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情報:農業と環境 No. 60 (2005.4)

No.60 2005.4.1
独立行政法人農業環境技術研究所
No.60
・農業環境技術研究所が平成17年度に開催する研究会とシンポジウム
・平成16年度農業環境研究推進会議が開催された
・農業環境技術研究所と農林水産省農村振興局資源課農村環境保全室との連絡会が開催された
・NIAES Annual Report 2004 が刊行された
・農業環境研究成果情報−第21集−が刊行された
・農業環境技術研究所案内(16):一枚の油絵
・論文の紹介:オーストラリアの国立公園における外来アリ2種の根絶
・本の紹介 161:日本の農薬開発、編集:佐々木満・梅津憲治・坂 齋・中村完治・浜田虔二、日本農薬学会(2003)
・本の紹介 162:次世代の農薬開発 −ニューナノテクノロジーによる探索と創製−、日本農薬学会/阿部 浩・桑野栄一・児玉 治・鈴木義勝・藤村 真:編集、ソフトサイエンス社(2003)
・本の紹介 163:農薬の環境科学最前線−環境への影響評価とリスクコミュニケーション−、日本農薬学会/上路雅子・片山新太・中村幸二・星野敏明・山本広基:編集、ソフトサイエンス社(2004)
・資料の紹介:農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関するEU理事会規則
・役員退任と新役員の紹介

農業環境技術研究所が平成17年度に開催する研究会とシンポジウム

桜の開花とともに、新しい年度を迎えました。本年度もよろしくお願い申し上げます。当所で開催する恒例の研究会やシンポジウムの予定をお知らせします。

第25回農業環境シンポジウム

「農業環境におけるリスクの評価や低減対策のための基盤となるインベントリー研究」

開催予定日: 平成17年10月

開催予定場所: 農業環境技術研究所大会議室

担当者: 農業環境インベントリーセンター長

開催趣旨

20世紀に人間活動が拡大した結果、農業環境においてもさまざまなリスクが発生した。具体的には、地球環境の変化にともなう食料生産への影響、化学合成物質や微量重金属による農業環境資源の劣化と食品汚染、および生物多様性のかく乱などが懸念されている。こうした問題を放置すれば、持続的な社会の発展はもとより、人間生存の基盤さえも危うくなる。

本シンポジウムは、こうしたリスクの評価および低減のための技術開発、さらに、施策の基盤となるインベントリーの整備状況やこれの活用方法について議論を深める。

第23回土・水研究会

「農作物による有害化学物質の吸収とそのリスク管理」

開催予定日: 平成18年2月下旬

開催予定場所: つくば農林ホール

担当者: 化学環境部重金属研究グループ長

開催趣旨

国内外において、食品の安全性に対する意識・関心が高まっている。カドミウム等の重金属については、コーデックスで国際的な安全基準の強化が論議されており、コメを始めとして農作物の安全性確保のための取組みが進められている。

一方、環境残留性の高い化学物質の汚染から人の健康および環境を保護することを目的とした「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が採択され、残留性の高い有機汚染物質の動態を十分に把握することが国際的に求められている。そのため、農耕地土壌中に長期間残留し、農作物によって吸収されて食の安全性を損なう恐れのある有害化学物質については、それらのリスク管理対策の確立が急務である。

そこで本研究会では、重金属やPOPs等の有害化学物質について、1)農作物による吸収に関する実態の把握、さらには、2)バイオレメディエーション(生物を用いた環境修復技術)を始めとした新しい手法を応用したリスク管理技術について、最新の研究成果に基づき、今後の展望を論議する。

第22回農薬環境動態研究会

「農薬の多成分一斉分析 −需要動向と手法開発− 」

開催予定日: 平成17年9月中旬

開催場所: 農業環境技術研究所大会議室

担当者: 化学環境部有機化学物質研究グループ長

開催趣旨

残留農薬に関する国民の関心は高く、食品の安全性確保やその環境影響評価のために、農作物をはじめ、土壌、水、大気などといった多様な試料中の農薬を分析することが求められている。最近、多種類の農薬を効率よく測定する技術として多成分一斉分析法が農作物中残留農薬の分析などで注目を集めている。

この行政的背景として残留農薬の監視が強化されることがあげられる。具体的には平成15年5月に「食品衛生法等の一部を改正する法律」が公布され、早ければ今秋には食品中に残留する農薬についてポジティブリスト制が導入され、すべての作物と農薬の組み合わせで残留基準が設定される。また、同年5月に「水道水質基準の省令」が改正され、水道水に関しては101農薬を対象に総農薬方式での水質管理が実施される。これら法整備を背景に、農薬の多成分一斉分析法に関する需要と関心が一層高まっている。

しかしながら、一斉分析法には、新規剤の登録や登録失効などによる分析対象農薬の変化への柔軟な対応や、分析困難な農薬への対応など解決すべき問題点も多い。

本研究会では、農薬の多成分一斉分析に関する行政的ニーズを把握するとともに、技術的課題を抽出し、今後の残留農薬の安全性評価に向けた研究のあり方を探る。

第22回気象環境研究会

「土壌と大気におけるガス交換のインターフェイスとしての植物の役割」

開催予定日: 平成18年2月下旬

開催予定場所: 農業環境技術研究所大会議室

担当者: 気象研究グループ長

開催趣旨

植物は様々なガスの吸収源や発生源であるとともに、土壌と大気の移動経路でもある。たとえば、植物の生育に必要なCOとHOは気孔を介して固定あるいは放出され、温室効果ガスの一つであるCHは水生植物の茎の割れ目などを介して大気へ放出される。これら植物のガス交換機能により、植物は大気環境変化の影響を受けるとともに、大気組成の変化に影響を及ぼしている。

そのため、これら植物と大気のガス交換を圃場、地域、全球のスケールで明らかにすることは、農業環境における物質循環を解明するうえで極めて重要である。本研究会では、群落や圃場レベルでのガス交換の実態と、植物によるガスの吸収と大気への放出に関する環境応答機構について論議する。

第5回有機化学物質研究会

「POPs及び農薬の環境挙動予測のための数理モデル−開発の現状と今後の展望−」

開催予定日:平成17年9月中旬

開催予定場所:農業環境技術研究所大会議室

担当者:化学環境部有機化学物質研究グループ長

開催趣旨

化学物質の環境中の挙動を表現する数理モデル(環境内運命予測モデル)は、化学物質の環境リスクにおける曝露(ばくろ)解析を行う際に最も有効な手段の一つとなっている。残留性有機汚染物質(POPs)や農薬などのリスク評価の分野においても、このようなモデル開発が進展してきている。POPsや農薬の適正な管理を行うためには、これら化学物質の環境中での残留性、分解性、分布、移行特性などを予測する必要がある。

本研究会では、最近わが国で開発されつつあるPOPsや農薬の環境挙動予測に関する水田一筆レベルのミクロな数理モデルから、河川流域レベルでのモデル、さらには地球レベルでの挙動を扱うマクロなモデルまでの開発の現状を把握し、それらの問題点を整理する。また、モデル予測に基づくモニタリングの効率化などについても議論し、今後のモデル開発の研究方向を探る。

平成16年度農業環境研究推進会議が開催された

独立行政法人農業環境技術研究所農業環境研究推進会議運営要領に基づき、平成16年度農業環境研究推進会議が下記の通り開催された。

本会議

日時: 平成17年2月24日(木) 10時〜12時

場所: 農業環境技術研究所大会議室(2F)

開会 農業環境技術研究所 理事

挨拶 農業環境技術研究所理事長、農林水産技術会議事務局研究開発課長

議事

1)平成15年度農業環境研究推進会議において行政部局及び研究機関から出された要望等への対応状況

2)独立行政法人評価委員会による評価結果報告書

3)平成16年度評議会報告

4)平成16年度研究推進状況の総括

5)平成16年度に実施した研究会・シンポジウムの概要報告

6)平成17年度のプロジェクト・研究会・シンポジウム等の予定

7)行政部局及び研究機関からの要望:各行政部局及び研究機関出席者

8)その他

閉会 農業環境技術研究所 理事

研究推進部会

日時: 平成17年2月24日(木) 13時〜16時

場所: 農業環境技術研究所大会議室(2F)

議題:本中期計画の研究課題の取りまとめと研究展開の方向

趣旨

独立行政法人については、中期目標期間の終了の都度、組織及び業務全般の見直しを行うことが制度の中核と位置付けられている。農業環境技術研究所は、17年度中に中期目標期間の終了を迎えることになり、平成18年度から開始される次期中期計画期間における法人としての組織見直しについて方向性が示された。

こうした中で、当所では研究業務を見直すため、平成15年9月から平成16年6月までの間に、「次期中期計画策定のための戦略検討会」を5回開催した。この検討会では、各研究分野での検討を基に、本中期計画期間中の研究課題の整理を行いつつ、今後、重点化する、継続するおよび整理・統合すべき研究課題について議論を重ねた。

本部会ではこれらの経過を踏まえ、次期中期計画における研究展開方向を念頭におきながら、最終年度に向けたこれまでの研究課題の取りまとめ方向について検討を行う。このため、各研究部長・センター長が各分野ごとに概要説明を行うとともに、大学及び民間等外部有識者をコメンテーターに迎えて意見を頂き、討議を経て今後の研究推進方針を明確にする。

議事

司会:独立行政法人農業環境技術研究所 理事

1.理事長挨拶

2.コメンテーター紹介 (理事長)

3.趣旨説明 (企画調整部長)

4.課題説明

1)化学環境部 (化学環境部長)

2)生物環境安全部 (生物環境安全部長)

3)地球環境部 (地球環境部長)

4)環境化学分析センター (環境化学分析センター長)

5)農業環境インベントリーセンター (農業環境インベントリーセンター長)

5.有識者からのコメント

1)古在 豊樹(千葉大学 環境健康フィールド科学センター長)

2)堀  雅文(三菱総合研究所 地球環境研究本部 シニアプロジェクトマネージャー)

3)松永 和紀(科学ライター、前毎日新聞記者)

4)永田  徹(農業環境技術研究所 評議会委員長、前茨城大学教授)

6.総合討論 (司会:企画調整部長)

評価部会

日時: 平成17年2月24日(木) 16時〜17時30分

場所: 農業環境技術研究所大会議室(2F)

議事

(総合司会:企画調整部長)

1.理事長挨拶

2.「A.農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性確保」の主要成果情報候補課題の検討

(司会:化学環境部長)

3.「A.農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性確保」の主要成果情報候補課題の検討

(司会:生物環境安全部長)

4.「B.地球規模での環境変化と農業生態系との相互作用の解明」の主要成果情報候補課題の検討

(司会:地球環境部長)

5.「C.生態学・環境科学研究に係る基礎的・基盤的研究」の主要成果情報候補課題の検討

(司会:地球環境部長、農業環境インベントリーセンター長、環境化学分析センター長)

6.指定試験から提出のあった成果情報の紹介

(司会:化学環境部長)

7.総括

農業環境技術研究所と農林水産省農村振興局資源課農村環境保全室との連絡会が開催された

当所と農村振興局資源課農村環境保全室との平成16年度の連絡会が、以下のように開催された。

日時: 平成17年3月2日(水)13:30〜18:15

場所: 農林水産省会議室

出席者:

(農村環境保全室)

澤田 資源課長、富田 農村環境保全室長、草野 課長補佐(環境調査班)、栗林 調査係長、長野 基準係長、細谷 課長補佐(環境評価班)、節賀 影響評価係長、武智 環境保全係長、長谷川 課長補佐(環境保全班)、大西 環境評価係長、藤原 水質保全係長、斎藤 事業計画課課長補佐、小野寺 水利整備課係長

(農業環境技術研究所)

上路企画調整部長、谷山研究企画科長、稲生主任研究官、小川植生研究グループ長、池田リーダー、井手リーダー、藤井リーダー、松井昆虫研究グループ長、菅原栄養塩類研究グループ長、板橋主任研究官

議事内容:

1)資源課長あいさつ

農業環境技術研究所の概要と主要成果(上路部長)

2)農林水産環境政策アドバイザリー会議の報告と農村環境保全室における調査の概要(富田室長)

3)農業による環境への負荷(実態把握と対策技術)

中環審・水質部会とその後の湖沼法改正等の動き(草野補佐)

「水田除草剤の流出が水生植物に及ぼす影響」(池田リーダー)

「リン・懸濁物質の流出予測モデルの中規模流域への適用」(板橋主任研究官)

環境負荷軽減水管理技術、流域環境保全シミュレーションモデル(調査班)

4)農業の多面的機能(農業生産に伴う環境便益)

「水田浄化」成果の事業計画への導入の試み(調査班)

「植生・土地被覆変化に関する調査・情報システムとそれを利用した外来植物の分布状況の把握」(井手リーダー)

魚類等の生息における水田の役割、魚道水路ビデオ、農業農村環境情報整備調査の成果(保全班・評価班)

5)環境と調和した農業の実例紹介

自然再生活動(コンクール、応募内容分析、事例紹介:保全班)

6)行政トピックス

資源保全施策(評価班)、INWEPF(長野係長)

意見交換:

農村環境保全室からの説明に対して、1)湖沼水質保全計画における農業系の原単位の変動理由、2)農業農村環境情報整備調査における調査対象生物の選択理由、3)農薬散布により田面水の濁りが少なくなる理由、4)地形連鎖を利用した水質浄化におけるため池での生物の発生の問題、などに関する論議が展開された。

農環研からの説明に対して、(1)農薬汚染指標生物の選択理由、(2)リン流出の主な原因である土壌侵食の実際の防止対策、(3)外来植物の分布状況における土地改良の影響、などに関する意見交換がなされた。従来どおり、今後も情報を提供しあい、相互に協力することで連絡会を終えた。

NIAES Annual Report 2004 が刊行された

Message from the Director General

Conserve the Environment by Listening to the Wind, Observing the Soil,
and Thinking of Our Future

Possessed with the magic of science and technology, humanity has raced through the latter half of the 20th century in pursuit of material and economic growth. We humans have manufactured articles to make life easier in great abundance and now enjoy the most convenient lives ever achieved in history. However, as a result, various environmental problems have emerged, one after another.

