要である。
 農薬、資材や農業技術の生態系影響のプロジェクトで基礎的データが得られても、生態系への影響の中で何が重要かが明確でないために科学的解釈が不十分である場合が多い。この研究所には先見性をもって、影響調査という具体的なことでなくても、たとえば生物多様性と農業技術との関わりをもっと科学的に扱うための研究をしてほしい。
 ダイオキシン等を含む化学物質について、内分泌かく乱作用などの研究だけでなく、さらに生態系に対する影響評価の研究にも取り組んでほしい。今後は、従来のような個別の生物種に対する影響だけでなく、食物連鎖を通した生態系への影響が重視される。農薬を含めた化学物質が生態系にどういう影響を及ぼすのか、あるいは天敵の利用についても生態系への影響評価が重要になる。環境庁では環境中に排出されるさまざまな化学物質について、環境に対する無影響濃度を調査している。化学物質に一番弱い生物を対象にして影響を調査し、それに安全性係数を掛けるというやり方でリストを作っているので、現行の農薬はほとんど使えなくなるような設定がされる可能性がある。この研究所では、「農業にとって必須の資材である農薬が生態系に及ぼす影響をどう評価するか」という基本的な研究プロジェクトを取り上げてほしい。



















 
     
   (対応)  




















 
 ダイオキシン類等内分泌かく乱物質に関する研究については、化学物質による影響防止技術の開発を目指し、平成11年度から環境研究「環境ホルモン」や行政対応特別研究「ダイオキシン」等で取り組んでいる。研究を効果的に推進するため、これまでも環境庁、通産省等の関連研究機関と情報交換しており、今後もその関係を強化していきたい。
 農業技術の生態系影響については、「生態系」の枠組みを明確にして考えるべきである。農業技術には、農薬や肥料等の資材、栽培方法、圃場整備等の多くの技術が包含されている。これらの技術によって成り立つ農業現場において、自然生態系と全く同じ生態系を維持することは困難であり、農業現場に特徴的な生物多様性を持続していくことが重要である。すなわち、各種農業技術が農業現場での生態系を維持・増進しつつ、さらに、農業現場外への環境負荷を最小限にすることが求められている。
 農薬の場合、防除対象外の生物に対する影響や環境負荷を可能な限り小さくするような資材、製剤施用法等の技術開発を視点として、研究を発展させる。
 農薬の生態影響評価に関する研究に関して、独法化後の中期目標および中期計画で、農薬による環境負荷軽減を図るため、水系における食物連鎖の起点となる水生生物に対する毒性評価法の研究開発を目指している。ここでは、農薬の水系への拡散移行経路の解明とその流出量の評価法の開発、水生生物での濃縮過程の解明および内分泌かく乱作用等の影響評価法を開発し、農薬のリスク評価に役立てたい。




















 
     


 
 運営委員会についてのお問い合わせは,当所の企画科長までお願いします。
 Tel: 0298-38-8480, Fax: 0298-38-8145, E-mail: kikaku@niaes.affrc.go.jp


 
 
 
 

農林水産業にかかわる環境研究の三所連絡会が設置される
 
 
 環境研究は多岐・多分野にわたっているため,農水省の範疇にとどまらず積極的に他研究機関との連携を勧めることが望ましい。このことは,農業環境技術研究所の運営委員会(情報:農業と環境 No.10)でも指摘された。これを踏まえて,まず農林水産業にかかわる環境研究について、平成12年12月13日に森林総合研究所、瀬戸内海区水産研究所および農業環境技術研究所で三所連絡会を新たに設置し、農林水の分野で一体的な環境研究の推進を図ることにした。その要領を以下に示す。
 
農林水産業にかかる環境研究の三所連絡会設置要領
平成12年12月13日
 背景
  現在,農地,林地,水系にまたがる環境研究は,農林水産技術会議の調整の基にプロジェクト研究等により協力しながら進めている。しかし,独立行政法人化後は「自然循環」のプロジェクト研究に見られるように,各独立行政法人の交付金プロジェクト研究として位置づけられ,農林水にまたがる環境研究の推進に問題が生じるおそれがある。わが国は,狭い地域に農地,林地,水系が共存しており以下の環境研究を推進していくためには関係研究所間の緊密な連携協力が不可欠である。
 
第1 目的
 



 
環境研究の実施に当たって、農林水産省の関係機関が相互に情報を交換・共有し、農林水の分野で一体的な環境研究の推進を図るため、農林水産業にかかる環境研究の三所連絡会(以下「環境研究三所連絡会」という。)を設置する。
第2 検討事項
 


 
(1)
 
水,二酸化炭素,養分,化学的環境負荷物質等の農林水産業をめぐる動態を解明す研究
 

 
(2) 農林水における生物と環境の関連性を解明する研究
 

 
(3) 地球規模での環境問題に対応する研究
 

 
(4) 環境資源の分類・特性解明や環境モニタリング等の研究
 
第3 構成
 
  環境研究三所連絡会には、所長会及び補佐官会を置く。

 
1) 所長会
 

 

 
農業環境技術研究所 所長
 
    森林総合研究所 所長

 

 
瀬戸内海区水産研究所 所長
 

 
2) 補佐官会
 

 

 
農業環境技術研究所 企画調整部長
 
    森林総合研究所 企画調整部長

 

 
瀬戸内海区水産研究所 企画連絡室長
 
第4 事務局
 

 
環境研究三所連絡会の事務局は、農業環境技術研究所企画調整部に置く。
 
 

