独立行政法人農業環境技術研究所
平成23年8月1日
独立行政法人農業環境技術研究所では、下記研究職員 (若手育成型任期付研究員) の募集を行っております。
記
任期付研究員 (若手育成型) /別紙 I 〜 III のポスト ・ 各1名
※ただし、本募集により採用された任期付研究員については、任期満了のおよそ1年前までにテニュア審査を希望者に対して実施します。この審査に合格した者は任期を定めないパーマネント研究者として継続採用します。
これまでの研究内容の要約 (A4判1枚、書式自由)、及び業績リスト ( 記載例 [PDFファイル] または 記載例 [DOCファイル] に従って記載)
※ 封筒に 「任期付研究員募集ポスト I (または II・III ) 応募書類在中」 と朱書きすること。
※ 採用の可否にかかわらず、応募書類は返却しません
農業環境技術研究所の規程に基づき決定
(詳細はお問い合わせ下さい)
〒305−8604
茨城県つくば市観音台3−1−3
独立行政法人農業環境技術研究所
総務管理室 砂岡 清之 あて
平成23年10月 7日(金曜日)まで (必着)
(※書類審査通過者に対して面接審査を実施します。面接の際は、応募者の今までの研究業績及び採用された場合の抱負に関して、15分程度のプレゼンテーションを実施していただく予定です。)
長谷部 亮 (研究統括主幹) TEL: 029-838-8143 E-mail: hasebe@affrc.go.jp
砂岡 清之 (総務管理室 主査) TEL: 029-838-8156 E-mail: koga3fc@affrc.go.jp
(別紙)
「気候変動が農耕地土壌の炭素・窒素循環過程に及ぼす影響の微視的解明」
気候変動は土壌中における物質代謝に影響を及ぼし、養分供給など作物の生育環境の変化を引き起こすと共に、農地からの温室効果ガスの発生にも影響を与えると考えられる。土壌中の物質循環は作物による易分解性有機物の供給や栄養塩吸収過程、微生物による代謝プロセスなどが相互に関連しながら担っているが、圃場スケールの研究ではその機構はブラックボックスとして扱われてきた。本研究では、「つくばみらい FACE 」 などにおいて植物根近傍や土壌の部位ごとに、物理環境、CO2・CH4・N2O などのガス動態、有機物や養分濃度等の詳細な観測を行うことにより、窒素代謝や温室効果ガス生成の詳細なメカニズムの解明を行う。さらにその結果に基づいて、圃場スケールのマクロな物質循環への気候変動の影響の解明を目指す。
【キーワード】 気候変動、炭素・窒素循環、根圏土壌、温室効果ガス生成機構
1) 採用時に博士号を取得している者
2) 土壌物理学、土壌化学、作物学のいずれかあるいは複数を修め、農耕地における物質循環に関する研究経験を有し、さらに生化学・分子生物学研究などの異分野との融合に率先して取り組む意志のある者
「農耕地における放射性核種の動態解明と環境影響評価」
東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴い137Cs 等の人工放射性核種による周辺農地の汚染が広範囲に確認され、今後、汚染土壌の修復と農産物の放射能汚染低減化技術の開発が喫緊の課題となっている。これまで核実験や原発事故を契機に、国内外で研究が実施されているが、137Cs や 90Sr などの人工放射性核種の農業環境中での動態解明や環境影響評価については、世界的にも未だに不充分である。
そこで、本研究では、これらの放射性核種に対して、種々の土壌等の環境中における動態を解明し、環境影響評価や農作物汚染対策技術の開発に資する。
【キーワード】 人工放射性核種(137Cs、134Cs、90Sr、131I、129I 等)、動態解明、土壌、影響評価、農作物汚染、汚染リスク低減
1) 採用時までに博士号および第1種放射線取扱主任者の資格を取得している者
2) 放射線物理・化学、放射線環境モニタリング等について豊富な知識があり、放射線(放射性同位元素)に関する研究経験を有する者。放射性物質の土壌での挙動、環境影響、土壌から作物への移行・吸収、植物体内移動、代謝等に関心があり、環境化学、土壌学の素養を有する者
「農業生態系における昆虫類等を対象とした生物多様性の実態解明」
農業は生物多様性が生み出す様々な生態系サービスを活用することによって成り立っており、その持続的な発展を図るためには、生物多様性との両立が不可欠である。農業生態系は、それぞれの地域における地形や気候、土壌、植生などの自然条件とともに、農業等に伴う人間活動によって形成された水田、畑、雑木林、草地、ため池、水路など各種のハビタット、およびそこに生息する様々な生物によって構成されており、そこには原生自然とは異なる特有の生物多様性が存在する。このような農業生態系の生物多様性を保全し、農業との両立を図るためには、食物連鎖や生態的競争関係に基づく生物間相互作用等を明らかにするとともに、農耕地や農法の変化および周辺植生等の変化が各種の生物種や生物群集に及ぼす影響を解明することが必要である。本研究では、特に、食物連鎖の中間の栄養段階に位置し、さらに種数・個体数が多く、農業環境における生物多様性の重要な構成要素である昆虫類やクモ類等を対象とし、群集生態学や分子生態学等の手法を用いて群集の構造と農業の関係を明らかにすることにより、生物多様性の保全と持続的農業の発展に資する。
【キーワード】 群集生態学、生物間相互作用、保全生態学、分子生態学、昆虫類等(クモ類等を含む)
1) 採用時までに博士号を取得している者
2) 昆虫類等を対象としたフィールド研究の経験を有し、生態学的解析と分子生物学的手法に習熟した者、又はこれらに挑戦する意欲と必要な専門知識を有する者