The range of pollutants of which we are aware has expanded, from point-source pollutants (including heavy metals such as cadmium and mercury) and surface pollutants (such as nitrogen and phosphorus in rivers, leading to eutrophication) to global-scale pollutants such as carbon dioxide, methane, and nitrous oxide, which cause global warming. Our environmental problems have correspondingly expanded from points to planes to three-dimensional space.

Furthermore, we now know that the human-made chemicals that enrich our lives also threaten our fertility and intelligence and the very survival of future generations. Environmental threats have expanded beyond the space-time framework of our early awareness of these issues.

The mission of the National Institute for Agro-Environmental Sciences in the 21st Century is to study agriculture in environmental space-time. For this purpose, the institute was reorganized in 2001 to function with objectives that were more mission-oriented, and 3 years have passed already.

We believe that the following nine objectives are necessary to improve the function of our institute. We have endeavored in the last 3 years to constantly check our progress in light of these nine objectives.

* Reception (of ideas from the public, other disciplines, policy needs)

* Research (expansion to solve problems, engage new issues)

* Cooperation (with other disciplines and policymakers, signing international Memorandums of Understanding)

* Discussion (in seminars, extension, and public education)

* Accumulation (of information in an agro-ecological research resource inventory)

* Evaluation (of research, management, and institutional mechanisms)

* Transmission (to specialists, and to the general public during public evaluations of our work)

* Proposal (in the form of risk evaluations, environmental management plans)

* Dissemination (via the press, TV, and the Internet).

To focus the consciousness of our staff, we have chosen a catchphrase, key concepts, and logo for our institute.

Catchphrase: conserve the environment by listening to the wind, observing the soil, and thinking of our future.

Key concepts: security, safety, restraint, and the succession of environmental resources to future generations.

Logo: the symbol's colors represent the research domains of NIAES. The sky is light blue, clouds and water are white, biota are green, and the soil is brown.

Moreover, we have come to appreciate international, interdisciplinary, and interregional partnerships in advancing research in the agro-environmental sciences. To solve difficult environmental problems, we need to pursue not only domestic and international collaboration, but also collaboration between disciplines and collaboration between ecological research projects established in different field sites around the world. We must merge the international, interdisciplinary, and interregional.

To apply these ideas, we have become a founding member of two associations, one bringing together research institutes devoted to agriculture, forestry, and fisheries, and the other involving not only agricultural institutions but also industrial and more broadly environmental institutions. In addition, NIAES has signed MOUs with research institutes in Korea, China, Germany, and other countries. International symposia bringing together researchers from Japan, China, and Korea, and cooperative projects with prefectural research institutes in Japan, are examples of our collaborative activities.

The products of our progress are presented in this annual report. I hope that the reports of our work in FY 2003 will inspire the further development of research on agriculture and the environment. A list of research papers published is included at the end of this report. Please do not hesitate to contact us if you would like to have a copy of a paper, or if you have questions concerning any aspect of agro-environmental research.

Katsuyuki Minami, Dr. Agr.

CONTENTS

Message from the Director General

History of NIAES

Highlights in 2003

Main Research Results / Major Symposia and Seminars / International and Domestic Research Collaboration / Visitors / Advisory Council 2003 / Academic Prizes and Awards / Seasonal Events

Research Organization

Research Overview and Topics in 2003

Department of Global Resources / Department of Biological Safety / Department of Environmental Chemistry / Natural Resources Inventory Center / Chemical Analysis Research Center / Research Projects

Invitation, Training and Information Events

Symposia and Workshops / Foreign Visitors / Overseas Research and Meetings

Appendix

Publications / Advisory Council and Staff List / Budget, Staff Numbers and Library Holdings / Site Layout / Internet Web Site / Meteorological Information

農業環境研究成果情報−第21集−が刊行された

この冊子は、平成16年度農業環境研究推進会議評価部会で選ばれた主要な研究成果を情報としてまとめたものである。

はじめに

人間の能力は有限である。その生涯も有限である。だから、研究を志す者は何か特定の対象についての専門人にならざるをえない。農業環境研究という大きなテーマは、個人では完成できない。そこで目的をもった組織のもとに、これを機能させるため構造とシステムを構築して、協力して問題の解決にあたる。だから、組織は機能体なのである。

機能体である組織も、人間の能力と同じように有限である。問題の全てを解決することなぞ到底できまい。個人と同様に何か特定の対象についての専門研究所にならざるをえない。ここにお届けする成果は、その意味で専門人による専門研究所の成果たらざるをえない。

しかし、環境研究とはあくまでも環境の安全と安心を確保し、行き過ぎた技術を制御し、さらには次世代の人びとに環境資源を健全に継承することを目的としたものに他ならない。したがって、個々に得られた知を総合化し、上記の目的を完成する必要がある。そうはいっても、そのことを実行することは簡単なことではない。

新渡戸稲造は、あの有名な「武士道」を書く1年前の明治31年に「農業本論」を出版している。この本の「第三章:農業に於ける學理の應用」の「第一項:実業と學問」のはじめに「學問の要は概括にある事」がある。そこでは、次のことが書かれている。

學問は、常に概括を主として事物の當に然るべき所と然る所以とを探窮し
実業は一事一物に就いて、則ち其利害得失を判断す。

まことに、環境研究と環境保全の対策に対しても当をえた解説である。

成果のひとつひとつをみれば専門人としての結果であるが、これを克服するためにそれぞれの成果は、「農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性確保」、「地球規模での環境変化と農業生態系との相互作用の解明」および「生態学・環境科学研究に係る基礎的・基盤的研究」の三つの範疇に分類してある。専門人の道を進む道程において、少しずつ環境研究の総合者としての見方ができるように心がけているつもりである。

言い換えると、専門人の門構えを持ちながら、奥に進むにつれて次第に総合家になっていくという精神の構造を自覚的に追い求めるシステムを作ろうとしているのである。環境を総合的にとらえるのに必要な基礎的な成果を習得した者こそが、総合者となりうると考えるからである。

この成果情報が、みなさまにとって有意義な情報になることを願っております。

平成17年3月  独立行政法人農業環境技術研究所 理事長 陽 捷行

目次

A.農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性確保

  1. 水田土壌におけるダイオキシン類の年間収支の推定
  2. ダイズ子実のカドミウム濃度を土壌属性から予測するための手法
  3. カドミウムで汚染された水田を修復するための土壌洗浄法
  4. 水耕栽培したダイズにおけるカドミウムの移行特性
  5. 玄米のカドミウム濃度に係わる遺伝子座の検索
  6. 亀裂の発達した粘土質転換畑の暗渠からのリンの流出
  7. 畑土壌からの嫌気的な亜酸化窒素発生に脱窒菌以外の微生物が関わっている
  8. 台地畑における浅層地下水中の亜酸化窒素の由来
  9. 畑ほ場における窒素動態・収支シミュレーションシステム
  10. クロロカテコール分解酵素の基質特異性は3つのアミノ酸によって決定される
  11. シマジン分解細菌群CD7の構成種とその機能
  12. 農薬生態毒性評価のためのコガタシマトビケラの室内人工飼育法
  13. アシベンゾラルSメチルは葉面糸状菌相に影響を及ぼさない
  14. 解毒酵素遺伝子塩基配列の違いを利用した有機リン剤抵抗性ワタアブラムシの識別法
  15. 環境のゆらぎを考慮した花粉拡散距離の推定法
  16. アジア・太平洋外来生物データベースシステムの構築
  17. 土壌抽出DNAを用いた土壌くん蒸処理の微生物群集への影響評価
  18. 農業環境に由来するセパシア菌群(Burkholderia cepacia complex)の遺伝子型
  19. ユキヤナギに含まれる高活性植物生育阻害物質の発見
  20. 日本在来の被覆植物リュウノヒゲの他感作用と他感物質としてのサリチル酸の発見
  21. ムクナの根から放出されるL-ドーパに対する植物の抵抗性機構
  22. 外来植物ニセアカシアのアレロパシー活性と作用物質
  23. 間伐材から抽出された植物生育促進物質1,2-プロパンジオール
  24. 関東地方でみられるタンポポの4割は単一のクローンである
  25. くん蒸処理が畑の土壌線虫の種数および密度に及ぼす影響と回復の内容

B.地球規模での環境変化と農業生態系との相互作用の解明

  1. 農業水利用を考慮した新しい大陸スケールの水循環モデルの開発
  2. 渦相関法によるCOフラックス計算用の実用的プログラム
  3. メタン発生の多い水田での畑転換は有効な温室効果ガス発生抑制技術である

C.生態学・環境科学研究に係る基礎的・基盤的研究

  1. 農作物中の殺虫剤イミダクロプリドは簡易かつ迅速に分析できる
  2. 水稲作付地を衛星搭載レーダと地理情報を用いて確実に精度良く検出する技術
  3. リモートセンシングと生態プロセスモデルの協働によるCOフラックスの動的評価手法
  4. 侵入害虫クロテンオオメンコガ(新称)の国内における広範囲での発生確認

参考資料(指定試験から提出のあった成果情報)

  1. 移植前湛水深を抑制するとECが高まり懸濁された土壌粒子が沈降しやすくなる
  2. 水稲移植前落水時の湛水深を60mm以下にすると水質汚濁負荷が半減する
  3. 丘陵地野菜畑地帯の河川における窒素、リンの流出

農業環境技術研究所案内(16):一枚の油絵

今回は、当所の理事長室に掛けられている一枚の油絵を紹介する。なお、以下は当所の先輩である山田忠男氏から提供されたものをもとに記した。

理事長室の油絵に描かれているのは、東京都北区西ヶ原にあった当所の前身である農業技術研究所の冷害実験室である。研究所の近くに住んでおられた杉本博画伯(1912−)が、1961年11月に完成された縦76センチ、横94センチの作品である。古い格式を誇る正門が手前にある。都電が通っていた本郷通りから写生されたものである。

冷害実験室は、1934年の稲作の大冷害を契機に、国を挙げて冷害対策技術研究に取り組むなかで、その基礎研究を担うために1936年、農事試験場(東京、西ヶ原)に建設された。当時のお金で10万円だったという。ここでは、冷たい空気を地下室の冷房装置から屋上のガラス室に送り込み、イネの生育期と低温障害の関係が研究された。戦争中と戦後の研究中断の時期を経て、この絵の描かれたころには、作物生理のほかに病害や害虫の研究にも広く使用されていた。

以下は、山田忠男氏の原文である。

『杉本画伯からこの絵を購入された川原静香医師は、自分のもみじ診療所(北区滝野川2丁目)に、25年以上の長い期間、飾っておられた。そして、生前、そこに勤務していた山田二三子氏に贈ることをもらしておられた。今般、坂内清子氏、金井二三子氏、藤牧峻介氏、長岡進一氏をはじめ、多くの方々の善意のご協力を得て、理事長室に飾られることになった。

1980年の筑波移転の後、この冷害実験室などもすべて取り壊されて、公園に生まれ変わっている。わが国の農業技術研究発祥の地であり、数々の歴史を秘めた西ヶ原の地を偲ぶ数少ない資料として、この絵が長く後世に引き継がれることを切望してやまない。』

オーストラリアの国立公園における外来アリ2種の根絶

Eradication of two exotic ants from Kakadu National Park
Benjamin D. Hoffmann and Simon O'Connor
Ecological Management & Restoration 5: 98-105 (2004)

農業環境技術研究所は、農業生態系における生物群集の構造と機能を明らかにして生態系機能を十分に発揮させるとともに、侵入・導入生物の生態系への影響を解明することによって、生態系のかく乱防止、生物多様性の保全など生物環境の安全を図っていくことを重要な目的の一つとしている。このため、農業生態系における生物環境の安全に関係する文献情報を収集しているが、今回は、わが国の「特定外来生物による生態系に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」において特定外来生物の指定が予定されているアカカミアリ(Solenopsis geminata)を含む外来アリ2種の、オーストラリアにおける根絶事業の報告を紹介する。台湾ではヒアリ(Solenopsis invicta)の根絶事業が昨年から開始されており、わが国で本法律に基づく防除を行う場合にも参考となると考えられる。

要約

オーストラリアのカカドゥ(Kakadu)国立公園は、世界的な自然保護の象徴となっている場所であるが、他の同じような場所と同様、常に外来生物の脅威にさらされている。とくに侵略的な2種の外来のアリがこの国立公園内で根絶された。これは根絶事業が成功しうるという明確な実例であり、その成功から得られた経験は、現在続けられている外来生物とのたたかいの助けとなるだろう。

ツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)とアカカミアリは、オーストラリア北部に侵入した外来のアリの中でとくに重要な種であり、どちらも世界の外来侵入種ワースト100に入れられている。2種のアリがオーストラリア北部に最初に到達した時期は不明であるが、アカカミアリの標本が1939年にダーウィン市で採集されており、ツヤオオズアリも1930年代にすでに侵入していたようである。オーストラリア北部でのツヤオオズアリの生態系、農業、社会への影響と、それよりは小さいアカカミアリの影響はよく知られている。

2001年6月に、ツヤオオズアリの巣がカカドゥ国立公園内で発見され、外来アリの根絶事業が開始された。防除作業後の2年間の調査によれば、この根絶事業は成功したと考えられる。根絶事業は3段階に分けられる。第1段階は公園内での正確な分布状況を把握し、根絶のための費用と期間を推定するための調査の局面である。第2段階は防除の局面であり、第3段階は防除後のモニタリングの局面である。