「衛星データ利用に関するつくば会合」のお知らせ
 
 
 リモートセンシング関係者の基本データである地球観測衛星データの入手に関して,新しい状況が生じています。宇宙開発事業団(NASDA)の地球観測予算の削減のため、NASDAはRADARSAT・SPOT・IRSの受信を取り止めるとのことです。明るい話題もあります。Terra/ ASTERのデータが公開されました。また、高分解能商業衛星(IKONOS)が打ち上がり、このデータの販売が昨年開始されました。さらに別の高分解能商業衛星(QuickBird)、ハイパースペクトル機能と高分解能の2つのセンサを持つ衛星(OrbView4)および電磁衛星(DEMETER)等の打ち上げが計画されています。農林水産研究計算センターでは,昨年7月からSIDaBによる衛星データの配布を開始したところですが、さらに新たなデータの提供を開始できるようにシステムの拡充を計画しています。

 また,研究機関が独法化されたあとの各機関のリモートセンシング関係の活動がどの様になるのかという情報が伝わっておりません。そこで,つくばのリモートセンシング研究の状況を理解し、各機関および関係者の力を合わたデータへのアクセス性を増すための会合を開催いたします。

 主催:衛星データ利用に関するつくば会合推進委員会
 後援:衛星リモートセンシング推進委員会
 準備委員会:農林水産研究計算センター、農林交流センター、農業環境技術研究所、
       防災科学研究所、地質調査所等(一部機関は担当者レベルの参加)
 日時:2001年2月19日(月)午前10:30〜午後5:00
 場所:農林水産技術会議筑波事務所1階 第4・第5会議室
    〒
305-8601 茨城県つくば市観音台2-1-2 (農林団地中央バス停徒歩3分)
    東京からは、東京駅八重洲南口発、筑波山行き
9:10−農林団地中央10:08が便利。
 参照: (対応するURLが見つかりません。2010年5月)
      (対応するURLが見つかりません。2010年5月)
 
プログラム
 
挨拶 : 片山秀策 (農林水産技会筑波研究交流管理官)
    ・ 藤縄幸雄 (防災研先端技術部長)
 
 NASDAの衛星データ受信と配布について 森山 隆(NASDA
 
10:4011:00
 RESTECの衛星データ受信と配布について 伊藤恭一(RESTEC
 
11:0011:20
 ASTERデータの配布について
 
丸山裕一(ERSDAC
 
11:2011:40
 RADARSAT及びSPOTの衛星計画
 
東 誠(Image One
 
11:4012:00
−−−昼食−−−
 IKONOSのデータ受信と配布について
 
大河内紀行(SpaceImage社) 13:1013:30
 QuikBird2のデータ受信と配布について
 
小平高敏(日立ソフト)
 
13:3013:50
 OrbView4のデータ受信と配布について
 
高石 哲(NTT Data
 
13:5014:10
 電磁衛星計画
 
藤縄幸雄(防災研)
 
14:1014:25
 農林水産研究計算センターのSIDaB拡充計画 児玉正文(MAFFIN
 
14:2514:40
 超高速ネットワークつくば
 
佐藤一雄(防災研)
 
14:4014:55
−−−休憩−−−
 地質利用の現状と問題点
 
佐藤 功(地質調査所)
 
15:1015:20
 防災利用の現状と問題点
 
大倉 博(防災研)
 
15:2015:30
 地図作製の現状と問題点
 
小荒井衛(地理院)
 
15:3015:40
 環境利用の現状と問題点
 
田村正行(環境研)
 
15:4015:50
 土木利用の現状と問題点
 
深見和彦(土木研)
 
15:5016:00
 森林利用の現状と問題点
 
中北 理(森総研)
 
16:1016:20
 農業利用の現状と問題点
 
斎藤元也(農環研)
 
16:2016:30
総合討論        参加者全員
 
閉会の辞 宮川三郎(農環研計測情報科長)
 
連絡先:つくば市観音台3−1−1 農業環境技術研究所

 
斉藤元也,0298-38-8192
genya@niaes.affrc.go.jp
    つくば市観音台2−1−2 農林水産研究計算センター
 
児玉正文,0298-38-7340
mkoda@affrc.go.jp
 
 
 

環境省「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
第1作業部会第8回会合」の結果を公表

 
 
 環境省地球環境局研究調査室は,平成13年1月22日に「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会第8回会合」の結果を公表した。

要 旨
 
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会第8回会合が、1月17日(水)から1月20日(土)まで中華人民共和国・上海市において開催された。会合においては、IPCC第3次評価報告書第1作業部会報告書の政策決定者向け要約(Summary for Policymakers)の審議・採択及び第1作業部会報告書本体の受諾が行われた。
 
 今回採択された報告書は、気候系についての理解の現状と、将来の気候予測についてまとめたものである。報告書では、過去50年間に観測された温暖化の大部分が人間活動に起因しているという、新たな、かつより確実な証拠が得られたこと、21世紀中に全球平均表面気温が、1.4〜5.8℃(第2次評価報告書では1.0〜3.5℃)上昇すると予測されること等が指摘されている。
 
 今後、第2、第3作業部会報告書についてもそれぞれ審議・採択が行われ、最終的には本年4月にケニア・ナイロビ市で開催予定のIPCC第17回総会で、これら3つの報告書の最終的な承認がなされる予定である。環境省としては、今後とも地球温暖化問題に関わる国際的な検討に積極的に参画・貢献することとしている。
 
1.IPCC第1作業部会第8回会合の概要
 
 開催月日:平成13年1月17日(水)から1月20日(土)まで4日間
 開催場所:上海(中華人民共和国)
 出 席 者:ワトソンIPCC議長、ディン本会合共同議長、ホートン本会合共同議長、各国代表など、総計約200人が出席。我が国からは、近藤気象庁気象研究所気候研究部長をはじめ、谷口IPCC副議長などが出席した。
 
2.会議の内容
 
1.IPCC第3次評価報告書第1作業部会報告書について
 IPCC第3次評価報告書は、地球温暖化問題全般に関する世界の最新の科学的知見をとりまとめたものであり、気候変動予測を扱う第1作業部会報告書、温暖化の影響・適応を扱う第2作業部会報告書、温暖化への対策・政治経済的側面を扱う第3作業部会報告書及び統合報告書の4部構成となる。
 
