は じ め に

 われわれは,新しい農業環境研究を目指して研究所の構造をさまざまな角度から改革してきました。さらに,この構造がうまく「機能」するためのシ テムを構築してきました。農業環境技術研究所は,明確な目的のために存在する集団です。すなわち,共同体ではなく機能体なのです。したがって,「機能の向上」をさらに追求することが,わたしたちの使命でなければなりません。

 もちろん,共同体と機能体がはっきり区別できるわけではありません。むしろすべての組織は,両者の性格をいくらかずつ帯びています。しかし多くの組織が,ある目的のために存在するのにもかかわらず,ほとんどの組織が共同体化していきます。いつのまにか,その存在自体が,そこの組織に属する人たちのためのものになってしまいます。これだけは阻止しなければなりません。

 われわれは,お客様(クライアント)が誰であるかをいつも意識し,農業環境研究という「機能の向上」を目指さなければならないのです。

 そのために,研究所が忘れてならないことに,受信(社会・専門・政策),研究(自己増殖・成長),討論(セミナー・啓蒙),貯蔵(インベント リー・発酵),評価(組織・課題・成果),受信(専門・一般・パブリックアセスメント),提言(リスク評価・マスタープラン)および宣伝(新聞・TV・雑誌)があります。

  これらの要素が有機的に結合し,研究所が一つの生命体のように生き生きすることができれば,立派な機能体と見なすことができます。

 この成果情報は,上に掲げた「評価」と「発信」の部分を担うもので,平成14年度に実施した研究のうち,「農業と環境」に関わる主要な成果をまとめたものです。成果の要点が簡潔にまとめられているので,細部については不明な点があると思われます。不明な点,ご意見,ご質問があれば,当所の研究企画科にお問い合わせください。

 この成果情報が,みなさまにとって有意義な情報になることを願っています。

平成15年3月

(独)農業環境技術研究所
理事長  陽  捷 行

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