調査

2種のアリの分布が詳細に調べられた。ツヤオオズアリの繁殖個体は飛翔(ひしょう)能力がなく、分布の拡大は人による運搬に依存している。アカカミアリの繁殖個体は飛翔能力はあるが、風があると結婚飛翔をやめてしまうなど、飛翔による移動は局地的である。ツヤオオズアリは、複数の女王アリを有するスーパーコロニーを形成するが、アカカミアリは普通の個別の巣を作る。

調査は、両種が作る地表面の特徴を目で探すことによって行われた。さらに、どちらの種も発見されなかったが存在の可能性が否定できない区域では、缶詰のキャットフードあるいはマグロ肉をえさとして置き、集まってくるアリを調べた。

ツヤオオズアリは、カカドゥ国立公園内の4つの地区の約30haで合計24群の発生が確認された。アカカミアリは、2つの地区で2群の発生が確認された。アカカミアリの群を正確に数えることは難しいが、50群以上が存在したと推定される。

薬剤処理

2種のアリに対して、殺アリ剤(商品名:Amdro、有効成分:hydramethylnon)が処理された。この薬剤は摂食毒であり、栄養交換(trophylaxis)によって女王アリを含む群内の個体に広く行き渡る。ヒアリ(Solenopsis invicta)防除のために開発されたが、ツヤオオズアリにも高い効果がある。陸上のせきつい動物への毒性はごく低く、光に当たると急速に無害の物質に分解される。しかし水に溶けやすく、水生の無せきつい動物に毒性がある。そのため水路などに入らないように注意し、雨期には散布しなかった。2種のアリの発生区域に2.5 kg/haを均一に散布し、発生が多い場所や植生が繁茂した場所などに多めに散布した。

散布後の最初のモニタリングで、ツヤオオズアリの8つの小さな個体群が建物の近くに残っているのが発見されたため、その建物の周辺に再び薬剤を散布し、建物の中に別の殺アリ剤(商品名:Ant Cafe)を置いた。一部のアカカミアリの巣は根絶が難しく、Amdroを10回以上散布しても残存していたため、最終的に1,000 ppmのダイアジノン液(商品名:Nucidol Dog Wash、犬用ダニ駆除剤)を巣に流し込んでアリを殺した。

モニタリング

根絶の成功を確認するまでの標準的な期間は決まっていないが、2年間のモニタリングで対象生物が1個体も見つからなければよいとする考え方がある。この事業では公園管理の一部として期限を定めずに監視が続けられるが、薬剤処理後の12か月に、誘引えさによる集中的なモニタリングを行った。薬剤を散布した区域全体に誘引えさを約5mの間隔で置いて、約15分後に調査した。これを3か月間隔で実施した。

社会の理解

アリを発見したり、あらゆる場所に立ち入ったりする際に社会の協力を得るためには、侵入生物の問題と根絶事業の重要性について、社会の理解を得ることが重要である。

得られた知見とその意義

この根絶事業の成功は、広い面積に定着した外来のアリを完全に根絶することは現実的ではないという通説への反例となる。従来、アリ類の根絶の成功の報告はわずかしかなかったが、最近は、比較的大きな規模で根絶が成功している。1990年にはチビヒアリ(Wasmannia auropunctata)がガラパゴスのサンタフェ島(2ha)でAmdroを使って根絶され、続いてマルチェナ島(22ha)でも根絶できそうである。さらに、ニュージーランドのティリティリマタンギ島(11ha)ではフィプロニルを含む新規薬剤を使って、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)の根絶に成功した。

カカドゥ国立公園での根絶事業が成功した要因として、次のことがあげられる。

(1)対象生物の生態が根絶防除に適していた。ツヤオオズアリはスーパーコロニーを形成すること、また2種とも薬剤処理が有効であることが根絶につながった。

(2)対象生物が低密度でも検出できた。

(3)根絶事業に対する予算などの資源が十分であった。実際には、かなりの低予算で実施できた。

(4)さまざまな管轄やあらゆる階層の人々から、事業の重要性への認識と賛同が得られた。

(5)再侵入を防止するための対策がとられた。外来アリ類の存在と脅威について社会の認識が高まり、また公園周辺の侵入経路での根絶が進められた。

(6)根絶された生物種のあとに土着の生物相が回復した。ツヤオオズアリが根絶された区域では、その直後から土着のアリが急増した。

(7)さらに、希少種、絶滅危惧種、あるいは影響を受けやすい非標的種や生息地を保護する措置を確実に行うことが重要であろう。

他の外来アリ

ほかに7種の外来アリが、カカドゥ国立公園内で発見された。これらの外来アリが生物多様性に対する大きな脅威となることは知られていない。ミゾヒメアリ(Monomorium destructor)だけは攻撃的で巨大群を形成するが、生態影響に関する研究はないようである。しかし、互いに離れた複数の駐車場で多数の個体が発見されたため、カカドゥ公園の管理者はこのアリを根絶しようとしている。

この根絶事業により、ツヤオオズアリの大規模な根絶、およびアカカミアリの小地域での根絶が可能であることが示された。結婚飛翔によって分散する他種のアリでも根絶が可能かもしれない。ツヤオオズアリとアカカミアリは在来の生物多様性と農業に大きな損害をもたらすので、とくに自然保護地区では、この2種の根絶を優先すべきである。

本の紹介 161: 日本の農薬開発
編集:佐々木満・梅津憲治・坂 齋・中村完治・浜田虔二
日本農薬学会(2003)

農薬科学が新しい世紀に問われている課題は、「農薬科学はこれからどう進むべきか」、「農薬学会は行政、産業界、市民とどのように連携するか」、「海外の関連学会や国際機関などとどのように強調していくのか」であると、序に書かれている。

この問いに答えるべく、本書は「日本における農薬研究開発の歴史」と「日本発の農薬」の柱を立て、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、植物成長剤の歴史と具体的なモノについての解説がこころみられる。38人の専門家の執筆による本書は、説得力がある。目次は以下の通りである。

目次

第1編 日本における農薬研究開発の歴史

1.殺虫剤の変遷

1.1 昭和20〜29年(1945〜1954)における研究開発

1.2 昭和30〜39年(1955〜1964)における研究開発

1.3 昭和40〜49年(1965〜1974)における研究開発

1.4 昭和50〜59年(1975〜1984)における研究開発

1.5 昭和60年〜平成6年(1985〜1994)における研究開発

1.6 平成7〜14年(1995〜2002)における研究開発

2.殺菌剤の変遷

2.1 昭和20〜29年(1945〜1954)における研究開発

2.2 昭和30〜39年(1955〜1964)における研究開発

2.3 昭和40〜49年(1965〜1974)における研究開発

2.4 昭和50〜59年(1975〜1984)における研究開発

2.5 昭和60年〜平成6年(1985〜1994)における研究開発

2.6 平成7〜14年(1995〜2002)における研究開発

3.除草剤・植物成長調整剤の変遷

3.1 除草剤

わが国での除草剤開発の推移/除草労働時間の推移/製剤の開発/有効成分投下量の推移

3.2 植物成長調整剤

植物成長調整剤の成立/殺菌剤から拡大登録された成長調整剤−健苗育成剤・登熟歩合向上剤−/矮化剤

4.製剤の変遷

4.1 製剤の種類とその変遷

現在の農薬製剤の種類/製剤の変遷

4.2 剤型別生産量の推移 4.3 最近の剤型別出荷量の推移 4.4 水稲用除草剤の剤型の推移 4.5 剤型別登録件数の推移

第2編 日本発の農薬

第1章 殺虫剤

1.フェニトロチオン

1.1 発見の経緯 1.2 合成法 1.3 生物効果 1.4 物理化学的性状・製剤 1.5 代謝、環境中での挙動

1.6 有機リン殺虫剤の化学構造と選択毒性

パラチオンからフェニトロチオン/メタミドホスからアセフェート/パラチオンからプロフェノホス/TOCPからサリチオン

2.フェンバレレート

2.1 合成ピレスロイド発展の歴史

家庭・防疫用ピレスロイド/3−フェノキシベンジル系合成ピレスロイド(家庭・防疫用−2)/農業用3−フェノキシベンジル系合成ピレスロイド

2.2 フェンバレレートの発見に至る研究の背景

α−置換フェニル酢酸エステル系殺虫剤の発明/フェンバレレートの選択/エスフェンバレレートの合成

2.3 フェンバレレートの殺虫活性及び作用特性

基礎殺虫活性及び残効性/フェンバレレートおよびエスフェンバレレートの圃場での防除効果/有用昆虫および天敵に対する影響

2.4 フェンバレレートの製剤

パーマチオン水和剤/ハクサップ水和剤/ベジホン乳剤

2.5 フェンバレレートの製造法

2‐(4‐クロロフェニル)イソ吉草酸とα‐シアノ‐3−フェノキシベンジルアルコールのエステルの製法/2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸の合成/3−フェノキシベンズアルデヒドと関連化合物の合成

2.6 フェンバレレートの安全性

動植物、土壌における代謝/フェンバレレートの毒性

3.イミダクロプリド

3.1 発見の経緯および構造と活性の関係 3.2 殺虫活性 3.3 合成法および物理化学的性状

3.4 作用機作 3.5 安全性 3.6 イミダクロプリド以降のクロロニコチニル系殺虫剤の展開

4.ブプロフェジン

4.1 リード化合物

4.2 合成展開

1,3−ジチオランからジヒドロ−1,3,5−ジチアジンへの変換/1,3,5−チアジアジンへの構造展開/1,3,5−チアジアジン母核の最適化

4.3 生物活性

活性スペクトル/活性の強さ/齢別活性

4.4 作用特性

幼虫に対する作用(脱皮不全)/成虫に対する作用(寿命短縮、産卵抑制、不孵化卵の産下)

4.5 防除効果

圃場試験/残効性/ガス効果・浸達性/交差抵抗性・抵抗性発達/リサージェンス

4.6 作用機構

キチン生合成阻害/プロスタグランジン生合成阻害

4.7 製剤研究 4.8 安全性の概要

5.カルタップ

5.1 発見の経緯

ネライストキシン/カルタップ

5.2 生物効果

カルタップの作用機構/カルタップの作用特性と防除上の利点/カルタップの使用場面と有効害虫

5.3 製剤

5.4 海外における使用状況

5.5 代謝、残留、毒性

代謝・分解/残留/毒性

5.6 ネライストキシン由来の殺虫剤

6.ベンフラカルブ

6.1 ベンフラカルブの発見に至る研究の背景

カーバメート誘導体に関する研究の契機/メチルカーバメート系殺虫剤の低毒化の機構

6.2 新規アミノスルフェニル誘導体の合成とベンフラカルブの発見

新規アミノスルフェニル誘導体のデザインと合成/構造活性相関とベンフラカルブの選抜

6.3 ベンフラカルブの開発の経緯

開発の概要/日本国内での開発の経緯/海外での開発の経緯

6.4 ベンフラカルブの生物活性とその特徴

殺虫スペクトル/圃場における効果試験結果/ベンフラカルブの作用特性/ベンフラカルブの有益生物に対する影響

6.5 ベンフラカルブの代謝および作物残留分析

植物、昆虫、動物における代謝/残留分析

6.6 ベンフラカルブの製造法

6.7 ベンフラカルブの製剤

6.8 ベンフラカルブの安全性試験

毒性試験/環境影響試験

7.エトフェンプロックス

7.1 エトフェンプロックス開発の経緯

エーテル結合を有するピレスロイドの発見/開発化合物の選抜

7.2 エトフェンプロックスの合成法

7.3 エトフェンプロックスの生物活性

作用機構/基礎活性/エトフェンプロックスの特異な作用

7.4 エトフェンプロックスの安全性

哺乳動物に対する急性毒性/水性生物に対する毒性/有用動物への影響

7.5 製剤

エトフェンプロックス粒剤/エトフェンプロックスマイクロカプセル(MC)剤

7.6 代謝、分解性および残留

植物、土壌、水中および光

7.7 関連薬剤の動向

第2章 殺ダニ剤

1.日本発の殺ダニ剤

1.1 脱皮阻害剤

ヘキシチアゾクスの発見とその生物活性/抵抗性問題/Insecticide Resistance Action Committee (IRAC)のダニ剤抵抗性管理戦略/エトキサゾール

1.2 ミトコンドリア電子伝達阻害剤(METI: Mitochondrial Electron Transfer Inhibitors)

生物活性/作用機構/抵抗性研究/抵抗性対策

1.3 ミルベメクチンとその他の日本発の殺ダニ剤

ミルベメクチンの発見とその生物活性/その他の日本発の殺ダニ剤

第3章 殺菌剤

1.チオファネートメチル

1.1 発見の経緯

1.2 合成法

全工程共通の溶媒の選択/クロロ蟻酸メチル反応塔のデザイン/大量生産のための連続法/廃水・排気汚染対策

1.3 生物効果

有効病害範囲/殺菌特性/作用機作および耐性機作/耐性菌の発生状況とその対策

1.4 チオファネートメチルの製剤

1.5 チオファネートメチルの代謝と作物残留

動物・植物代謝/環境中での運命/作物残留

1.6 チオファネートメチルの安全性

急性毒性、刺激性、感作性/慢性毒性と発ガン性、繁殖毒性、催奇形性/変異原性・突然変異性/薬理作用/ヒトに対する作用

1.7 関連薬剤の動向

市場/安全性・登録

2.プロベナゾール

2.1 発見の経緯 2.2 合成法

2.3 生物効果

プロベナゾールの効果の特徴/いもち病菌ライフサイクルに対するプロベナゾールの作用/プロベナゾール製剤の適用病害

2.4 製剤

2.5 代謝、残留、毒性

プロペナゾールの動物、植物、土壌中における代謝/プロペナゾールの作物残留、土壌残留、水中残留/プロペナゾールの安全性、非標的生物に対する影響

2.6 作用機作

プロペナゾールの抗菌スペクトル/植物の防御システムに対するプロペナゾールの作用/プロペナゾールで誘導される遺伝子/SARシグナル伝達系におけるプロペナゾールの作用点

