WWW画像データベースへの検索機能の付加


[要約]
インターネット・マルチメディアシステムの簡便な構築手段として広まっているWWW(World Wide Web)に、HTMLのFORM機能と GNUgccによるプログラムを組み合わせて検索機能を付加し、ふたつの画像データベースを構築した。
農環研 環境管理部 計測情報科 情報解析システム研究室
[部会名] 環境評価・管理
[専門]  情報処理
[対象]  
[分類]  普及

[背景・ねらい]
最近の国内外でインターネットの発展には目をみはるものがあるが、インターネット上でのマルチメディア情報の手軽な提供・利用環境としてWWW (World Wide Web)が最近とくに注目されている。しかし、多くの場合、情報をページ単位に提供するサービスに留まり、提供される情報が増えるほど、サービスの効率が 低下しているのが現実である。本研究は、そのような問題点を克服するために、HTML(WWWサービス実現のための標準言語)に用意されたFORM機能を 利用して、WWWへ情報検索機能を付加する仕組みを開発することを目的とした。

[成果の内容・特徴]

  1. HTMLのFORM命令が持つサーバ側の任意のプログラムを起動する機能とクライアント側で入力した任意の文字列をサーバに送付する機能を利用し て、WWWに検索機能を付加した。その仕組みは、サーバ側で起動されたデータ検索プログラム(GNU gccで開発)がクライアント側から送られてきた文字列 (環境変数または標準入力に代入されている)を読みとり、検索結果に応じて、HTML形式のテキストをクライアント側に送り返すことで実現している (図1)。
  2. 検索機能を持つWWW画像データベース「日本の蓮」および「農環研所蔵衛星画像カタログデータベース」を構築した(http://das. niaes. affrc. go. jp/)。両データベースとも、日本語と英語で表示可能である(図2) (図3)。
  3. クライアント側のソフトウエアを一切変更することなく、実用的な検索機能をWWWに付加することができた。
  4. データベースの画像はGIF、JPEG形式の画像としたが、実用的な精度の画像をクライアントに提供することができた。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本研究で用いた検索機能付加手法の汎用性は広く応用できる。例えば、informixのライブラリをWWWに組み込んで利用することも可能となる。ソースコード公開可能。
  2. インターネットに接続された内外の全てのWWWクライアントから、利用可能である。クライアントにはFORM機能に対応したWWWクライアントソフトウエア(Mosaic等)が必須で、さらにGIFやJPEG画像表示プログラムが必要な場合がある。

具体的データ


[その他]
研究課題名:農業・環境情報のデータベース化と利用技術の開発
予算区分 :経常
研究期間 :平成6年度(平成2年〜6年)
発表論文等:検索機能を持つWWW画像データベース「Lotus in Japan」の構築、
      農業情報研究3:109-126(1994)ほか
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