計画の概要
研究実施基本計画
土壌微生物相の解明による土壌生物性の解析技術の開発
(eDNAプロジェクト)研究実施基本計画
 
 
1 研究目的
 高品質な作物生産を行う上で、安定した地力の確保、連作障害等の病害の克服が重要であり、それを実現するためには、土壌の物理性、化学性、生物性を適切に把握する必要がある。物理性、化学性については、これまで多くの知見が得られており、土壌診断の項目にも取り入れられているが、生物性の評価法は確立されていない。土壌病害の発生や有機質肥料からの養分供給には、土壌微生物が重要な役割を果たしているため、物理性と化学性の評価だけでは不十分であり、生物性を評価するための手法の開発が望まれている。
 このため、本研究においては、ブレイクスルーとしてeDNA(土壌から培養過程を経ず得たDNA)の解析手法を取り入れ、微生物多様性を調査する手法等を開発し、土壌生物相の機能と構造をeDNAに基づき解析するとともに、作物生産性と土壌微生物相との関連性を解析する。これらの成果に基づき土壌の生物性を評価するための基盤技術を開発する。
 これらのeDNAに基づいて開発される技術・知見を用いることにより、土壌の物理性、化学性に生物性をも加味した総合的な土壌診断法、診断結果に基づく土壌微生物相の改良による病害低減技術及び適正な施肥管理技術の開発等、環境と調和した生産性・品質の向上に結びつく技術開発に資することが可能となる。
 
2 研究内容
  • (1) eDNA等を用いた土壌生物相の解析手法の開発
    土壌eDNA等を用いて、土壌微生物及び土壌生物相を解析するための標準手法を確立する。
  • (2) 作物生産と土壌生物相との関連性の解析及び土壌生物の多様性評価手法の開発
    連作障害、病害多発、堆肥連用等農業生産と関わりの深い土壌における土壌微生物相を調査・解析し、作物生産性と土壌生物相との関連を解明する。また、土壌微生物の多様性に基づく土壌の生物的評価手法の有効性・可能性を評価するとともに、土壌微生物相等を指標として土壌生物性を評価する手法を開発する。
  • (3) eDNA情報のデータベース化及び利用技術開発
    土壌生物性の評価法開発及び作物生産向上技術開発に資するため、微生物種・機能・塩基配列等のeDNAの基礎的情報を土壌の種類、管理、作物生産性等と関連させてデータベース化する。 また、eDNA情報を利用し病原菌等を簡易に検出するための新技術を開発する。
 
3 研究達成目標
  • (1) eDNA等を用いた土壌生物相解析のための標準手法の確立
  • (2) 作物生産性と土壌生物相との関連性の解析
  • (3) 土壌微生物相等を指標とした土壌生物性の評価手法の開発
  • (4) 微生物種・機能・塩基配列等のeDNAの基礎的情報のデータベース化
  • (5) eDNA情報の利用技術の開発
 
4 研究実施期間   平成18年度〜平成22年度
 
5 推進体制
  • (1) チーム構成
  • 推進リーダーの下に、上記の3つの目標に対応する3つのチームを置き、研究を推進する。
  • (2) 参画研究機関
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構、独立行政法人農業環境技術研究所、大学
 
6 年次計画