2.7 関連薬剤の動向

plant activator

3.ヒメキサゾール

3.1 発見の経緯

3.2 合成法

3.3 生物効果

殺菌作用/植物成長調整作用/混合剤の開発/作物に対する安全性

3.4 代謝、残留、毒性

4.イソプロチオラン

4.1 発見の経緯 4.2 合成法 4.3 スクリーニング 4.4 構造活性相関 4.5 イソプロチオランの生物活性と作用機構 4.6 イソプロチオランのいもち病防除効果 4.7 ウンカに対する制虫作用 4.8 ムレ苗防止、健苗育成への適用 4.9 イネの登熱向上作用

4.10 安全性評価

毒性/生体内運命/非標的生物への影響および環境中での動態

4.11 最近のいもち病防除剤の動向

5.プロシミドン

5.1 ジカルボキシイミド系殺菌剤の発見とプロシミドンの選抜

プロトタイプ化合物H−5009の発見/H−5009から環状イミド化合物へ/プロシミドン選抜への経緯/その他のジカルボキシイミド系殺菌剤

5.2 定量的構造活性相関

5.3 プロシミドンの製法

1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸の合成/3,5−ジクロロアニリンの合成/プロシミドンの合成

5.4 プロシミドンの病害防除効果

病害防除の作用特性/抗菌スペクトル/適用病害/抗菌作用の特性

5.5 プロシミドンの物性と製剤

物性/製剤

5.6 プロシミドンの安全性

哺乳動物中での代謝/植物中での代謝/土壌中での代謝・分解/水系での分解

5.7 耐性菌問題と対策

6.フルアジナム

6.1 発見の経緯

6.2 化学

フルアジナムと周辺物質の合成/化学構造と生物活性

6.3 生物効果

抗菌スペクトル/作用特性(予防効果・耐雨性・残効性)/植物病原菌の核感染過程に及ぼす影響/耐菌性に対する効果/作用機構/ハクサイ根こぶ病に対する作用特性・防除効果/殺ダニ活性/運用病害と使用方法

6.4 代謝、残留、毒性

フルアジナムの代謝分解/作物残留性/土壌残留/人畜毒性/有用性作物に対する影響

第4章 除草剤

1.チオベンカルブ

1.1 発見の経緯 1.2 構造活性相関 1.3 合成法 1.4 生物効果 1.5 製剤 1.6 代謝、残留、毒性 1.7 関連薬剤の動向

2.ピリチオバックソジウム

2.1 発見の経緯

研究の契機/O-ピリミジニルサリチル酸系化合物の発見/有用な中間体の開発とピリミジン誘導体の作用症状/O-フェノキシオイリミジン系化合物の構造と除草活性

2.2 ワタ用除草剤としての最適化 2.3 ピリミジニル(チオ)サリチル酸誘導導体の定量的構造活性相関 2.4 ピリチオバックソジウムの除草効果 2.5 作用機作 2.6 製造法 2.7 安全性 2.8 ALS阻害除草剤の必須構造

3.ピラゾレート

3.1 発見の経緯 3.2 合成法 3.3 生物効果 3.4 作用機作

3.5 製剤

原体粒度が除草効果に及ぼす影響/粒剤における原体粒度と除草効果/原体粒子の水田中での分解性と除草効果/DTP粒剤とピラゾレート粒剤の水田におけるDTP放出性/ピラゾレートの粒度および水田中での分解性がDTP放出性および除草効果に及ぼす影響/DTP放出性と流亡の関係

3.6 代謝、残留、毒性

代謝/残留/毒性

4.セトキシジム

4.1 発見の経緯 4.2 合成法

4.3 生物効果

除草効果/殺草徴候/作用機作

4.4 代謝、環境科学、残留、毒性 4.5 関連薬剤の動向

5.フルミオキサジン

5.1 発見の経緯 5.2 製造法

5.3 除草活性

殺草スペクトルと作物選択性/作用特性と選択性機構/実用性・適用作物

5.4 作用機作

5.5 物理化学的性状・製剤

物理化学的性質・製剤

5.6 代謝、残留、毒性

動物・植物代謝、残留、環境挙動、生態影響/哺乳動物に対する毒性

6.フルアジホップブチル

6.1 発見の経緯 6.2 合成法

6.3 作用特性

選択性/浸透移行性

6.4 作用機構

成長生理に及ぼす影響/代謝に及ぼす影響(生化学的作用)/光学異性体の存在/オーキシン系除草剤との相殺作用

6.5 関連薬剤の動向

7.ビアラホス

7.1 発見の経緯 7.2 ビアラホスの生合成研究および遺伝子クローニングなどの取り組み

7.3 生物効果

殺草スペクトル/選択性/薬効発現の速さと抑草期間/雑草体内移行性/ハダニ類密度抑制効果

7.4 製剤

7.5 代謝、残留、毒性

ビアラホスの体内運命について/ビアラホスの作物残留/土壌残留、水中残留

7.6 毒性

急性毒性試験/刺激性および感作性試験/急性遅発性神経毒性およびその他の毒性/魚毒性および有用昆虫に対する影響/非標的生物に対する影響、環境に対する安全性

7.7 作用機構 7.8 関連薬剤の動向

第5章 植物成長調整剤

1.ジベレリン

1.1 ジベレリンの発見と開発の経緯 1.2 GAの供給および無核化ブドウの作出事業とその後の展開 1.3 GAの使用時の安全性 1.4 GA の特許および農薬登録 1.5 ブドウ以外の栽培植物に対するGAの適用法 1.6 GAの生合成と代謝および生理作用

「日本の農薬開発」編集をおえて/索引

本の紹介 162: 次世代の農薬開発−ニューナノテクノロジーによる探索と創製−
日本農薬学会/阿部 浩・桑野栄一・児玉 治・鈴木義勝・藤村 真:編集、
ソフトサイエンス社(2003)

21世紀の社会では、有限の地球環境のなかで自他の共存がきわめて重要である。農薬もこの共存を避けて通れない。本書はそのことをニューナノテクノロジーの立場から解き明かそうとする。

ここでは、分子設計、新規ターゲットの単作と新しいタイプの防除剤、植物機能改良剤の3編を構成し、さまざまなアプローチの研究成果をまとめている。各編は、いずれも最先端の科学を駆使した多面的な技術と柔軟な発想のもとに、次世代の合成化学をリードする研究開発の具体的な方法論と現在までの成果が集約されている。31人の専門家によって書かれた内容は、具体的で説得力がある。目次は以下の通りである。

目次

第I編 分子設計

1.天然物化学・化学生態学からのアプローチ

1.1 病原菌と植物二次代謝産物

1. 微生物由来の二次代謝産物と植物−微生物相互作用

エリシター/サプレッサー/植物毒素/微生物側相互作用関連因子と農薬のデザイン

2. 植物二次代謝産物と植物−微生物相互作用

ファイトアレキシン/ファイトアンティシピン/植物二次代謝産物の病害防除への利用

1.2 寄生植物の生活環制御に関与する生理活性物質

1. 根寄生植物の生活環制御に関与する生理活性物質

発芽刺激物質/吸器誘導物質/根寄生植物種子のコンディショニングおよび発芽に関与する内生植物ホルモン

2. 今後の展望

1.3 熱帯・亜熱帯植物の生理活性物質

1. 活性成分と植物

アザジラクチン/ロカクアミド/アセトゲニン/チャビコール/リャノイド/不飽和アミド類/セベトラムアルカロイド/テルペノイド/その他

1.4 抗生物質:微生物の生産する生理活性物質

1. 形態分化と物質生産の制御物質

放射菌の形態分化と物質生産の制御物質/真菌の二次代謝産物生産の調節物質/真菌の形態分化調節物質/最近のクオラムセンシング(細胞密度依存的制御機構)

2. 微生物と植物の相互作用を制御する物質

植物病原菌の「抗争」と根粒菌の「会話」/「微生物資材」の物質的根拠/Sterile dark mycelial fungus

3. 光制御系の調整物質 4. 分解系の阻害物質

5. 新しい探索原

Environmental DNA(eDNA)/Streptomyces avermitilis のゲノム配列

2.ヘテロ環化学と創薬

1. 新農薬創製の取り組みについて

新薬創製の流れ/ヘテロ環化学の活用

2. リード化合物の創製

含窒素、イオウ合成ブロックの利用/含ヘテロ環既存剤の構造展開から/新環化反応の開発

3. 新規白化型除草剤(S-83697)への展開

ドラッグデザイン/ヘテロ環化学の役割

3.グリーンケミストリーを指向したファインケミカルズ合成反応の開発

1. チタン=クライゼン縮合・アルドール付加の開発と有用ファインケミカルズ合成のへの応用

基本的性能/天然大環状ムスク香料:Z-シベトン・R-ムスコンの短段階・実用合成

2. 最近のエステル化・アミド化・スルホニル化・シリル化の動向

エステル化/アミド化/スルホニル化・シリル化

4.コンピューターケミストリー

1. 定量的構造活性相関・計算化学・情報化学

2. ピレスロイド系殺虫化合物の解析例

活性配座探索/Classical QSAR と3D QSAR /情報化学的類似性

3. 論理的農薬設計の実例‐殺菌剤メトコナゾールおよびイプコナゾールの開発

リード化合物の発想/QSAR・計算化学によるリード化合物の最適化/メトコナゾールとイプコナゾールの発見/植物成長調節作用の構造活性相関/標的受容体P45014DMとの相互作用様式・ゲノム情報の利用

5.コンビナトリアルケミストリーとハイスループットスクリーニング

1. コンビナトリアルケミストリー

コンビナトリアルケミストリーと農薬創製研究/ライブラリー化合物の多様性とライブラリー設計/コンビナトリアル合成の種類/固相コンビナトリアル合成/液相コンビナトリアル合成/コンビナトリアル合成における化合物の分析と確認/自動合成装置/化合物情報管理

2. ハイスループットスクリーニング

ハイスループットスクリーニングとは/アッセイ系/アッセイロボット/アッセイデータの管理/アッセイデータの解析と化合物の絞込み

3. 農薬創製研究における適用例

第II編 新規ターゲットの探索と新しいタイプの防除例

1.害虫防除剤

1.1 昆虫の神経伝達物質受容体

1. リガンド作動性イオンチャネル(LGIC)

ニコチン製アセチルコリン受容体/グルタミン酸受容体/GABA受容体/セロトニン受容体/ヒスタミン受容体

2. G-タンパク質共役受容体(GPCR)

オクトパミン受容体/チラミン受容体/ドーパミン受容体/セロトニン受容体/ヒスタミン受容体/ムスカリン性アセチルコリン受容体/代謝調節型グルタミン酸受容体/代謝調節型GABA受容体

1.2 行動制御剤

1. 行動を制御する化学物質

フェロモンとは/蛾類性フェロモンの化学構造上の特色/性フェロモンの共通性と多様性/その他の行動制御物質

2. フェロモン利用の現状

発生予察への利用/大量誘殺/交信攪乱法

3. 交信攪乱法における問題点

開発と普及/抵抗性

4. 今後の展開

匂い物質の受容機構/タイプIの性フェロモンの生合成とその阻害剤/タイプIIの性フェロモンの生合成/生合成の制御機構/生態系のダイナミックスに関わる化学物質

1.3 成育制御剤

1. 脱皮ホルモン関連化合物

脱皮ホルモンアゴニスト/抗脱皮ホルモン

2. 幼若ホルモン関連化合物

幼若ホルモン様活性化合物/抗幼若ホルモン

3. キチン生合成攪乱型化合物

ベンゾイルフェニルウレア系キチン合成阻害剤/その他のキチン合成阻害剤/キナーゼ阻害剤

4. 摂食阻害物質 5. その他

1.4 Bacillus thuringiensis 殺虫剤

1. 生物農薬

2. Cty トキシン

Cty トキシンの殺虫特性/Cty トキシンの構造/殺虫機構

3. BTトキシンの新しい活性

4. 耐虫組換え体植物

Agrobacterium tumefaciens/抵抗性昆虫出現を回避する組換え体植物栽培法/複数遺伝子の導入/圃場の生物相への影響/アレルギー問題

5. BTトキシン研究の課題

1.5 ウイルス剤

1. 昆虫ウイルスの種類

昆虫ボックスウイルス/虹色ウイルス/バキュロウイルス/ポリドナウイルス(PDA)/アスコウイルス(AV)/パルボウイルス/細胞質多角体病ウイルス(CPV)/ピコルナウイルス(PV)/ノダウイルス/テトラウイルス/オリクテスウイルス(OrV)

2. ウイルスの感染過程

3. ウイルスによる流行病

ウイルスと宿主の相互利用の概要/環境

4. ウイルス剤の施用法

大量導入法/永続的導入法/接種的導入法/環境改善法

5. ウイルス剤の開発

ウイルスの性状決定/大量生産/製剤化/農薬登録と安全性

2.病害防除剤

2.1 Plant activator

1. 主なPlant activator

プロベナゾール(PBZ)/S-メチル(BTH)/N-シアノメチル-2-クロロイソニコチン酸アミド(NCI)/チアジニル/DF-391/バリダマイシンA(VMA)およびバリドキシルアミンA(VAA)/カルプロパミド(CRP)

2. plant activator により誘導される抵抗性

3. Plant activatorの作用点

BTH、INAおよびNCI/PBZ

2.2 病害抵抗性誘導剤の新規探索法

1. 抵抗性誘導と遺伝子発現 2. ルシフェラーゼレポーター導入形質転換培養細胞を用いた解析

3. 形質転換植物体を用いた解析 4. 形質転換シロイヌナズナを用いた解析

5  SAR誘導薬剤の作用機作解析 6. LUCレポーターの問題点

2.3 薬剤排出トランスポーター阻害剤

1. ABCトランスポーター 2. MFSトランスポーター

3. トランスポーター阻害剤の新規薬剤としての可能性

トランスポーターの基質となる殺菌剤の排出阻害/植物の生態防御物質の排出阻害/植物病原菌類の病原性因子の排出阻害

2.4 ターゲットタンパク質の立体構造決定に至る解析と、立体構造に基づく解析−イネいもち病防除剤カルプロパミドのターゲットタンパク質であるシタロン脱水酵素を例にして−