 本報告書の執筆作業は各国政府や専門家の協力の下で進められ、このうちの第1作業部会報告書については、これまでに報告書本体と政策決定者用要旨(SPM:Summary for Policymakers)の2部構成よりなる最終報告書案が作成された。今回の会合では、SPMの審議・採択が行われ、併せて報告書本体が受諾された。
 
 本報告書は、気候系についての理解の現状と、将来の気候予測についてまとめており、今後の地球温暖化防止に関する政策の検討に当たっての多くの有益な情報を含むものとなっている。その主な内容は以下のとおりである。
 
(1)これまでに観測されてきた気候の変化
 
(1)気温
・全球表面気温は、第2次評価報告書における評価より約0.15℃大きく、1861年以降、0.6±0.2℃上昇した。これは主に1995年から2000年までが相対的に高温であったためである。
・新たな分析によると、20世紀における温暖化の程度は、北半球では過去1000年のいかなる世紀と比べても最も著しい可能性が高い。
・1950年から1993年の間、陸上における夜間の日最低気温は、平均して約0.2℃/10年の割合で上昇した。この上昇率は、日中の日最高気温の上昇率(約0.1℃/10年)の約2倍に相当する。
(2)積雪面積・海氷
・衛星観測データによると、1960年代以降、積雪面積は約10%減少してきており、地表観測によると、20世紀中に北半球中〜高緯度の湖・河川の年間氷結期間は、約2週間短くなった。
・北半球の春・夏季の海氷面積は1950年代以降、約10〜15%減少した。また、ここ数十年間に、晩夏から初秋における北極の海氷の厚さが、約40%減少した可能性が高い。
(3)海面水位
・20世紀中の全球平均海面の上昇は0.1〜0.2mであった。
(4)その他
・20世紀において、北半球中〜高緯度のほとんどの大陸における降水量は、10年間に0.5〜1%の割合で増加した可能性が高い。また、熱帯の陸域における降雨量は、10年間に0.2〜0.3%の割合で増加したことが確実である。一方、大部分の北半球亜熱帯の陸域における降雨量は、10年間に0.3%の割合で減少した可能性が高い。
・20世紀の後半、北半球中〜高緯度では、極端な降水現象の頻度が2〜4%増加してきている可能性が高い。
・エルニーニョ現象は、過去100年間に比べ1970年代中頃以降、より頻繁かつ長期的かつ強力になってきている。
 
(2)温室効果ガス・エアロゾル
 
(1)温室効果ガス
二酸化炭素
・1750年以降、大気中の二酸化炭素(CO)濃度は31%増加した。現在の増加率は、少なくとも過去2万年では前例のない高い値である。
・過去20年間における大気中CO濃度増加の4分の3以上は化石燃料の燃焼によるものであり、残りの大部分は森林減少等の土地利用変化によるものである。
・過去20年にわたる大気中CO濃度の上昇率は年間約0.4%であった。
メタン
・大気中のメタン(CH)濃度は、1750年以降150%上昇し、現在も増加し続けている。濃度の年間増加率は、1980年代と比べ1990年代には減速し、かつその変動が大きくなってきている。
・CH排出の半分以上が、化石燃料の使用、畜牛、米作、埋立等の人為起源によるものである。
亜酸化窒素
・大気中の二酸化窒素(NO)濃度は1750年以降、46ppb(17%)増加し、現在も増加し続けている。NO排出の約3分の1が、農地土壌、畜牛、化学工業等の人為起源によるものである。
ハロカーボンガス
・オゾン層を破壊し、温室効果ガスでもある多くのハロカーボンガスの大気中濃度は、1995年以降、モントリオール議定書の規制のもとでの排出削減の効果により、微増又は減少している。一方で、これらの代替物質や一部の化合物(例えば、パーフルオロカーボン(PFCs)や六フッ化硫黄(SF))もまた温室効果ガスであり、それらの濃度は現在増加している。
放射強制力
・1750年から2000年の間の温室効果ガス全体の増加による放射強制力は2.43Wm―2と見積もられる。それぞれの寄与は、CO(1.46Wm―2)、CH(0.48Wm―2)、ハロカーボンガス(0.34Wm―2)、NO(0.15Wm―2)である。
(2)エアロゾル
・第2次評価報告書以後、硫酸塩等個々のエアロゾルの直接的な役割についての理解が進んだが、依然として、人為起源のエアロゾル全体の直接的な効果やその経時的な生成過程の定量化については、上記に掲げた温室効果ガスに比べて信頼度はかなり低い。
・エアロゾルは、雲に対する影響を通じて、間接的な負の放射強制力も有することがより明らかになってきている。
(3)自然要因
・2つの主要な自然要因(太陽変動と火山性エアロゾル)による放射強制力の変化は、過去20年、そしておそらく40年間は、全体として負であったと見積もられる。
 
(3)気候予測モデル
 
・気候予測モデルの将来予測能力は進歩し続けており、自然起源及び人為起源の要因を考慮したシミュレーションにおいては、20世紀を通じて観測されている表面気温の広域的な変化を再現することができた。
・気候予測のモデリングにおける最大の不確実性は、依然として雲の影響、及び雲と放射・エアロゾルの相互作用に起因している。
 
(4)地球温暖化に対する人為的影響の新たでより強い証拠
 
・過去1000年間の気候データによると、過去100年間の温暖化傾向は異常であり、これが完全に自然起源の現象である可能性は極めて低い。
・研究により、過去35〜50年の気候データにおける人為的影響の証拠が見いだされている。さらに、温暖化に対する人為的寄与に関するモデル予測結果は、多くの場合において観測事実と一致している。
・自然起源の要因のみに着目したモデルでは、20世紀後半の温暖化傾向を説明できない。
・人為起源の硫酸塩エアロゾル及び自然要因についての不確実性にもかかわらず、過去50年間において、人為起源の温室効果ガスに起因する温暖化を見い出すことが可能である。
・これら大部分の調査によると、温室効果ガス濃度の上昇による温暖化の増加率及び程度の推計値は、過去50年間にわたって、観測された温暖化と匹敵する、又はより大きい結果となっている。
・新たな証拠に照らし、また依然として残る不確実性を考慮すると、過去50年間に観測された温暖化の大部分は、温室効果ガス濃度の増加に起因している可能性が高い。
 
