農業環境技術研究所 > 刊行物 > 研究成果情報 > 平成21年度 (第26集)

普及に移しうる成果 7

水中の有害な有機性化学物質を対象とした分析マニュアル

[要約]
水中に溶存する様々な有害な有機性化学物質(農薬、POPs、医薬品等)を多成分一斉分析する英文のマニュアルを提供します。
[背景と目的]
世界的に水の汚染問題は年々深刻化しています。特に、河川などの水系における農薬、医薬品、ホルモン類などの有機化学物質は生態系に様々な影響を及ぼす可能性があります。当研究所は米国のOrange County Water District、ドイツのTechnology Center for Water、韓国の水資源公社および国立環境科学院と2年間国際共同研究を行い、これらの化学物質に対して多成分一斉分析ができる微量分析方法を開発してその成果を英文の分析マニュアルとして世界に発信しています。
[成果の内容]
本マニュアルでは、水中の各種有機化学物質を対象に試料の準備、保管、抽出、精製、濃縮、分析条件(多成分一斉分析)、データ解析方法、廃棄物処理など、定量分析に必要な具体的情報を英文で平易に解説しており、国内外で実践的に利用することができます。
<第1巻>Development of Multi-residual Analytical Methods for Pharmaceuticals, Perfluorinated Compounds, Nitrosamines, Hormones and POPs in Water
  1. 医薬品、ペルフルオロ化合物、ニトロサミン類、ホルモン類、残留性有機汚染物質(POPs)について、12章に分けて記載しています(図1)。
  2. 個々の化学物質について、利用者の分析結果と比較しやすいように、詳細な分析条件とともにクロマトグラムを掲載しています(図2)。
<第2巻>Development of Multi-residual Analytical Methods for Emerging Contaminants in Water
  1. 有機リン農薬類およびオキソン体、新規POPs候補化学物質である短鎖塩素化パラフィン(SCCPs )、ポリ塩素化ナフタレン(PCNs)、ベザフィブラートやカルバマゼピンなどの医薬品類、分析精度管理について、7章に分けて記載しています(図3)。
  2. 有機リン農薬類およびオキソン体については、使いやすさを考慮して分析対象化学物質の理解に必要な構造式や分子量などを表示しています(図4)。
第1巻は、農業環境技術研究所のウェブサイトから、電子ファイル(PDF)をダウンロードして入手できます(http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/project/pops_in_water/)。また、第2巻については希望者に印刷物を配布します。
リサーチプロジェクト名:化学分析・モニタリングリサーチプロジェクト
研究担当者:有機化学物質研究領域 殷熙洙、Lee Joung Yoo・Steve Fitzsimmons・Lily Sanchez・Mike Wehner (米国Orange County Water District)、Heinz-Jürgen Brauch・Frank Sacher・Frank Thomas Lange・Melanie Ehmann・Sabine Gabriel・Carola Graf(ドイツTechnology Center for Water)、Junghee Kim・Jaewon Choi・Jaehee Lee・Kyunghee Baek・Yunseok Kim・Bushik Moon・Yongyeon Kim (韓国水資源公社)、Sunkyung Shin・Seungryul Hwang(韓国国立環境科学院)

図表

図表


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