農業環境技術研究所 >刊行物 >研究成果情報 >平成20年度(第25集)

主要研究成果 14

東アジアの土地被覆・土地利用の時間的変化を

広範囲で捉えるための植生指数データセット

[要約]
東アジアの土地被覆・土地利用変化を広範囲で捉えるため、雲の影響を低減させ、2004〜2007年の植生等の状態を捉えることができる各種指数の時系列データセットを作成しました。
[背景と目的]
食料生産や水需給を評価するためには、土地被覆・土地利用の時・空間変動を把握することが重要です。これまでも各種の衛星データが利用されてきましたが、頻度や解像度は必ずしも十分でありませんでした。そこで、高頻度観測衛星MODISデータを用いて、土地被覆・土地利用変化を捉えるための植生指数データセットの作成をめざしました。
[成果の内容]
 東アジアの土地被覆・土地利用の時間的変化を広範囲で捉えるため、一日に2〜3回観測されるMODIS画像から各種植生指数データセットを作成しました。これは、2004〜2007年のインドシナ半島地域(北緯5〜25度、東経95〜110度)、日本および朝鮮半島地域(北緯30〜46度、東経123〜146度)(図1)を対象にしています。
 植物の活性度や量の変化をみることができるNDVI(正規化植生指数)、EVI(強調植生指数)といった植生指数は、土地被覆・土地利用の変動をとらえるために必要不可欠な情報です。画素毎に植生指数を算出した後、数日間毎に雲の影響の少ない点を代表値とし、その時系列データに平滑化処理を行って植生指数のデータセットを作成しました。図2は、6日間隔で作成したEVIの時系列データのうち1月1日〜6日の例を示したものです。
 このように、雲による影響がほとんど無い時系列データセットを作成することによって、植被を指標とした土地被覆、土地利用の連続的な変化を捉えることが可能となります。図3は、インドシナ半島を対象にISODATA法という教師なし分類法を適用して、水稲の作付けに注目した土地利用分類を行った例です。既存の土地利用分類図と比較して、実態をより正確に反映しています。
 なお、データセットは無償で提供可能ですので、担当者へ直接お問い合わせください。
本研究の一部は農林水産省の委託プロジェクト研究「地球規模水循環変動が食糧生産に及ぼす影響の評価と対策シナリオの作成」および(独)農業環境技術研究所の交付金プロジェクト研究「気候変動に対する水田生態系応答モデルの構築とコメ生産のリスク評価」による成果です。
リサーチプロジェクト名::農業空間情報リサーチプロジェクト
研究担当者:生態系計測研究領域 石塚直樹、坂本利弘、大野宏之(現:(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター)

図表

図表

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