農業環境技術研究所 刊行物 研究成果情報 平成18年度 (第23集)

普及に移しうる成果 5

「水環境保全のための農業環境モニタリングマニュアル
改訂版」の発行

[要約]
「水環境保全のための農業環境モニタリングマニュアル改訂版」を発行しました。農地から河川・地下水へ流出する窒素・リンをモニタリングする手法や、集水域スケールで負荷源別の窒素負荷量を推定する手法などを提供します。
[背景と目的]
 農業活動が水環境へ及ぼす影響の重要性が広く認識されるようになり、国や地方自治体の行政部局・農業試験場より、農地から河川・地下水へ流出する窒素・リンのモニタリング手法や、集水域スケールで負荷源別の窒素負荷量を推定する手法が求められています。とくに、滋賀県が2004年から先行的に進めている「環境農業直接支払制度」や、農林水産省が2007年度から実施する「農地・水・環境保全向上対策」の実効性を評価するためには、農業環境のモニタリングが不可欠です。そこで、当所が実施した研究の成果を中心に、最新の情報を幅広く取り入れた改訂版を発行しました。
[成果の内容]
 最近の成果に基づいて、農業環境のモニタリング手法を平易に解説しています。改訂版の主な特徴と構成は以下の通りです(表1)。
  1. I章では、各種の水質基準および測定方法を最新のものに改訂しました。
  2. II章では、市販のGISソフトを用いて、土地利用現況図を作成する手順(図1)や、リモート・センシングデータを利用する手順について解説しています。
  3. III章では、統計情報に基づき、作物生産量、化学肥料の施用量、家畜ふん尿の発生量などを都道府県・市町村単位で算出するデータベースシステムについて解説していま す。
  4. IV章では、圃場の地下水流動を測定・解析する手法や、中規模河川における簡便・迅速・高精度の水質モニタリング手法(図2)を解説しています。
  5. V章では、新たに「暗渠からのNPモニタリング」の項を加えるともに、農薬調査法についても最新の分析法を踏まえて全面的に改訂しました。
  6. VI章では、集水域スケールで負荷源別の窒素負荷量を推定する手法(図3)について解説しています。
 農業環境技術研究所のウェブサイトに、改訂版の電子ファイル(PDF)をアップロードして提供します。また、希望者には印刷物を配布します。
問い合わせ先:〒305-8604 つくば市観音台3-1-3(独)農業環境技術研究所
物質循環研究領域長:電話・Fax:029-838-8322
広報情報室(広報グループ):電話・Fax:029-838-8191

リサーチプロジェクト名:栄養塩類リスク評価リサーチプロジェクト

研究担当者:齋藤雅典(委員長)、坂西研二(事務局)、神田健一、中島泰弘、江口定夫、駒田充生(現、中央農研)、

      板橋直、菅原和夫

図表

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