1. イネいもち病防除剤の作用点としてのシタロン脱水酵素

2. カルプロパミドはシタロン脱水酵素の tight-binding competitive inhibitor

3. カルプロパミドの立体異性とシタロン脱水酵素阻害

4. シタロン脱水酵素の構造上の特徴 5. シタロン脱水酵素のC未領域の構造と機能

6. シタロン脱水酵素と類似の三次元構造のタンパク質

7. シタロン脱水酵素のカルプロパミド低感受性変異と三次元構造

2.5 糸状菌のゲノム解析の現状と殺菌剤のスクリーニングへの応用

1. 殺菌剤の探索系と上市殺菌剤の作用機構

2. 糸状菌のゲノム情報の現状

公開されている真核微生物のゲノム情報/植物病原菌とモデル微生物の遺伝子相同性

3. ゲノム情報の殺菌剤探索への応用

殺菌剤のターゲット候補の選択/真核微生物に特異的な遺伝子群

4. シグナル伝達経路の殺菌剤ターゲットとしての可能性

糸状菌のシグナル伝達と二成分ヒスチジンキナーゼ/ジカルボキシイミド耐性遺伝子と浸透圧シグナル伝達経路/糸状菌の二成分ヒスチジンキナーゼ遺伝子のゲノム上での分布/ヒスチジンキナーゼ阻害剤とそのスクリーニング/ポジ耐性遺伝子のゲノム上での分布/ヒスチジンキナーゼ阻害剤とそのスクリーニング/ポジティブスクリーニングを利用したシグナル伝達経路の阻害剤探索

2.6 植物病原菌の病原性と殺菌剤のターゲット

1. 宿主表面への接着と付着器分化誘導因子の認識

2. 付着器分化誘導因子の認識に関わる菌体因子・遺伝子

3. 細胞内情報伝達 4. 付着器の形態形成と機能発現

3.雑草防除剤

3.1 ポストゲノム時代の除草剤ターゲット探索

1. バイオラショナル法 2. 遺伝子機能の解析 3. モデル実験

4. ハイブリッド転写調節因子によるアンチセンス発現系 5. 遺伝子破壊

6. 除草剤ターゲットサイトの評価

3.2 植物代謝と新規除草剤の創製

1. 除草剤の作用点

既存除草剤の作用点/新規作用点

2. 除草剤の新規作用点探索への取り組み

除草剤の持つべき条件/除草剤の開発方法/作用点探索の考え方/作用点探索手法のあれこれ/生化学的手法を用いた標的作用点探索への試み

3.3 エネルギー代謝系阻害剤

1. エネルギー代謝系とその阻害

エネルギー代謝系における既知の作用点と阻害剤/検討されている新規作用点

2. エネルギー代謝系阻害剤開発の展望

望まれる剤の性質/開発の手法

4.家庭防疫薬

1. 新しいタイプの家庭防疫薬

薬剤をばらまかない「点処理回収剤」/電動ファン付防虫器/ドライミスト製剤(液化炭酸ガス製剤)/昆虫成長制御剤を使用したノミ取り剤

2. 家庭防疫薬の今後の方向

第III編 植物機能改良剤

1.プラシノステロイド機能の制御

1. プラシノステロイドの作用

子実収量の増加/環境ストレスに対する植物への耐性付与/その他の効果

2. プラシノステロイド機能の薬剤による制御

プラシノステロイドミミック/受容体阻害剤/プラシノステロイド生合成阻害

2.アブシジン酸機能を応用した植物成長制御

1. アブシジン酸の生理作用

種子の形成/種子の休眠/気孔の閉鎖/水ストレス耐性

2. アブシジン酸の生合成

アブシジン酸の構造/アブシジン酸の生合成経路/アブシジン酸の代謝と不活性化

3. アブシジン酸機能を利用した植物機能改良剤

アブシジン酸の構造と活性の相関/不活性化に対して抗性を有するアブシジン酸基剤/特異的アブシジン酸生合成阻害剤

3.植物のペプチド性因子

1. 植物細胞増殖因子、ファイトスルフォカイン(PSK)

生物検定法の確立、精製、構造決定、分布/生合成/受容体

2. システミン 3. ENOD40ペプチド 4. CLEVATA遺伝子産物 5. 自家不和合性を制御する因子 6. 受容体キナーゼとそのリガンドペプチド

4.ストレスを緩和する化学物質

1. ストレスによる植物の応答

温度ストレス/塩ストレス/水ストレス/酸素ストレス/重金属ストレス/薬剤ストレス

2. 化学物資によるストレス耐性付与

温度ストレス/塩ストレス/水ストレス/酸素ストレス

3. これからの展望

索引

本の紹介 163:農薬の環境科学最前線−環境への影響評価とリスクコミュニケーション−
日本農薬学会/上路雅子・片山新太・中村幸二・星野敏明・山本広基:編集、
ソフトサイエンス社(2004)

日本農薬学会は、21世紀に向けて農薬科学がどの方向に進むべきか真剣に模索してきた。その結果、これまでに「日本の農薬開発」と「次世代の農薬開発−ニューナノテクノロジーによる単作と創製−」を出版し、その考えを世に問うてきた。

その最後を飾る書として出版されたのが、この「農薬の環境科学最前線」である。ここでは、農薬を環境科学の視点から検証して、環境への影響に配慮した農薬とその利用技術の経緯が整理されている。さらに、今後の農薬の環境科学の展望が論じられている。数多くの文献が引用されており、具体的で説得力のある本である。

なお、編集者の一人の上路雅子は、3月31日まで当所の企画調整部長であったが、4月1日に当所の理事に就任した。目次は以下の通りである。

目次

第1章 農薬と環境

1.農薬と環境

1−1 総論

1) 農業に果たしてきた農薬の役割 2) 農薬と環境科学 3) 農薬の安全性を確保するための努力

1−2 農薬の環境科学的視点からの検証−影響と管理−

1) 環境中における農薬の残留性 2) 環境中の農薬の代謝分解 3) 農薬に含有される不純物 4) 農薬の生態影響とリスク管理

2.直面している農薬の環境科学の諸問題

2−1 使用されないで残った農薬に係わる問題

1) 残留性有機汚染物質 2) 埋設農薬の処理の概要 3) 埋設農薬の分解処理技術 4) 農薬を土壌・容器から抽出する技術 5) 生物浄化技術 6) 農薬含有の廃水の処理技術

2−2 内分泌攪乱作用に関する問題

1) 人に対する内分泌攪乱に関する問題 2) 野生生物に対する内分泌攪乱に関する問題

第2章 環境に係わる規制

1.わが国の環境関連規制の歴史と現状

1) 農薬の変遷 2) 環境に係わる法規制の歴史 3) 環境に関連するわが国の現行法規制

2.欧米の環境関連規制

1) EUでの評価と規制 2) 米国での評価と規制 3) まとめ

3.化学物質のリスク評価とリスク管理

1) 安全性評価からリスク評価へ 2) リスク評価の基本 3) リスク評価・管理の新しい課題

第3章 環境への曝露量評価

1.分析法の発展

1) 水中の残留農薬分析 2) 土壌中の残留農薬分析 3) 大気中の残留農薬分析 4)多成分分析

2.モニタリング手法

1) 農薬の環境動態 2) 土壌環境におけるモニタリング 3) 水系環境におけるモニタリング 4) 大気環境のモニタリング

3.曝露量推定モデル試験法

1) 農薬の流出経路 2) ドリフト 3) 地表流出 4) 鉛直地下浸透

4.シミュレーションモデルによる農薬の環境中濃度の推定

1) 数理モデルとは 2) 欧米で推奨される農薬登録のための数理モデル 3) 数理モデルを用いた水田環境における農薬濃度の推定 4) 確率論的リスク評価に応対した環境中濃度の推定 5) 今後の展望

第4章 生態影響評価

1.生態リスク評価の必要性

1) 生態系保全の必要性 2) 生態リスクの評価の基本的考え方 3) 農薬による生態リスクの評価と管理の現状 4) 今後の課題

2.生態系の構造と機能

2−1 水域環境における生態系の構造と機能

1) 水圏生態系の概要 2) 多様な水圏生態系

2−2 土壌環境における生態系の構造と機能

1) 土壌生態系の構造 2) 土壌生態系の機能 3) 土壌生物の動態測定手法

3.実験室レベルでの生態影響試験法

1) 実験室レベルの試験の特性 2) 実験室レベルの試験法 3) 藻類試験法 4) ミジンコ試験法 5) 魚類毒性試験 6) ユスリカ試験法(底質添加、水添加) 7) 陸生植物成長試験(TG208) 8) ミツバチ急性毒性試験(経口、接触) 9) 蚕影響試験 10)ミミズ毒性試験 11) 鳥類試験 12) その他の試験 13) 統計的処理 14) 実験室内レベルからのPNECへの外挿

4.野外試験における生態影響調査と評価

1) 欧米におけるミクロコズム・メソコズム試験 2) わが国における野外モデル生態系試験 3) 実環境条件を反映した室内試験の取り組み 4) 今後の展望

5.生態影響評価の考え方

1) 生態影響評価に当たっての基本的視点 2) 生態影響評価手法の開発にあたって

第5章 環境に配慮した生産技術

1.環境に配慮した農薬開発

1) 農薬(有効成分)の低薬量化 2) 易分解性農薬の研究開発の変遷 3) 選択毒性に関する研究開発の変遷 4) 環境に配慮した農薬の研究開発事例

2.製剤の開発

2−1 農薬製剤について

2−2 放出制御製剤

1) 放出制御製剤の意義 2) 特徴 3) 放出制御技術の種類 4) 環境問題を解決するための特性

2−3 箱育苗・種子処理製剤

1) 箱育苗処理製剤 2) 種子処理製剤

3.施用法の開発

3−1 地上散布

1) 農薬製剤・施用技術の現状と課題 2) 水稲分野における新しい防除技術

3−2 航空防除・無人ヘリ防除

1) ヘリコプターを用いた農薬施用技術 2) 環境負荷の実態と軽減対策

4.生物農薬・遺伝子組換え作物の利用の現状と環境問題

4−1 はじめに

1) 農薬の安全性と有用性 2) 生態系の生物 3) 生物的有害生物管理の必要性 4) これからの有害生物管理 5) 生物農薬登録検査基準および組換え体の安全性確保

4−2 天敵(昆虫)農薬

1) 外来生物の環境に対するインパクト 2) 導入天敵の環境に対するインパクト 3) 世界各地域での天敵の導入規則 4) 外来天敵のリスクマネージメント

4−3 微生物農薬

1) 総合防除の概念と微生物農薬 2) 微生物農薬利用の現状 3) 植物用ワクチン(弱毒ウイルス) 4) 微生物農薬の素材開発手法 5) 微生物農薬の環境拡散対策 6) 微生物農薬の今後の展望

4−4 遺伝子組換え作物

1) 遺伝子組換え作物の栽培状況 2) 野外栽培前の安全性評価 3) 組換え作物による環境への影響

第6章 今後の課題と展望

1.農薬に関する情報の発信

1) 情報発信の現状 2) 正確な情報発信のあり方

2.農薬に関するリスクコミュニケーション

1) 農薬のリスクとベネフィット 2) 科学的データを正しく理解できる理科教育の必要性

索引

資料の紹介:農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関するEU理事会規則

人類が農業を営むようになってから、これまで約1万種の栽培植物が食料や飼料生産に使われてきた。しかし今日では150種の作物だけで全世界の人々を養い、30種の作物で食料エネルギーの90%、12種の作物で80%、さらに小麦、米、トウモロコシ、ジャガイモの4種で60%を供給しているといわれる。このような状況は、先進国において急速に進んでいる市場のグローバル化が影響しており、農作物ばかりでなく、家畜においても種および品種の数を急速に減少させている。また開発途上国においても、市場は画一化された種および品種の大規模な栽培を要求するようになった。このため、これまで自然・社会経済条件に適応して多種多様な在来種・品種を育成してきた小規模農業生産システムが世界的規模で衰退し、農業にかかわる生物の多様性が急速に失われている。農業の生物多様性の減少は、世界の飢餓人口の増加をもたらすばかりでなく、地球温暖化に伴う気候変化に対応するための農作物や家畜の適切な種や品種の利用を不可能にするであろう。

このため、FAOは2015年までに飢餓人口を半減させるという世界食糧サミットの主要目標を達成するために「食料および農業のための植物遺伝資源に関する国際条約」の発効に向けて2001年以来、活動を続けてきた。本条約の発効には40か国以上の批准を必要とするが、2004年3月31日に欧州委員会(EC)、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、ルクセンブルク、スペイン、スウェーデン、英国、チェコ、エストニアが本条約を批准したため、本条約は同年6月29日に発効した。現在、わが国は、本条約に加入していないが、今後、加入に向けて検討することになった。この国際条約の発効により、各国共通のルールの下で植物遺伝資源の利用を促進するシステムを構築して、何世紀もの間、遺伝資源の保全に寄与してきた途上国の農民のために利用から生じる利益の公正な配分が図られるとともに、民間部門による新品種の商品化も含め、利用から生じる金銭的利益の配分も義務付けられるようになるであろう。