(5)将来予測
 
(1)大気成分
温室効果ガス
・化石燃料の燃焼によるCOの排出は、21世紀の大気中CO濃度のトレンドに対し明らかに支配的な影響を及ぼしている。シミュレーション結果によると、CO濃度は、21世紀の終わりまでに540〜970ppm(1790年における280ppmに対し、90〜250%の増加)になると予測される。
・土地利用変化による炭素の吸収は大気のCO濃度に影響を及ぼし得る。仮に土地利用変化によって過去に放出された炭素全部が陸域生態系に蓄積されていたとすると、CO濃度は40〜70ppm減少する。
エアロゾル
・人為的なエアロゾルについては、化石燃料の使用量及び大気汚染物質削減政策の内容によって、増加・減少両方の可能性がある。なお、自然起源のエアロゾルに関しては、気候変化に伴い増加すると予測されている。
放射強制力
・温室効果ガスによる放射強制力の全球平均は、21世紀を通じて増加し続けると予測される。
(2)気温
・1990年から2100年までの全球平均表面気温の上昇は1.4〜5.8℃であり、第2次評価報告書の1.0〜3.5℃よりも大きいと予測される。この予測値の上方修正と予測範囲の拡大は、主として今回採用されたシナリオで、冷却効果を持つ二酸化硫黄の予測排出量が減少したためである。予測された温暖化の割合は、20世紀中に観測された気温変化よりも著しく大きい。
・近年の全球モデルシミュレーションによると、ほとんどすべての陸地は、特に北半球高緯度の寒候期において、全球平均よりも急速に温暖化することがほぼ確実である。北アメリカ北部や北〜中央アジアでこの傾向が最も顕著で、全球平均変化より40%以上急速に温暖化する。一方、夏季の南〜東南アジアや冬季の南アメリカ南部では全球平均変化よりも温暖化の速度が小さい。
(3)降水量
・全球平均の水蒸気と降水量は増加すると予測される。近年の全球モデルシミュレーションによれば、冬季の北半球中〜高緯度及び南極で降水量が増加する。
(4)異常気象現象
・異常気象現象については、21世紀中に、最高気温及び最低気温の上昇、大部分の地域における降水強度の増加、大部分の中緯度内陸部における夏期の渇水、一部の地域における熱帯低気圧の最大風力及び降水強度の増加等が起きる可能性が高い。
(5)エルニーニョ
・現時点の予測においては、今後100年間においてエルニーニョの程度は、ほとんど変化しない、又は若干強くなると予測される。それにもかかわらず、温暖化は、多くの地域においてエルニーニョ現象に伴って発生する干ばつと豪雨の激化をもたらす可能性が強い。
(6)モンスーン
・温暖化は、アジアにおける夏期のモンスーン降雨の変動の激化をもたらす可能性が高い。
(7)氷河と氷床
・北半球の積雪と海氷範囲がさらに減少すると予測される。また、氷河や氷原は、21世紀にわたって幅広く後退を続けると予測される。
・南極大陸西部の氷床の安定性が懸念されている。この点に関する理解は未だ不十分であるものの、21世紀中に、目立った海面上昇を引き起こすような氷床の消失が起きる可能性はきわめて小さいことが広く合意されている。
(8)海面上昇
・主として海水の熱膨張及び氷河や氷原の消失により、1990年から2100年の間に、全球平均海面上昇は0.09〜0.88mと予測される。今回の評価において第2次評価報告書より大きな気温の変化が予測されたにもかかわらず、海面上昇は第2次評価報告書の0.13〜0.94mよりも若干小さい値となっている。この原因は、主として氷河及び氷床からの寄与がより少ない改良されたモデルを使用したためである。
(9)温暖化の長期的継続
・CO等の残留性が高い温室効果ガスの排出は、大気成分、放射強制力及び気候に長期的な影響を与える。例えばCO排出から数世紀後においても、排出に伴う濃度上昇の約4分の1が大気中に残存する。
・CO濃度が安定した後も、全球平均表面気温の上昇と、海水の熱膨張による海面水位の上昇は、数百年間継続すると予測される。
・氷床は、気候が安定した後数千年にわたって、温暖化に反応し続け、海面上昇に寄与する。気候モデルによると、グリーンランドにおける温暖化は全球平均の1〜3倍であり、5.5℃の局所的な温暖化が1000年間継続した場合、グリーンランドの氷床溶解による海面上昇への寄与は約3mに及ぶ可能性が高い。
・現在の氷力学モデルによると、今後1000年間に南極西部の氷床の溶解は、最大3m海面上昇に寄与する可能性がある。ただし、この結果はモデルに用いられた仮定条件に大きく左右される。
 
(6)今後必要な取組
 
(1)観測及び気候データの復元
・世界の多くの地域における観測ネットワークの拡充
・気候研究に関する観測基盤の拡大
・過去の気候データ復元作業の強化
・温室効果ガス及びエアロゾル観測の地域的分布の拡大
(2)モデリング及び機構解明研究
・放射強制力の変化をもたらすメカニズム及び要因に関する理解の向上
・大気圏、生物圏、地殻・土壌圏及び海洋における物理的・生物地球化学的な未解明の重要なプロセスに関する理解の向上
・気候予測の不確実性を定量化する手法の向上
・気候変動、地域的気候変化及び異常現象に焦点を置いた全球及び地域気候モデルの統合的な階層構造の向上
・物理的気候モデルと生物地球化学システムモデルとのより効率的なリンク
 
