2004年


農業環境技術研究所
12月のセミナー予定




有機化学物質研究グループセミナー
(海外出張報告)
    日 時 : 12月7日(火) 16:00〜17:00
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
環境ゲノミクスと環境メタゲノミクスに関するワークショップ」に参加して
Report of "ESF Workshop on Environmental Genomics and Environmental Metagenomics"
藤井 毅 鈴 木
838-8307





第5回NRIC(農業環境インベントリーセンター)
セミナー
    日 時 : 12月9日(木) 15:30〜16:50
    場 所 : 1階153会議室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
農業環境資源情報システムの将来構想と課題 時田 浩幸 氏
(カストマシステム株式会社)
吉 松
838-8348
吉田
838-8356
内   容
 昨年度プロトタイプ開発した「農業環境資源情報システム」は、経済産業省が関係するオープンソースGISエンジン「e-GFrontend」とGISの国内標準プロトコルである「G-XML」をキーワードにしているが、いくつかの改善すべき課題が分かっており、その改善方法を、将来構想を交えて提案する。
 なお、株式会社インフォマティクスによるWeb-GIS製品SISの紹介とデモを併せて行います。





平成16年度微生物・小動物研究グループ
セミナー(第7回)
    日 時 : 12月13日(月) 16:00〜17:00
    場 所 : 1階会議室(153号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
イネいもち病菌の準有性的組換え(菌糸融合)による病原性変異および感染力に関する研究
Studies on the pathogenicity and fitness characters of parasexual recombinants of Magnaporthe grisea
野口 雅子 土 屋
838-8268
DNA及びRNAレベルにおける土壌細菌群集構造解析の比較
The comparison between DNA and RNA for soil bacterial community analysis
星野(高田)裕子
内   容
・イネいもち病菌の準有性的組換え(菌糸融合)による病原性変異および感染力に関する研究
 異なる薬剤耐性遺伝子を導入したイネいもち病菌株を混合培養して得られた2剤耐性菌を用いて、準有性的組み換えによる遺伝的組み換えの証明、有性生殖と準有性的組み換えによる病原性の分離の比較、準有性的組み換え菌の核相を調べた。また、準有性的組み換え菌の胞子形成数や病斑長等の感染力を調べた。
・DNA及びRNAレベルにおける土壌細菌群集構造解析の比較
 土壌から直接抽出したDNAによる微生物群集の解析において、微生物死滅後のDNAの残存が懸念される。そこで、よりターンオーバーが短いと考えられるRNAとDNAを用いた細菌群集のPCR-DGGE解析を比較した結果を報告する。





第24回生態システム研究セミナー
    日 時 : 12月15日(水) 15:00〜17:00
    場 所 : 5階会議室(547、549号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
窒素負荷の生態系影響 −森林で窒素は余ってきているのか−
The effect of nitrogen deposition on nitrogen cycle in forest ecosystems
大浦 典子 岩 崎
838-8226
坂 本
838-8228
第3回国際窒素会議報告および東アジアの窒素負荷影響の過去、現在、未来
The 3rd International Nitrogen Conference and Effects of Nitrogen Load in Eastern Asia from the Past to the Future
新藤 純子
内   容
・窒素負荷の生態系影響
 湿性沈着により負荷される窒素は、日本平均で7.6kg/ha/yrと推定されていますが、実際我々の研究所がある観音台周辺では、平均を上回る約15kg/ha/yrの窒素が降ってきています。畑地ではこれらの10倍程度の窒素が施肥される場合もあり、さほど問題ではないように思えますが、持ち出しのない森林や自然生態系では窒素負荷の増加が大きな環境変化のひとつとなっています。河川への硝酸流出やN2O放出を指標として窒素負荷の生態系影響評価を検討するなかで、関東周辺の森林を対象とした調査から見えてきた傾向や問題点などを紹介します。
・第3回国際窒素会議報告および東アジアの窒素負荷影響の過去、現在、未来
 2004年10月に中国南京に於いて、農業環境技術研究所も共催して第3回窒素会議が開催されました。この会議は第1回が1998年にオランダで、第2回が2001年にアメリカで行われ、第3回は、現在および今後も窒素問題の最も重要な地域と考えられているアジアで開催されたものです。窒素会議開催の経緯と目的、また今回の会議の内容について概要を報告します。
 またあわせて、本会議での発表した、私たちの最近の研究内容も紹介します。東~東南アジアは、高い人口密度と継続的な人口増加、急激な経済発展などによる環境変化が著しい。本研究では、窒素による水質汚染を指標として、ASEAN+3の各国を対象に、1961年から2030までの変化を1km×1kmグリッドスケールで推定した。総窒素負荷量は、1961年から現在までに約5倍に増加し、施肥の効率化などの対策をとらない場合2030年に更に約2.5倍増加し、広範囲の地域で深刻な水質汚染が予測される。





有機化学物質研究グループ特別セミナー
    日 時 : 12月21日(火) 16:00〜17:00
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
ノニルフェノール類化合物の微生物分解
Microbial degradation of nonylphenol and its related compounds
太田寛行先生
(茨城大学農学部教授)
鈴 木
838-8307





第461回気象談話会
    日 時 : 12月24日(金) 15:30〜
    場 所 : 153号室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
森林生態系炭素収支プロセスの研究 梁 乃申 氏
(国立環境研)

838-8210
内   容
 世界の森林面積は約35億ヘクタールであり、全陸地面積の約27%を占めているにすぎないが、土壌を含めた森林は全大気中炭素(750 Pg-C)の約2倍を占める。炭素吸収源としての森林の炭素収支を高精度に把握することが国際的に急務の課題となっている。炭素収支の推定において,森林調査の方法によるバイオマスの変動の測定,微気象学的方法によるCO2フラックスの連続観測および生態生理学的方法による炭素収支の各コンポーネントの測定などの方法がある。現在世界では277以上の地点で微気象学的方法を用いてCO2フラックスの長期連続観測が行われているが、観測手法または解析方法による結果の大きい違いを見られる。また,生態生理学的測定に関して,一台の分析計には一基の小型チャンバーしか接続されていないものが一般的であり,またその測定は瞬間的あるいは間隔の開いた年数回の点的な測定が多く,長期連続測定した例はほとんどなかった。本研究では、森林炭素収支に関する最も重要なパラメーター、すなわち光合成、幹呼吸および土壌呼吸を連続測定できる多点自動開閉チャンバー式測定システムを開発した。従来用いられているチャンバーと比較して、本システムは植物葉・幹・土壌に設置するチャンバーが常時開いていることから植物と土壌に影響を与えず、風雨に関係なく光合成・呼吸速度の自動連続測定が可能であるなどの特徴がある。
 本談話会では、苫小牧のカラマツ林を例として、ユーラシア大陸に広く分布しているカラマツ林炭素収支の推定した結果を発表する。