水質モニタリングデータの図形表示・データ集約システムの作製


[要 約]
 全国公共用水域水質データ等の水質データベースを対象とし,簡易操作で地点,期間,水質項目を指定し,その検索結果を画面上に各種グラフ・表で表示するシステムを作製した。本システムでは、対象とする水質成分の年・季節変動,他の水質成分や降雨量等気象要因との関連を解析することもできる。
[担当研究単位] 農業環境技術研究所 化学環境部 栄養塩類研究グループ 水質保全ユニット
[分 類] 技術

[背景・ねらい]
 水環境保全の立場から各種水質調査が実施され,膨大な量の水質データが蓄積されている。しか し,これらの多くは年度ごとの数値データとしてまとめられているだけであり,流域内の水質保全・評価のために利活用されているとは言い難い。そこで,これら水質データの簡易に操作し,地域水質の実体や変動を容易に把握できるシステムを作製する。
[成果の内容・特徴]
  1. 水質データベース例として,モニタリング地点数,期間,水質項目数とも最大規模の環境省水環境部企画課の有する全国公共用水域水質データを用い,これら水質データを簡易に表示・検索し,併せて対象成分濃度変動の他項目および気象要因依存性を解析するデータベース管理システムを作製する。
  2. 水質モニタリング結果を収録したデータベースを使用して,地点,水質項目,期間を指定した検索を行い,その結果を表形式,円グラフ形式,棒グラフ形式でパーソナルコンピュータ(OS:Windows)の画面上に表示することができる(図1)。このシステムにより,任意の検索対象地点の水質及びその経時変動を簡単に把握できる。
  3. 本システムには重回帰・直交多項式・分散分析を統合したデータ集約機能が組込まれており,説明変数が非線形の場合や交互作用が存在する場合でも容易にデータを集約することができる。上記検索結果とオンラインで入手したアメダスデータとを組み合わすことにより,対象とする水質成分の年・季節変動,他水質項目(含,水量)および気象項目との関連を解析・把握できる。特に降雨量との関連が簡易操作で解析できる(図2図3)。
  4. 本システムは地図情報の取込やデータ形式を整えることにより,環境省のデータベース対象地域以外や対象水質項目以外にも容易に適用できる。
  5. 本システムの利用希望者には,水質変動解析も含めた操作マニュアルを配布する。
[成果の活用面・留意点]
 ここに例示した公共用水域水質データベースは環境省水環境部企画課が所有するもので,水質汚濁防止法に基づき1971年度から継続実施している。地方自治体,試験研究機関等に有料でコピーサービスを行っている。

[その他]
 研究課題名 : 森林−農地における自然循環機能のモデル化
        (硝酸性窒素の負荷流出予測モデルの中規模流域への適用)
 予算区分  : 環境研究[自然循環]
 研究期間  : 2002年度(2001〜2002年度)
 研究担当者 : 竹内 誠,板橋 直,宮崎成生(栃木県農試),駒田充生
 発表論文等 : 1) 竹内ら,日本土壌肥料学会関東支部大会講演要旨集,18(2002)
               2) 竹内ら,日本土壌肥料学会講演要旨集,45,259(1999)

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