一方、EU理事会は本条約の批准と並行して本条約に関する法整備を進め、理事会規則(EC)No. 1590/2004「農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関するEUプログラム*を確立し、規則(EC)No.1467/94を廃止する」を2004年4月26日に採択した。この規則はわが国のこれにかかわる研究および行政の分野の資料として参考になると思われるので、欧州官報に掲載された文書 L 304(2004年9月30日、1〜11ページ)、"Council Regulation (EC) No 1590/2004 of 26 April 2004 establishing a Community programme on the conservation, characterisation, collection and utilisation of genetic resources in agriculture and repealing Regulation (EC) No 1467/94" を仮訳した。

http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2004:304:0001:0011:EN:PDF (最新のURLに修正しました。2010年7月)

本文書で引用されている文献は通し番号(1)、2)・・・)を付けて章末に記載した。また仮訳するに当たって、不明な用語について、参考になる資料をウェブサイトから検索し、それらの資料の中から、いくつかの資料を番号(*1、*2・・・)を付けて掲載した。また仮訳した内容が適切に表現されていない部分もあると思われるので、原文で確認していただきたい。

欧州官報 L 304(2004年9月30日、1〜11ページ)

農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関するEUプログラム*1を確立し、規則(EC)No.1467/94を廃止する2004年4月26日の理事会規則(EC)No.1590/2004

(欧州環境庁関連文書)

EU理事会は、

EU設立条約、とくにその第37条に留意し、

欧州委員会の提案に留意し、

欧州議会の意見に留意し、

欧州経済社会評議会の意見に留意し、

以下のことに鑑み、本規則を採択した:

(1) 農業における生物と遺伝子の多様性は、農業生産および農村地域の持続可能な発展のために必須である。したがって、共通農業政策(CAP)の目的を促進するために、持続可能な方法で、その多様性の潜在資源を保全、特性調査、収集および利用するために必要な措置が講じられるべきである。

(2) 農業における遺伝資源を保全し、持続可能な利用を行うことは、理事会決定93/626/EEC1)によって、EUが承認した生物多様性条約、ならびに生物多様性保全のための行動計画および農業における遺伝資源の保護を含む関連のEU生物多様性戦略*2の目的にも貢献する。これは、食料および農業のための植物遺伝資源の保全および持続可能な利用のためのFAOの世界行動計画*3、*4ならびに欧州委員会および加盟国が2002年6月6日に調印した食料および農業のための植物遺伝資源の国際条約*5、*6、*7の主要な目的でもある。

(3) (公共部門の組織あるいは自然人もしくは法人による)広範な活動が加盟国の中で、そしてさまざまな国際組織や国際プログラム、たとえばFAO、欧州作物遺伝資源ネットワーク協力プログラム(ECP/GR)*8、国際農業研究協議グループ(CGIAR)*9、農業研究世界フォーラム(GFAR)*10、発展のための農業研究(ARD)*11の中のEUが支援する地域や準地域の組織*12、農用動物の遺伝資源管理のための国家協力の欧州地域拠点*13,*14、欧州森林遺伝的資源プログラム(Euforgen)*15、*16および欧州の森林保護に関して現在、進行中の閣僚会議(MCPFE)関連の公約*3、*17、*18、によって実施されており、農業に好ましい影響を発揮するように農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集、利用に関して、EUの主たる関係者と世界中の関係組織の間で効果的な情報交換と密接な協調が必要である。

(4) 着手する農業の遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用の事業は、持続可能な農業生産を促進し、農村地域の持続可能な発展に貢献することで、生物多様性の維持、農産品の品質の向上、農村地域における多様化の拡大および投入資材と農業生産コストの削減を促進することが可能になる。

(5) 農業における遺伝資源を生息域外*19および(生息域内または農場での保全および発達を含めて)生息域内で保全することを促進すべきである。これは、遺伝資源を保全し、農業生産において十分に利用されていない動植物の品種の利用を高めるために、CAPのニーズに一致した農業および農村開発に役立つもしくは役立つことが立証可能な森林遺伝資源を含む植物、微生物および動物の遺伝資源すべてを対象にすべきである。

(6) EUにおいて利用可能な遺伝資源、それらの由来および特性に関する知識をさらに向上させる必要がある。各加盟国の農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関係する国もしくは地域レベルの既存施設と実施活動の関連情報を収集し、他の加盟国から、またEUレベルだけでなく、国際レベルで、とくに発展途上国からも、国際条約および協定に従って、利用可能にすべきである。 

(7) とくに、EUおよび国際レベルにおいて、このような知識を収集し、かつその可用性*20を確保し、常時、広くアクセス*20可能なウェブによる分散型インベントリーを開発する際には、欧州のジーンバンク*21に所蔵された生息域外コレクションのインベントリー*22を開発するために継続中の取組みを参考にして進めるべきである(欧州ジーンバンク『Epgris』*23、 第5次枠組みプログラムによって資金供給される欧州植物遺伝資源情報基盤『Eurisco』*24)。

(8) EUは農業における生物多様性の保全および持続可能な利用のために加盟国が行う取組みを補完し、かつ促進しなければならない。既存の活動と協調し、また農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用を含む、新たな横断的な新計画の開発を支援することによって、EUレベルの付加価値を高めるべきである。

(9) したがって、欧州農業指導保証基金(EAGGF)2)、*25、*26による農村開発の支援に関する1999年5月17日の理事会規則(EC)No 257/1999の資金供給の受益者および/または対象となる活動についての範囲を補完し、もしくは拡大する措置を規定すべきである。

(10) これらの目的の達成に貢献するために、5年間のEUプログラムが農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用に関する1994年6月20日の理事会規則(EC)No1467/943)に基づき制定された。このプログラムは1999年12月31日に終了し、新しいEUプログラムに代えなければならない。そのために規則(EC)No1467/94を廃止しなければならない。

(11) 新EUプログラムに基づき措置を選択し、かつ実施するには、国レベルまたは研究、技術開発および実証活動のためのEU枠組みプログラムのもとで支援する研究、技術開発および実証活動を考慮に入れるべきである。新EUプログラムのもとで利用される種子および植物の繁殖素材の販売は、飼料用作物種子の販売に関する1966年6月14日の理事会指令66/401/EEC4)、穀物種子の販売に関する1966年6月14日の理事会指令66/402/EEC5)、ブドウの栄養繁殖素材の販売に関する1968年4月9日の理事会指令68/193/EEC6)、種子以外の栄養繁殖素材および植え付け素材の販売に関する1992年4月28日の理事会指令92/33/EEC7)、果実生産のための果実植物の繁殖素材および果実植物の販売に関する1992年4月28日の理事会規則92/34/EEC8)、鑑賞用植物の繁殖素材の販売に関する1998年7月20日の理事会指令98/56/EC9)、樹木の繁殖素材の販売に関する理事会指令1999年12月22日の1999/105/EC10)、農業植物の品種の共通カタログ*27に関する2002年6月13日の理事会指令2002/53/EC11)、ビート*28種子の販売に関する2002年6月13日の理事会指令2002/54/EC12)、野菜種子の販売に関する2002年6月13日の理事会指令2002/55/EC13)、種ジャガイモの販売に関する2002年6月13日の理事会指令2002/56/EC14)、油用種子植物および繊維植物の販売に関する2002年6月13日の理事会指令202/57/EC15)を侵害すべきではない。

(12) 欧州経済領域協定(EEA協定)*29は、欧州経済領域に加盟する欧州自由貿易連合国(EFTA/EEA国)が、とりわけ、農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用の分野において、EUの活動の枠組みの中で協力を強化し、かつ拡大しなければならないことを規定している。

(13) 本EUプログラムの実施を改善するために、2004年から2006年の期間における事業プログラムは、適用すべき関連の財務規定を詳細に記述しなければならない。

(14) 本EUプログラムの実施と監視のため、欧州委員会は科学技術的なアドバイザーの援助を受けられるようにすべきである。

(15) EUの拠出はすべて、財政見通しの第3項(国内政策)*30を通して資金供与されるべきである。

(16) この規則を実施するための必要な措置は、欧州委員会に与えられた実施権限行使の手続きを定めている1999年6月28日の理事会決定1999/468/ECに従って採択されなければならない16)

第1条

目的

CAPの目的を達成し、国際レベルで取る約束を履行することを目指して、農業における遺伝資源を保全、特性調査、収集および利用するために加盟国が行う事業をEUレベルで補完し、かつ促進するために、2004年から2006年の期間におけるEUプログラムを制定した。

第2条

適用範囲

1. この規則は、農業に役立つもしくは役立つ可能性のある植物、微生物および動物の遺伝資源に適用するものとする。

2. この規則によって、下記の契約のための支援は認められない:

(a) 欧州農業指導保証基金(EAGGF)による農村開発の支援に関する理事会規則(EC)No 1257/1999の適用についての詳細な規則を定めている2002年2月26日の委員会規則(EC)No 445/2002の第14条に定めた規則(EC)No 1257/1999の第II編第6章の対象となる契約17)

(b) 研究、技術開発および実証活動のためのEUの枠組みプログラムの対象となる活動。

第3条

定義

この規則のために次の定義を適用する:

(a) 『植物遺伝資源』とは、農作物、園芸作物、薬用および香料用植物、果樹類(fruit crops)*31、林木および農業分野で有用もしくは有用かもしれない野生植物を指す;

(b) 『動物遺伝資源』とは、農用動物(脊椎(せきつい)動物および無脊椎動物)と、農業分野で有用もしくは有用かもしれない野生の動物相を指す;

(c) 『遺伝素材』*19とは、生殖および栄養繁殖の素材など、遺伝の機能的単位を有する植物、微生物または動物由来のすべての素材を指す;

(d) 『農業のための遺伝資源』とは、農業にとって実際の価値もしくは潜在的価値をもつ植物、微生物もしくは動物由来のあらゆる遺伝素材を指す;

(e) 『生息域内の保全』とは、生態系と自生地における遺伝素材の保全、ならびにそれらの自然環境において、また家畜の品種もしくは栽培植物の場合はこれらの生物の特徴を示す形質を発達させた農場環境において、種もしくは野生系統が存続可能な個体数を維持し、かつ回復することを指す;

(f) 『生息域内または農場での保全』とは、農場レベルにおいて、『生息域内で保全し、かつ発達させること』を指す;

(g) 『生息域外における保全』とは、農業のための遺伝素材を自生地外で保全することを指す;

(h) 『生息域外における収集』とは、自生地外で維持管理されている農業のための遺伝素材を収集することを指す;

(i) 『生物地理区』*32とは、動植物相の構成と構造に関して典型的な特徴をもつ地理区域を指す。

第4条

対象となる活動

1. 第1条に記載した本EUプログラムは、第5条、第6条および第7条に記載した対象を定めた活動、協調活動、および付随活動を含むものとする。

2. このプログラムのもとで行われるすべての活動は、植物検疫*33、動物衛生および畜産技術規則、種子および繁殖素材の販売、そして共通カタログに関するEU法に従い、また次のことを考慮するものとする:

(a) EUレベルで行う、他の活動;

(b) 関連する国際的な経過、展開および合意、とくに下記の活動に関して:

− 生物多様性条約、

− 食料および農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、

− 食料および農業のための遺伝資源の保全と持続可能な利用のためのFAOの世界行動計画とFAOの枠組みの中で行われる、他の活動、

− 欧州植物保全戦略と欧州森林保護に関する閣僚会議の関連決議、

− 農用動物遺伝資源管理世界戦略、

− 作物遺伝資源ネットワーク(ECP/GR)のための欧州協力プログラム、農用動物遺伝資源管理のための国家協力の中の欧州地域拠点(ERFP)、欧州森林遺伝資源プログラム(Euforgen)および国際農業研究協議グループ(CGIAR)などの国際枠組みのもとで実施されるプログラム。

第5条

対象を定めた活動

対象を定めた活動には、下記の活動を含める:

(a) 生息域外および生息域内において、農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用を促進する活動;

(b) 常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域内または農場における遺伝資源の保全活動を含む、生息域内で現在、保全されている遺伝資源の欧州分散型インベントリーを構築する活動;

(c) 常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域外のコレクション(ジーンバンク)、生息域内の施設(資源*34)およびEU各国のインベントリーを基にして開発している現在の利用可能なデータベースの欧州分散型インベントリーを構築する活動;

(d) とくに加盟国の所管組織間で利用可能な遺伝資源の由来と個々の特性に関する技術的・科学的な情報の定期的交換を促進する活動。

生物地理区の状況を考慮して、該当する場合には、(a)項に記載した活動は国家の枠を超えたものであり、地域もしく国レベルで実施される事業をEUレベルで促進もしくは補完するものとする。

これらの活動には、自然保護地区を維持するための援助を含めることができない。

第6条

協調活動

協調活動*35は、EU農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集および利用のための活動とプログラムについての調整を強化する目的で、テーマ別問題の情報交換を促進するものとする。協調活動は、国家の枠を超えた活動とする。

第7条

付随活動

付随活動には、セミナーの組織化、専門的な会議、非政府組織(NGO)などの関連の利害関係者*36との会合、研修コースおよび標準情報(technical report)*37の作成など、情報、普及および助言活動を含めるものとする。

第8条

事業プログラム

1. 欧州委員会は、第15条第2項に記載した手続きに従い、使用可能な予算配分額に従って制定した2004年から2006年の期間に適用される事業プログラムを基礎とした本EUプログラムの実施を確実に行うものとする。

2. 本EUプログラムの協調供与(co-financing)*38による活動期間は、最大4年とする。

第9条

活動の選択

1. 欧州委員会は、本EUプログラムによって資金供与される活動を第8条に記載した事業プログラムの中で、かつEU官報のCシリーズに公表された活動についての提案書の募集に基づき選定するものとする。

2. 提案書の募集は、第5、6、7条および附則Iに記載した活動と領域に適用するものとする。提案書の募集内容は、第15条第2項に記載した手続きに従い、かつEUの一般予算に適用される財政規則に関する2002年6月25日の理事会規則(EC、Euratom)No 1605/200218)の第IV編の関連条項に従って作成するものとする。