2.今後の予定
 
 今後、第2作業部会第6回会合(2月13日〜16日、スイス・ジュネーブ)、第3作業部会第6回会合(2月28日〜3月3日、ガーナ・アクラ)においてそれぞれ、第2、第3作業部会報告書SPMの審議・採択及び報告書本体の受諾が行われた後、IPCC第17回総会(4月4日〜6日、ケニア・ナイロビ)において、これら3つの報告書が最終的に承認される予定となっている。さらに、統合報告書については、今後、執筆作業が進められ、IPCC第18回総会(9月24日〜29日、英国・ロンドン)において審議・採択される予定となっている。
 
 

鱗翅目昆虫の生物多様性:パターンと推定法
 

Lepidopteran Biodiversity: Patterns and Estimators
M.L. Solis and M.G. Pogue, American Entomologist 45: 206-212 (1999)

 
 
 農業環境技術研究所は,農業生態系における生物群集の構造と機能を明らかにして生態系機能を十分に発揮させるとともに,侵入・導入生物の生態系への影響を解明することによって,生態系のかく乱防止,生物多様性の保全など生物環境の安全を図っていくことを研究の重要な目的の1つとしている。このため,農業生態系における生物環境の安全に関係する最新の文献情報を収集しているが,その一部を紹介する。
 
(要約)
 鱗翅目(蝶および蛾)は昆虫類の中でもよく知られた,多様性の高いグループである。鱗翅目昆虫の種類の多さと多様性は,幼虫の時期に,維管束植物の持っているさまざまな構造的および化学的な特性に適応していることによると考えられている。鱗翅目昆虫の中でも種数の多いグループが繁栄しているのは,独特な形態,風変りな行動パターン,複雑な化学的戦略を発達させて,捕食や寄生,あるいは地理的分断や気候変動のような非生物的選択要因から自分たちを守っていることにもよるだろう。
 
 数万以上の種が知られている蛾の分類群の全種数は,分類学的情報が不足しているため,推定値でしかない。多くの昆虫学者が鱗翅目昆虫全体の種数を推定しているが,16万種から50万種と推定するのが妥当であろう。系統分類学的な情報は,分類単位における種数を推定するために有用である。文献に現れた分類名に基づいて種数を推定することは,認められていない異名(シノニム)があることや,小型の蛾が大型の蛾よりも収集されにくいために,誤った結果となる可能性がある。博物館のコレクションは予備的な情報を得るのには有用であるが,最終的には野外研究が多様性評価のためには必要である。
 
 ある地域の種多様性を知るためには,対象とする分類単位を注意深く選ぶことが重要である。同様な研究で得られたデータを蓄積することによって,調査地の間の相補性や相違性を数学モデルにより計算し,ほかの地点の種数を予測することができる。南米での研究例では,地域の多様性パターンを十分に理解するためには,地点ごとのデータの分析が必須であることが示された。
 
 分類学研究と生物多様性インベントリーから得られる生物種のリスト,種数の推定(逐次採集による累積種数曲線が調査地の全種数にあたる漸近線に近づくという方法や,希少種の出現頻度から全種数を推定する方法などがある),調査地間の相補性指数などは,生物学者や非専門家が土地利用や保全対策についての判断をする際の重要な情報として利用できる。
 
 

本の紹介 27:宇宙は自ら進化した
リー・スモーリン著,野本陽代訳,NHK出版
(2000) 2800円 ISBN4-14-080548

 
 
 「私たちの住む宇宙は今から140億年の昔、『無』から生まれた。その宇宙はインフレーションと呼ばれる急激な膨張を経て、火の玉宇宙となり、それが膨張し冷却するなかで、今日の世界が創られた」
 
 今日の科学的宇宙論のパラダイムはここにある。物理学の法則の縦糸と、偶然性と自己組織化という横糸によって、単純なガスから人類自身を含む実に多様で美しい構造が織られたのである。しかし、この縦糸と横糸をほんの少しでも変えると、このパラダイムでは、もはや星も地球も人類も作られなくなってしまうといわれる。
 
 本書で著者は次のことを述べている。「完全で永遠の数学法則を発見するだけで宇宙の基礎を本当に把握できるだろうか、と私が疑問を抱くようになったことである。別の視点の存在を示す証拠が得られはじめている、と私は考える。この新しい視点に立つと、物理世界で見られる秩序と規則性の多くは、生き物の世界の美と同じようにして生じたものかもしれない、と想像できるようになった。すなわち、自己組織化によって、宇宙は時間とともにより複雑な組織へと進化した。」
 
 本書は5部に分けられている。それぞれは宇宙の完全な理論ならば答えなければならない簡単な質問をもとに組織されている。その質問は次のような順序で示される。
1.宇宙にはなぜ生命が存在するのだろうか? 星がたくさんあるのはなぜだろうか?
2.素粒子の特性を決定するただ一つの基本理論があるのだろうか? それとも自然の法則そのものが進化したのだろうか?
3.宇宙にこれほど多様な構造があるのは偶然だろうか、それとも必然だろうか? 宇宙がこれほど興味深いのはなぜなのだろうか?
4.空間と時間とは何だろうか?
5.宇宙のなかにすんでいる私たちが、どうしたら宇宙全体の完全で客観的な記述を作ることが出来るのだろうか?
 