3. 第5条、第6条および第7条に記載した活動に対する提案書は、ジーンバンク、非政府組織、育種家、専門研究所、実験農場、園芸家および森林所有者など、EUで設立された公共部門の組織体または加盟国の一国民としての、あらゆる自然人もしくは法人が提出できる。第三国で設立された組織体または自然人もしくは法人は、第10条で定める提案書を提出することができる。

4. 提案書の評価には次の基準を考慮するものとする:

(a) 第1条で定める本EUプログラムの目的との関連性;

(b) 提案された事業の技術的水準;

(c) 資質と関係者が定めた組織的取り決め*39を含む遂行能力と、その点から評価される活動を順調に実行し、かつ効率的な管理を確実に行う能力;

(d) 欧州付加価値*40およびEU政策への貢献の見込み。

5. 本EUプログラムのもとで資金供与される活動のための提案は、第三者の専門家の評価に基づいて選定されなければならない。欧州委員会は規則(EC Euratom)No1605/2002の第57条第2項およびEUの一般予算が適用可能な財政規則に関する理事会規則(EC Euratom)No1605/2002 の実施のために詳細な規則を定める2002年12月23日の欧州委員会規則(EC Euratom)No2342/2002の第178条に従って19)、第三者の専門家を招聘(へい)するものとする。

6. 必要に応じて、本条項を適用するための詳細な規則は第15条(2)項に記載した手続きに従って採択するものとする。

第10条

第三国の参加

本EUプログラムは、次の国々の参加を拒まないものとする:

(a) EEA協定*41で制定した条件に適合する欧州自由貿易連合(EFTA)または欧州経済領域(EEA)の国;

(b) 本EUプログラムの参加に関して一般原則を設けているそれぞれの二国間協定で定めた条件に適合する関係国。

第11条

資金供与契約

1. 選定された活動を採択した後に、欧州委員会は規則(EC、Euratom)No1605/2002の第VI編に基づく関連の条項に従って、これらの活動の参加者と資金供与契約を結ぶものとする。資金供与契約には、活動の成果の報告、普及、保護および利用についての詳細な基準を記述するものとする。

2. 欧州委員会は、提出された内容とそれを裏付ける書類が正確であり、資金供与契約で定められた義務がすべて履行されていることを検証するために、受取人の構内で技術、管理および会計上の検査による必要な処置をとるものとする。

第12条

技術的援助

1. 規則No1605/2002(EC Euratom)の第57条第2項に従って、欧州委員会は、提案募集の準備、技術および事業報告書、モニタリング、報告の作成および通知の趣旨に関する専門的助言など、EUプログラムの実施のための科学技術の専門家の援助を求めることができる。

2. 技術的援助の役務契約は、規則(EC、Euratom)No1605/2002の第V編の関連条項に従って、公的調達場において募集した入札手続きの結果から契約を行うものとする。

第13条

EUの拠出金

1. 第5条に記載した活動に対するEUの拠出金は、活動の総費用の50%を超えないものとする。

2. 第6条および第7条に記載した活動に対するEUの拠出金は、活動の総費用の80%を超えないものとする。

3. EUの拠出金は、第9条第5項(提案の査定)、第12条(技術協力)および第14条(EUプログラムの評価)に記載した総援助経費の最高100%まで配分されるものとする。

4. 財政見通しの第3項『国内政策』は、この規則の適用でEUプログラムに従って実施される活動および援助に関する資金供与を分担するものとする。

5. EUプログラムに配分される資金の指示的内訳を附則IIに示す。

第14条

EUプログラムの評価

本EUプログラムの終了時に、欧州委員会は、この規則の実施についての報告、成果の評価および適切な勧告を行うために、第三者の専門家グループを任命するものとする。専門家グループの報告書は、欧州委員会の意見とともに、欧州議会、理事会および欧州経済社会評議会に提出するものとする。

第15条

委員会の手続き

1. 農業における遺伝資源の保全、特性調査、収集、利用に関する委員会(以下、委員会と記す)は、欧州委員会を補佐するものとする。

2. 本条項を引用する場合、決定1999/468/ECの第4条と第7条を適用するものとする。決定1999/468/ECの第4条第3項で定めた期間は、1か月とする。

3. 本委員会は、その手続きに関する規則を採択するものとする。

4. EUプログラムの実施状況について定期的に本委員会に通知するものとする。

第16条

廃止

規則(EC)1467/94は、この規則に起因して生じた契約を結んだ関係者の契約上の義務を損なうことなく、廃止とする。

第17条

効力発生

この規則は、EU官報に公表された日から7日目に効力を発生するものとする。

この規則は、この全体において拘束力があり、すべての加盟国に直接、適用するものとする。

2004年4月26日、ルクセンブルクにおいて採択、

欧州理事会
議長
J. Walsh

附則 I
EUプログラム:対象となる活動および領域

1.対象となる活動および領域

本EUプログラムは、EU域内に現在、生息する遺伝資源の保全、特性調査、評価、収集、文書化*42、*43、開発および利用に関することである。対象となる生物は、植物(種子植物)、動物(脊椎動物と一部の無脊椎動物)および微生物である。

本プログラムは、活発に成長している素材と成長休止中の素材(種子、胚、精液および花粉)を対象にする。生息域外、生息域内および農場での収集が対象になる。栽培品種と家畜の品種、地方品種、育種家の素材、遺伝子型コレクションおよび野性種など、すべての種類の素材が対象となる。

EUの農業、園芸または林業において重要になる種もしくは重要になることが相当、期待される種に優先が与えられる。

次のことのために遺伝資源の利用に優先が与えられる:

(a) 農業生産の多様化;

(b) 農産物の品質向上;

(c) 自然資源および農業資源の持続可能な管理と利用;

(d) 環境と地方の質の向上;

(e) 新たな用途と市場のための農産物の識別。

コレクションを記録し、新たに収集する場合は、栽培方法、具体的な用途、処理加工、食味など、利用者(農業者、園芸家)の伝統的な地域の経験と知識も確実に含むように、本プログラムの範囲内で処置をとる。これらの知見は、解説文調に記録するのではなく、できるかぎり関係データベースシステムの中での文書化と容易なデータ検索を可能にする標準化された方法で記録すべきである。

本プログラムのもとで実施されるすべての活動は、種子および繁殖素材の販売に関するEU法および共通カタログに関するEU法、ならびにEUにおいて施行されている植物検疫、家畜衛生および畜産技術の規則に従うものとする。

共通農業政策の目的と義務の達成に貢献することが可能な農業における遺伝資源の保全、特性調査、評価、収集、文書化、開発および利用の分野における事業の成果の普及と活用を促進するために、共通農業政策の目的に従い、かつEUの国際的な義務に従って、適切な手段を取るべきである。主な目的は、EUにおける遺伝資源の現時点と将来の最終使用者に能率的かつ実際的な支援を提供することである。

2.除外する活動と領域

次の活動は、とくに本プログラムによるEUの財政支援の対象とならない:理論的研究、仮説の検証研究、手法もしくは技術の開発研究、未検証の技術もしくは『モデル』システムなどの事業、および他のすべての研究活動。このような活動は、EU研究・技術開発枠組み計画*44の検討対象となる。しかし、本規則の範囲内の活動のために既存の方法を適合することは、本EUプログラムの援助の対象になると考えられる。

研究、技術開発および実証活動のためのEU枠組み計画の支援の対象になる活動は援助することができない。

加盟国ですでに進行中の契約および/または規則(EC)445/2002の第14条によって定めた規則(EC)1257/1999の第II編第6章の対象となる契約に対して本プログラムによる援助は認められない。しかし規則(EC)No 1257/1999 と本プログラムとの間の相乗作用をもたらす活動は促進すべきである。

もっとも広い意味の農業の生物的防除剤としての利用に適している生物を含め、下等動物、下等植物および菌類を含む微生物が関係する活動は、これらの生物を土地で飼育または栽培する場合で、そして農業に役に立つ、もしくは役に立ちうる場合のみが対象になる。寄生生物もしくは共生生物と寄主生物の間の限定された遺伝子対遺伝子の関係をもった特別なケースで両方の生物が保全される場合*45は例外とする。素材の収集と取得は、上記の優先事項に従わなければならない。

3.活動の種類

農業における遺伝資源を保全、特性調査、評価、収集、文書化、開発および利用するために本EUプログラムを実施する場合、対象を定めた活動、協調活動および付随活動を入れる。次の活動を促進しなければならない:

3.1. 対象を定めた活動

生息域外、生息域内および農場内で、農業における遺伝資源の保全、特性調査、評価、収集、文書化、開発および利用を目的とする活動は、地域または国レベルで実施される事業をEUレベルで支援もしくは補完する方針である。これらの活動は、(必要に応じて生物地理区も考慮して)国家の枠を超えたものとする。自然保護区を維持するための援助はこれらの活動に含めることができない。

活動には、絶滅危惧(ぐ)種(endangered specie)*46、在来種(provenance)*47、*48国もしくは地域レベルですでに資金を助成した栽培品種もしくは家畜の品種の農業環境事業に対して(知識の普及、利用の拡大、手法の改良、加盟国間の情報交換などの)価値を付け加えるべきである(たとえば遺伝的多様性および各品種の間の距離の特性調査、地域農産品の利用、事業管理者間の協調と共通性(commonalty)の調査*49)。

これらの活動は、原則としてEUに定住した参加者によって実施され、適切な場合には、世界の他の地域の組織と協力して、現在の制度を通して資金供給されなければならない。それぞれの加盟国で設立し、面識のない複数の関係者が参加する活動に優先が与えられなければいけない。生息域内または農場の保全の現場にNGOなどの利害関係者が関与することを促進すべきである。

十分に利用されていない種の利用はもとより持続可能な農業生産の遺伝資源を幅広く、さまざまな利用に拡大するために、欧州の遺伝資源の配布と交換を促進すべきである。

植物遺伝資源の場合、常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域外のコレクション(ジーンバンク)、生息域内の施設(資源)のEU各国のインベントリーおよびそれらのインベントリーに基づくデータベースを欧州分散型のネットワークにするには、欧州植物遺伝資源情報基盤(EPGRIS)*50、*51構想の枠組みが現在、利用できるか、もしくは開発されている。欧州諸国にある生息域外コレクションのEU各国のイベントリーおよび欧州検索カタログ(Eurisco)*52の開発を確立し、さらに改善すべきであり、また生息域内の資源インベントリー(遺伝的貯蔵(genetic reserves)*53もしくは遺伝子保存の部門)を開発すべきである。

常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域内の資源(遺伝的貯蔵もしくは遺伝子保存の部門)および生息域外でのコレクションを含む森林遺伝資源を、欧州分散型のインベントリーにするには、EU各国のインベントリーをもとにして、かつEuforgen*54ネットワークプログラムの活動を考慮して確立すべきである。

農場で維持する動物遺伝資源の場合、取組みは、農用動物遺伝資源(AnGR)管理の世界戦略のための家畜多様性情報システム(DAD-IS)*55と一致した(資金援助の出所と現状、品種の状態、その品種の絶滅危惧状態、血統書の所在などの)管理状況に関するEU各国のインベントリーを欧州ネットワーク化することに集中すべきである。 

動物遺伝資源(精液、受精卵)の生息域外の保全の場合、EU各国のインベントリーのウェブによるネットワークおよび最小限のパスポートデータ*56用の欧州検索カタログを開発すべきである。このインベントリーはおもにEU内で集められた農業の遺伝資源施設(貯蔵と保存)の設立、定期的更新および定期的公開、およびこれらの遺伝資源の保全、特性調査、評価、収集、文書化、開発および利用に関する現在の事業を目録に載せることから構成されなければならない。それぞれの追加収蔵品の最小限のパスポートデータが含まれる。

微生物の遺伝資源の場合、生息域外と生息域内の遺伝資源のEU各国のインベントリーのウェブによるネットワーク化は、欧州生物資源センターネットワーク(EBRCN)*57,*58の枠組みの中で確立すべきである。

とくに利用可能な遺伝資源の由来とそれぞれの特性に関して、加盟国の所管組織の間で定期的な情報交換を促進しなければならない。情報交換は、EUに保存された遺伝資源のコレクションおよび関連活動のための手引きとなるEU各国のインベントリーのネットワークを確立するのに役立つ。EU各国のインベントリーのネットワーク化の目的は、EUおよび各国の活動を支援し、できる限り幅広い知識と保存素材の利用を促進することにある。

NGOの能力建築*59、インベントリーの確立とモニタリング、加盟各国の所管組織間の定期的な情報交換、および定期刊行物と報告書の作成に関する支出は、このプログラムの実施のために計上されている総予算でまかなわれなければならない。

3.2.協調活動

協調活動は、農業における遺伝資源を保全、特性調査、評価、収集、文書化、開発および利用するために加盟国ですでに実施されている(国、地域および地方の)それぞれの活動について、セミナーの組織化、報告書の作成を通して、EUレベルの調整を強化するために振り向けられる。とくに、これらの活動は、規則(EC)No1257/1999、農産物および食品の地理的表示*60ならびに原産地名称の保護*61、*62に関する1992年7月14日の理事会規則(EEC)2081/9220)および農産物と食品の特性証明に関する1992年7月14日の理事会規則(EEC)No2082/9221)、あるいは相互に共同体レベルで行われる措置および関連の国際手続き、開発および合意とこれらの構想を整合させるために、ビート種子、飼料作物種子、穀物種子、種子ジャガイモ、油用および繊維作物の種子、および野菜種子の販売に関する、そして農用植物の品種の共通カタログに関する指令66/400/EEC、66/401/EEC、66/402/EEC、66/403/EEC、69/208/EEC、70/457/EECおよび70/458/EECを域内市場の統合、遺伝子組換え植物の品種および植物遺伝資源に関して改正する1998年12月14日の理事会指令98/95/EC22)のもとで実施もしくは実施することが可能な活動も含む、(加盟国の公的当局のもとで、もしくは非公的当局の団体よって実施もしくは計画される)テーマ別問題と特定の現地(農場内)、地域または国の活動およびプログラムについて、加盟国間および加盟国と欧州委員会間の情報交換を促進すべきである。協調活動には、専門的な技術集団を通じてテーマ別問題(特定の作物または動物遺伝資源)の協調活動を含めることもできる。協調活動は、国を超えて行うものとする。

3.3.付随活動

固有の付随活動には、次のことを含めて、情報、普及および助言活動を含めるものとする:

− セミナーの組織化、専門的な会議、ワークショップ、NGOなどの関係団体と関連する利害関係者との不定期の会合、

− 研修コースと専門家の流動化計画、

− 標準情報の作成、

− 市場(利用者)による成果の利用促進。

4.対象を定めた活動:対象となる領域についての詳細

4.1.作物遺伝資源

1.常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域内および生息域外の作物遺伝資源のEU各国のインベントリーのネットワークを開発する活動;Euriscoの維持とさらなる改善。

2.十分に利用されていない作物の利用を促進し、農業の多様化に貢献しそうな活用とマーケティング・コンセプト *63含め、農場での活動の方法、技術および経験についての情報交換の活動。

3.食品と農業に利用されるもしくは役立つ可能性がある野生の作物近縁種の生息域内の資源のインベントリーと文書化の活動。

4.特性調査と評価のデータを有し、EU各国のインベントリーのネットワークおよびパスポートレベルデータのためのEuriscoカタログにリンクし、ウェブによる欧州作物データベースセンター(ECCDBs)*64の構築、維持および改善する活動。

5.欧州各国間で、作物遺伝資源の保全の責任を共有する考え方を履行し、現存の国または機関の生息域外のコレクションに基づく常設の欧州生息域外コレクションを確立し、かつ協調する活動。

6.絶滅が危惧され、十分に利用されていない作物遺伝資源の保全と実証圃場または実証植物園の欧州ネットワークを確立し、かつ協調する活動。

7.欧州農業に重要になるかもしれない作物遺伝資源の特性調査を行い、評価する活動。

8.欧州農業に重要なるかもしれない作物遺伝資源を国際の法律および協定に従って収集する活動。

4.2.森林遺伝資源

1.常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、欧州の持続可能な森林管理に役立つ、もしくは役立つ可能性のある森林遺伝資源のEU各国のインベントリーのネットワークを確立する活動。

2.森林遺伝資源の保全と管理の方法、技術および経験に関する情報交換。

3.森林遺伝資源の優良業務管理事例の評価と開発および各国の森林プログラムの中に関連活動を統合する活動。

4.欧州レベルにおける保全と特性調査を改善するため、関連する対象種の代表的な遺伝的貯蔵もしくは遺伝子保存部門の欧州ネットワークを確立する活動。

5.種および在来種レベルにおいて、欧州で持続可能な森林管理とって価値があるかもしれない森林遺伝資源を評価する活動(既存の在来種試験の場合は検討結果の評価を含む)。

6.欧州レベルにおいて造林、再植林、更新および樹木の改良目的のために遺伝資源の利用を促進するためのコレクションを確立し、かつ協調する活動。

7.欧州レベルで重要になるかもしれない森林遺伝資源を収集する活動。

4.3. 動物遺伝資源

1.動物遺伝資源の欧州各国の調整官*65の枠組み内の活動と家畜多様性情報システム(FAO/DAD-ISシステム)*66に関連した活動を考慮し、常時、広くアクセス可能なウェブを使用して、生息域外と生息域内または農場内における動物遺伝資源のEU各国のインベントリーの欧州ネットワークを構築する。

2.動物遺伝資源の持続可能な保全と利用の分野の活動および国際協力の関連要件について国内優先事項を特定するために欧州全体に標準化した基準および比較可能な基準の開発。

3.国または機関の凍結保存をベースにした動物遺伝資源のための欧州凍結保存の確立。

4.食品と農業に利用されている、もしくは役立つ可能性のある動物遺伝資源(種および品種)の特性調査と評価。

5.農業の動物遺伝資源のための標準化された欧州実績検定制度の確立および絶滅が危惧される農用動物の品種と個体群の特性調査を文書化する活動。

6.絶滅が危惧される欧州の農用動物品種のために「ノアの箱舟農場」、救出ステーションおよび農用動物公園の欧州全体のネットワークを確立し、かつ協調する活動。

7.絶滅が危惧される品種と個体群のための国家間共同繁殖プログラムの開発。情報、遺伝素材および繁殖動物の交換のための規則を確立する活動。

8.地方品種とそれらの代表的産品の間の関連を開発し、それらの環境保護事業(たとえば景観の保全、農業生態系の管理)および農業の多面的機能への貢献(たとえば農村の文化的多様性の維持、農村開発および観光事業など)のための地方品種の価値を特定し、売り込むために、地方品種の収益性の向上を支援する戦略を開発する活動。

9.欧州のレベルで利益になりうる十分に利用されていない遺伝資源の利用を促進する戦略を開発する活動。

附則II
本EUプログラムの指示的予算の内訳

活動 90
対象を定めた活動 73

−地域または国のレベルにおいて実施された事業をEUレベルで促進もしくは実施するために、農業における遺伝資源を生息域外および生息域内で保全、特性調査、収集および利用することを促進する活動、

(53)

−常時、広くアクセス*4可能なウェブを使用して、農業の遺伝資源(とくにそれらの由来と特性)、保全活動、施設および、EUにおいて現在、利用可能なデータベースもしくは開発されているデータベースの欧州分散型インベントリーを開発する活動。

(20)
協調活動  9

これらの新計画の協調を改善するための国内活動およびプログラムに関するテーマ別問題の他に、EUレベルで取り組む措置および国際交渉における展開についての情報交換。

付随活動  8

セミナーの組織化、専門的な会議、NGOなど関連利害関係者との会合、研修コースおよび標準情報の作成。

専門家の技術的援助と協議(評価) 10(8+2)

合計

100

引用文献

1) 欧州官報 L 309、1993年12月13日、1ページ。)

2) 欧州官報 L 160、1999年6月26日、80ページ。この規則の直近の改正規則は規則(EC)No1783/2003(欧州官報 L 270、2003年10月21日、70ページ)。

3) 欧州官報 L 159、1994年6月28日、1ページ。この規則の改正規則は規則(EC)No806/2003(欧州官報 L 122、2003年5月16日、1ページ)。

4) 欧州官報 125、1966年7月11日、2298ページ。この指令の直近改正指令は、指令2003/61/EC(欧州官報 L 165、2003年7月3日、23ページ)。

5) 欧州官報 125、1966年7月11日、2309ページ。この指令の直近の改正指令は指令No2003/61/EC。

6) 欧州官報 L 93、17.4.1968年4月17日、15ページ。この指令の直近の改正指令は、欧州議会および理事会の規則(EC)No1829/2003(欧州官報 L 268、2003年10月18日、ページ1。)

7) 欧州官報 L 157、1992年6月10日、1ページ。この指令の直近の改正指令は規則(EC)No806/2003(欧州官報 L 122、2003年5月16日、1ページ)。

8) 欧州官報 L 157、1992年6月10日、10ページ。この指令の直近の改正指令は規則(EC)No806/2003。

9) 欧州官報 L 226、1998年8月13日、16ページ。この指令の直近の改正規則は、規則(EC)No806/2003。

10) 欧州官報 L 11、2000年1月15日、17ページ.

11) 欧州官報 L 193、2002年7月20日、1ページ。この指令の直近の改正指令は欧州議会および理事会の規則(EC)No1829/2003。

12) 欧州官報 L 193、2002年7月20日、12ページ。この指令の改正指令は指令No2003/61/EC。

13) 欧州官報 L 193、2002年7月20日、33ページ。この指令の直近の改正指令は欧州議会および理事会の規則(EC)No1829/2003。

14) 欧州官報 L 193、2002年7月20日、60ページ。この指令の直近の改正指令は、指令No2003/61/EC。

15) 欧州官報 L 193、20.7.2002年7月20日、74ページ。この指令の直近の改正指令は指令No2003/61である(欧州官報 L 165、2003年7月3日、23ページ).

16) 欧州官報 L 184、1999年7月17日、23ページ。

17) 欧州官報 L 74、2002年3月15日、2ページ。この規則の直近の改正規則は規則(EC)No963/2003(欧州官報 L 138、2003年6月5日、32ページ).

18) 欧州官報 L 248、2002年9月10日、1ページ。

19) 欧州官報 L 357、2002年12月31日、1ページ。

20) 欧州官報 L 208、1992年7月24日、1ページ。この規則の直近の改正規則は、規則(EC)No806/2003(欧州官報 L 122、2003年5月16日、1ページ)。

21) 欧州官報 L 208、1992年7月24日、9ページ。この規則の直近の改正規則は、規則(EC)No806/2003。

22) 欧州官報 L 25、1999年2月1日、1ページ。

参考文献

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*31:http://www.uga.edu/fruit/glossary.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*32:http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1489

*33:http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/285403/www.meti.go.jp/hakusho/tsusyo/soron/H13/03-02-04-01.html (最新のURLに修正しました。2012年8月)のSPS協定を参照

*34:資源とは[1]生態学・進化生物学において,生物の環境を構成するものであり,それが手にはいりやすくなると種の個体数の増加に結びつき,かつ,各個体によって消費される,総量に限界のある何らかの物質または要因.生態学・進化生物学における用語.食物・生息空間・配偶者・植物にとっての花粉媒介昆虫などがその例.より緩やかに,各個体に直接利用され,個体の適応度に影響する可能性のあるすべての環境要因を資源とする見方もある.[2]水産学・農林学など応用生態学において,人間にとって有用な生物個体群そのもの.資源管理(resource management)や資源解析(resource analysis)といった語は,この意味で用いる.(生物学辞典−岩波−より)

*35:http://it.jeita.or.jp/infosys/f-office/paris0105/paris0105.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*36:http://www.nomura.co.jp/terms/japan/su/stakeholder.html (最新のURLに修正しました。2010年8月)

*37:http://www.atmarkit.co.jp/aig/01xml/tr.html

*38:http://www.undp.org/gef/undp-gef_publications/publications/undp-gef_guidebook_japanese.pdf (対応するURLが見つかりません。2010年8月) の、p.3 協調資金供与を参照

*39:news/event/event18/pdf/LTP_J.pdf (対応するURLが見つかりません。2013年12月)

*40: (対応するURLが見つかりません。2015年5月)

*41:http://www.norway.or.jp/about/foreign-policy/europe/eea/ (最新のURLに修正しました。2010年8月) (対応するURLが見つかりません。2013年12月)

*42:http://www.ecology.or.jp/isoworld/iso9000/4-11-2.htm

*43:http://www.e510.jp/kankyo/index.jsp

*44: (対応するURLが見つかりません。2015年5月)

*45:http://133.5.161.127/~iwanaga/iwanaga3.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*46:http://www.iucn.jp/protection/species/redlist_news2002.html

*47:http://www.regional.org.au/au/stipa/papers/stipa2001-09.htm (最新のURLに修正しました。2010年8月)

*48:http://www.l-i.org.uk/Publications/JCLI%20Seed%20Source%20.pdf (対応するURLが見つかりません。2013年12月)   の4ページ参照

*49:http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew89.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*50: http://eurisco.ecpgr.org/about/about_epgris.html (対応するURLが見つかりません。2014年12月)

*51:http://www.ipgri.cgiar.org/networks/ecpgr/Contacts/insitutf.asp (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*52:http://www.ipgri.cgiar.org/links/detail.asp?id_url=761 (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*53: (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*54: http://www.euforgen.org/about_euforgen.html (対応するURLが見つかりません。2014年12月)

*55:http://www.fao-kyokai.or.jp/tikusanjouhou/2000_02/honbun.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月) の5.1 AnGR主催機関

*56: http://www.gene.affrc.go.jp/animal/index_j.html (対応するURLが見つかりません。2014年12月)

*57:http://www.nmij.jp/metrolman/planintra/chitekikibanseibi/sankoshiryo/70.pdf (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*58:http://www.cabi-bioscience.org/Html/activitiesBioscienceEurope.htm (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*59:http://www.keidanren.or.jp/abac/glossary.html のcapacity buildingを参照

*60:http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj65.php (対応するURLが見つかりません。2012年8月)

*61:http://my.casty.jp/fromages/html/2005-01/01-21-32544.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*62:http://lin.alic.go.jp/alic/month/fore/2004/aug/spe-02.htm (最新のURLに修正しました。2010年8月)

*63:http://www.jericho-group.co.jp/dic_dbm/kana/ma.html

*64:http://www.ipgri.cgiar.org/links/selectcrop.asp (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*65:http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/db/info/org/eureka.html (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

*66:http://www.fao-kyokai.or.jp/tikusanjouhou/2000_02/2000_02.pdf (対応するURLが見つかりません。2010年8月)

役員の退任と新役員の紹介

平成13年4月1日に着任した理事長(陽 捷行)、理事(三田村強)、監事(杉原 進)および非常勤監事(高橋 弘)は、平成17年3月31日をもって解任されました。長い間の、皆様のご支援とご協力に心から感謝いたします。

平成17年4月1日から、理事長に佐藤洋平、理事に上路雅子、監事に松井武久および非常勤監事に堀 雅文がそれぞれの任に当たることになりました。旧役員同様に、よろしくお願い申し上げます。

なお、新しい理事長の抱負は、当研究所ホームページの「研究所の概要」の中 (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/outline/outline2004.html#aisatsu (対応するURLが見つかりません。2010年8月)) に掲載されています。

また、前の理事長から職員への最後の挨拶「農業環境技術研究所の来し方行く末」の要約が、 http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/pdf/lecture050329.pdf にあります。

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