 著者は無限に作られる宇宙が自ら子を産むとき、もっとも多くの子孫を残せる宇宙が、あたかも生物の進化のように、勝ち残っていくという仮説を立て、人間原理の考えを発展させている。その宇宙の 『遺伝子』を伝える具体的プロセスなど根拠は薄弱だが、実に魅力的なワクワクとさせられる仮説である。目次は以下の通りである。
 
序 説
第1部 基礎物理学の危機
 第1章 光と生命
 第2章 原子論の論理
 第3章 星の奇跡
 第4章 統一の夢
 第5章 ひも理論の教え
第2部 空間と時間の生態学
 第6章 物理学の法則は普遍だろうか?
 第7章 宇宙は進化したのだろうか?
 第8章 探偵の仕事
 第9章 銀河の生態学
 第10章 ゲームと銀河
第3部 宇宙の組織
 第11章 生命とは何か?
 第12章 興味深い宇宙の宇宙論
 第13章 花と十二面体
 第14章 哲学、宗教、そして宇宙論
 第15章 人間原理を越えて
第4部 アインシュタインの遺産
 第16章 新たな宇宙論における空間と時間
 第17章 ニュートンからアインシュタインへの道
 第18章 アインシュタインの一般相対性理論の意味
 第19章 量子の意味
第5部 アインシュタインの復讐
 第20章 宇宙論と量子
 第21章 多元的な宇宙
 第22章 関係のネットワークとしての宇宙
 第23章 時間の進化
エピローグ   進化
科学と哲学の用語解説
訳者あとがき
 
 

本の紹介 28:縄文農耕の世界
−DNA分析で何がわかったか−
佐藤洋一郎著,PHP新書125
(2000) 660円 ISBN4-569-61257-1

 
 
 農耕文化は従来弥生時代の水田稲作の渡来が起源とされてきた。だが、三内丸山をはじめ縄文遺跡で発掘されるクリは栽培されたものではないか? 縄文人は農耕を行っていたのではないか?
 
 著者によれば、「ヒトの手が加えられるにつれ植物のDNAパターンは揃ってくる」という。その特性を生かしたDNA分析によって、不可能とされていた栽培実在の証明に挑む。本書では、定説を実証的に覆した上で、農耕のプロセスからそれがヒトと自然に与えた影響にまで言及する。生物学から問う新しい縄文農耕論である。
 
 第1章は,著者が縄文農耕という問題に関心がむいたクリの栽培化について解説される。ここでは、栽培というヒトの行為によって、クリという植物にどういう変化が起きたかが書かれている。第2章は、縄文時代に見られたクリ以外の栽培植物とその栽培が記述されている。第3章には、農耕がヒトそれ自身やその社会、さらには生態系に及ぼす影響が書かれている。第4章では縄文農耕の意味づけが試みられる。目次は以下の通りである。
 
第1章 縄文時代を読み解くクリの存在
第2章 縄文農耕の実像にせまる
第3章 農耕は何をもたらしたか
第4章 縄文農耕と現代
 
 

本の紹介 29:農的循環社会への道,篠原 孝著,創森社
(2000) 2000円 ISBN4-88340-085-9

 
 
 著者は,はじめて「環境保全型農業」という言葉を創出した現役の農業総合研究所の所長である。今では誰でもすぐに理解できる言葉だが,この言葉が世間に定着するのに20年近くの歳月を要した。
これは,著者の20年来の持論をまとめた21世紀の世直しの本である。
 
 本書の展開に当たって著者の頭にあるキーワードは,循環社会は農業から・地球生命の危機・農業と21世紀の課題・持続的発展・ムダな生産・不必要な移動・自立国家をめざすであろう。
 
 著者は提言する。国内農業を犠牲にする「加工貿易」至上主義を捨てろ。水・土・森林・海を生かす循環社会に転換しない限り日本の将来はない。日本の加工貿易は「資源収奪型」で「環境破壊型」だ。工業製品を売りまくるため、いらない食料を買わされ国内農業を衰退させる道は「狂気のさた」だ。加工貿易立国の呪縛から抜け出しエネルギーを「地産地消」する循環型社会を目指せ。
 
 バブル経済崩壊後の経済低迷から脱却するために、さまざまな対策が講じられてきた。だが一向に成果は表れない。著者は、そうした原因が経済構造そのものにあるとの認識に立ち、混迷から脱却する方策を示している。農業を基盤に据えた「農的循環社会」に裏付けられた「適度なサイズ」の経済への転換こそが、最善の策と訴える。目次は次の通りである。
 
序章  環境保全型農業と循環社会
第1章 「食料小国」の貿易依存と自給:食料輸入大国の弱みと歪み/食料政策と自由貿易/内在する豊かな資源の活用
第2章 環境保全型農業への潮流:なぜ環境保全型農業なのか/自然の力を引き出す農業技術/米麦一貫生産体制を求めて
第3章 農産漁村の原風景と可能性:人と自然の接点としての棚田/棚田は後世に伝える原風景/究極の高齢者対策/名前に刻み込まれた故郷/田園ルネッサンスの時代
第4章 ヨーロッパ農村の包容力:ワイン街道とブドウ畑も景観/街並み規制とブーローニュの森/田舎志向と農家民宿/グリーン・ツーリズムの魅力/ヨーロッパの農村風景
第5章 農的循環社会への道:どうなる21世紀の人口・環境・食料/「工的大日本」から「農的・環的日本」へ/持続可能な社会をめざして
 
 

本の紹介 30:水と生命の生態学
−水に生きる生物たちの多様な姿を追う−,
日高敏隆編,講談社
( 2000) 980円 ISBN4-06-257308-3

 
 
 琵琶湖にイサザという魚がいる。世界中で日本の琵琶湖にしかいないハゼの仲間で、いわゆる琵琶湖の固有種であるが、昔から琵琶湖にはたくさんいて、琵琶湖の重要な水産資源である。けれどこの魚についてはわからないことがたくさんあった。
 
 なぜ世界中で琵琶湖にしかいないのか? なぜほかの湖には棲めないのか? この魚は昼は深さ30メートルから100メートルの湖底にいて、夜になると表層近くに上がってくる。そして食物を食ったら下降を始め、朝には深い湖底に戻っている。なぜそんな大変なことをしているのか?
 
 幸いにして世界でも有数の古い湖である琵琶湖をもつ滋賀県は、でき始めから数えれば400万年、今の琵琶湖になってからでも10万年といわれるこの古代湖に、大きな関心を持ってきた。そこには琵琶湖固有の、つまり世界中で琵琶湖にしかいないさまざまな生き物がいて、そこで何十万、何百万年も昔から互いに複雑な関係をもちながら生活し、進化してきた。それは大きくいえば、琵琶湖の生態学である。
 
 そこで滋賀県では1990年、生態学琵琶湖賞という賞をつくり、水に関わる生態学で、卓越した研究成果をあげた研究者にこの賞を贈ってその業績を讃えることにした。以来すでに10年。そこでこれまでの9年間にこの賞を受けられた人々の研究を改めて読み直してみると、これがまたじつにおもしろい。 以上、著者の「まえがき」から抜粋。
 
 第1回(1991年)から第9回(1999年)の生態学琵琶湖賞受賞者18人の研究者たちの生々しい記録の中に、われわれは現実の生態学の姿を見ることができる。
 
第1章 水の生物多様性
第1節 タンガニーカ湖の魚たち−共存の謎−
第2節 遺伝子から探る生物多様性
第2章 湖が語る歴史
第1節 バイカル湖−3000万年の生命たち−
第2節 大鬼湖の謎と気候の変遷
第3章 プランクトンの生態学
第1節 海の動物プランクトン
第2節 植物プランクトンの成長
第4章 アオコ、ユスリカ、ミジンコ
第1節 アオコ
第2節 湖の底に生きるユスリカ
第3節 ミジンコをめぐる湖の中の攻防
第5章 水と物質の動きの生態学
第1節 集水域の水文学
第2節 海と湖における有機物の生産
第3節 安定同位体生態学
第4節 コイの咽頭歯と地球の歴史
第6章 沿岸帯 
第1節 マングローブ生態系とその保全
第2節 東南アジアの海草生態系
第3節 陸と水とのエコトーン
第7章 水の復活
第1節 水の浄化の生態学
第2節 東湖のアオコの消滅の謎
 
 

本の紹介 31:リスク学事典
日本リスク研究学会編,TBSブリタニカ
(2000) 8,500円 ISBNS4-484-00407-0

 
 
 「情報:農業と環境」bXの“21世紀に期待される農業環境”において、「環境とは人間と自然の間に成立するのもで、人間の見方や価値観が色濃く刻み込まれたものです。だから、人間の文化を離れた環境というものは存在しない」と述べた。しかし、これまでの環境にかかわる書籍は自然科学系や社会科学系の各専門分野の領域において、それぞれ個別に書かれたものが多く、人間の見方や価値観など文化をも取り入れ、専門分野を超えた総合科学として環境問題を論じた書籍は少なかったように思う。
 
 本書はリスク研究者ばかりでなく、広く環境に関わる研究者・施策者・学生・市民にも環境が我々の身近な生活の問題として実践するにあたっての良き指針となる書である。なぜなら、本書の目指すところが,自然環境および社会環境と人間活動とのかかわりにおいて生じるリスク事象について解析・評価し、リスク情報の伝達・意志決定・リスクの対処方法ならびに施策決定方法を紹介しているからである。刊行にあたって、本書の理念が次のように述べられている。「市民社会の進展に合わせて、リスクを適切に認知・解説・評価し、個人と社会が適切な対応策をとり、リスクと賢くつきあいながら、生活の質を高めつつ、持続的に発展する経済社会を構築してゆくことが重要である」。
 
 本書は「リスク学事典」となっているが、物や事がらの内容を画一的に説明した従来の「事典」とは異なり、体系的にわかりやすく編成されている。
 
 本書は以下に示すように、第1章の概説ではリスクの概念と方法として全体の内容をまとめている。農業環境にかかわりのある内容の一部を以下に紹介する。第2章では,環境リスクの概念が従来の「(化学物質による)環境保全上の支障を生じさせる恐れ」から、「ある技術の採用とそれに付随する人の行為や活動によって、人の生命の安全や健康、資産並びにその環境に望ましくない結果をもたらす可能性」と広義に定義されている。例えば地球温暖化・オゾン層破壊などは,地球規模のリスクであると同時に次世代にまで影響を与えるから、グローバル・次世代リスクと呼ばれ、様々なリスクが登場する。これら各種のリスクの内容と対応について紹介している。
 
 第4章では,遺伝子組み換え技術やクローン技術など生命科学が生みだす技術をどうみるのか、高度技術社会において「どれくらい安全なら十分なのか」など技術リスクの受容水準やこれらの技術がもたらす倫理問題が紹介される。
 
 第6章では,リスク評価手法として人への健康影響評価と環境中の生物へのリスク評価の手法と今後の課題が紹介される。また、システムズアプローチによるリスク評価の考えとして、財生産・消費・廃棄の過程で、物質や水・呼気・食品を介したシステムにおける物質系リスクの構造把握、食物連鎖を介し化学物質等による生物多様性の減少程度の推定などの評価法が紹介される。
 
 第7章では,リスクとリスク認知の相違及びリスク認知の心理学的測定法が紹介される。また、リスクとなる対象物のもつポジティブな側面だけではなく、ネガティブな側面についての情報、すなわちリスクはリスクとして公正に伝え、行政・企業ばかりでなく市民も含めた関係者が共考しうるコミュニケーション「リスクコミュニケーション」の理念とその手法が紹介される。
 
 健康・安全・環境にかかわるリスクマネージメントの研究は,これまで公衆衛生・防災科学・安全工学・環境工学などで個別的に取り扱われてきたが、第8章では,これらを学際的立場から系統立てて整理し、総合的政策科学として紹介している。
 
刊行にあたって
編集委員会一覧
執筆者一覧
編集方針
 目次
第1章 リスク学の領域と方法
[概説] リスク学の領域と方法−リスクと賢くつきあう社会の知恵−
 1.不確実性・不安そしてリスク
 2.安全とリスク
 3.健康と環境−リスク学とのかかわりにおいて
 4.リスク技術の社会的規制
 5.予防原則と世代間倫理
 6.化学物質汚染−公害から環境リスクへ
 7.リスク対策と産業の発展と科学技術の振興−化学の新しい潮流−
 8.国際機関のリスク研究
 9.ゼロリスクの理念−リスク管理のクライテリア
10.リスク学の基礎学と関連学問領域
11.日本リスク研究学会小史
    引用・参考文献
第2章 健康被害と環境リスクへの対応
[概説] 健康被害、健康リスク、環境リスク
[概説] 環境リスクの概念の変化と次世代・グローバルリスクの登場
 1.労働現場の有害因子と健康障害
 2.労働災害補償および労働者災害の現況
 3.労働衛生管理
 4.放射線の健康リスク
 5.電磁波の健康リスク
 6.重金属曝露に伴う健康へのリスク
 7.農薬の健康リスク
 8.バイオ技術のリスク
 9.新たな感染症のリスク
10.生態リスク
11.廃棄物処理で得られるもの、失うもの
12.ダイオキシンと健康リスク
13.環境ホルモンのリスク評価−in vitro, in vivo assay と疫学調査の重要性−
14.環境基準とサーベイランス
15.新規化学物質のリスク評価
16.循環型社会おけるリスクの制御
17.内分泌攪乱物質のリスクアセスメント−未知の障害リスク
   引用・参考文献
第3章 自然災害と都市災害への対応
[概説] 自然災害のリスクマネジメント
[概説] まれな災害に備えつつ、暮らしの豊かさを求める−まちづくりとのかかわり−
 1.都市型産業災害
 2.都市災害とパークシステム
 3.都市地震災害
 4.日常的な交通事故
 5.洪水の水災害
 6.社会的背景の下での渇水被害
 7.日本の土砂災害対策
 8.地震による災害
 9.都市直下型地震とライフライン
10.緊急支援,災害復旧と生活復興
11.巨大な自然災害と防災工学
12.高圧ガス保安におけるリスク思想
   引用・参考文献
第4章 高度技術リスクと技術文明への対応
[概説] 技術リスクと高度技術社会への対応
 1.巨大技術システムの事故
 2.深層防護
 3.人的因子
 4.自動化の皮肉
 5.組織事故
 6.安全文化
 7.事故調査
 8.LPHCリスク
 9.どれだけ安全なら十分に安全か
10.リスク情報に基づく技術管理
11.技術のリスク認知とコミュニケーション
12.バイオハザード
13.情報ネットワーク・リスク
14.技術開発・利用と倫理問題
15.技術リスク論議における対立
   引用・参考文献
第5章 社会経済的リスクとリスク対応社会
[概説] 社会経済的リスクの分析とマネジメント
 1.金融バブルの歴史と教訓
 2.金融リスクとデリバディブ
 3.保険史−過去・現在・未来
 4.不確実な資産の管理と選択
 5.モラル・ハザードと逆選択
 6.ゲーム理論と戦略リスク
 7.環境リスク便益分析
 8.迷惑施設の立地問題とリスク対策
 9.日本的経営とリスクマネジメント
10.環境破壊による社会経済的なグローバルリスク
11.危機管理と保険によるリスク処理
12.環境の劣化に対する保険
13.リスクと環境監査
   引用・参考文献
第6章 リスク評価の科学と方法
[概説]リスク評価の科学的手法
[概説]システムズアプローチによるリスクの構造的把握
 1.プロセス安全とシナリオライティング
 2.リスク評価の枠組みと定量化の手順
 3.リスク評価に用いられるデータの信頼性、的確性、有用性の検討、評価プロセスの透明性
 4.健康リスク評価における用量-反応評価
 5.曝露評価とシミュレーション技法、生物学的モニタリング
 6.不確実性と信頼性の評価
 7.環境疫学
 8.エコロジカル・リスク評価法
 9.リスク評価の階層構造とシステムズアプローチ
10.国際機関等の健康・環境リスク評価の方法のガイド
11.リスク分析における確率と揺らぎ
12.システムの故障解析
13.事故統計と要因分析
14.決定理論によるリスク評価
15.コンパラティブ・リスク
16.リスク評価のクライテリア
   引用・参考文献
第7章 リスクの認知とコミュニケーション
[概説]リスク認知とリスクコミュニケーション
 1.リスク認知と受け入れ可能なリスク
 2.文化とリスク認知
 3.市民のリスク認知
 4.専門家のリスク認知
 5.過大視されやすいリスク
 6.リスク便益分析と社会的受容
 7.リスクコミュニケーションのプロセスと送り手の信頼性
 8.リスクコミュニケーションの戦略
 9.リスクコミュニケーションとパブリックインボルブメント
10.情報提示の方法と送り手−受け手関係バイアス
11.情報不足が生み出す不安
12.リスクコミュニケーションの情報支援システム
13.環境化学物質のリスクコミュニケーションガイド
14.医療上のリスクとインフォームドコンセント
15.PCBの消却処分をめぐるリスクコミュニケーション
16.ジャーナリズムとリスクコミュニケーション
   引用・参考文献
第8章 リスクマネジメントとリスク政策
[概説]リスク対応の戦略,政策,制度
 1.リスクの緊急事態と危機管理
 2.リスク封じこめとリスク回避のマネジメント
 3.比較リスクによるリスク削減戦略
 4.予防原則と後悔しない政策
 5.譲渡可能な排出許可証
 6.資源管理と持続的可能性へのマネジメント
 7.リスク低減への規制と誘導
 8.製造業者の責任と消費者の自己責任
 9.環境規格リスクマネジメント
10.情報公開とリスク選択への参加
11.遺伝子組換え食品への市民の対応
12.健康と環境のリスクを削減する国家戦略
13.環境法に組こまれたリスク対応制度
14.公害健康被害補償法
15.リスクアセスメントはリスクマネジメントと切り離せない過程
16.環境アセスメントとリスク管理
17.リスク学の研究教育組織とリスク研究の学会
   引用・参考文献
用語解説・リスク研究に関連するホームページ・おわりに・事項牽引
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