農業環境技術研究所 > 刊行物 > 研究成果情報 > 平成21年度 (第26集)

普及に移しうる成果  8

農耕地土壌に関する情報をWEB 上で閲覧するシステムの公開

[要約]
私たちの地域の田畑には、どのような土壌が分布しているのかをWEB 上で調べることができるシステムを公開しました。このシステムでは誰でも土壌図と土壌の種類毎の写真やその性質などを見ることができ、全国の農耕地土壌を調べることができます。
[背景と目的]
安全な食料の安定供給、地球温暖化の緩和、生物多様性の保全などの観点から土壌が有する公益的機能に関心が集まってきました。これまで当研究所が日本全国の土壌を研究して蓄積してきた土壌情報を体系化して一般に公開することで、農作物の栽培や施肥管理、研究開発、教育活動等への寄与が期待されます。そこで、誰でも利用可能な土壌情報閲覧システムを公開しました。
[成果の内容]
  1. 土壌情報閲覧システム(http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/)には、(@)土壌の分布が分かる情報としてデジタル農耕地土壌図、(A)土壌の種類毎の説明と土壌の写真や模式図(土壌解説資料)、および(B)土壌を現地で調査する際に記入する断面記載表と理化学性分析データ(土壌分類の設定基準となる土壌断面データベース)を収録しています(図1)。
  2. デジタル農耕地土壌図の縮尺は1/5万であり、1992年および2001年の農地分布に対応した土壌図が収録されています(図2)。土壌図から誰でもクリック一つで全国各地の田畑に分布する土壌の種類とその性質を調べることができるように、世界で初めて土壌図と土壌解説資料とをリンクさせました。このため、田畑の土壌の種類をもとにした栽培や施肥管理への寄与が期待されます。また、市町村単位での農業生産力評価、農耕地土壌の炭素貯留機能や水質浄化機能の評価などといった農業生産・地域環境の両側面での利活用が期待されます。
  3. 基準土壌断面データベースには全国7115地点の調査情報が収録されています。簡単な操作で見たい場所の土壌断面記載表を閲覧することができます(図3)。この基準土壌断面データベースは、(@)土壌の多面的機能の評価、(A)大学等での土壌学の教育素材、(B)調査事業等で土壌調査のための予備調査や調査地点選定等への利活用が期待されます。
  4. デジタル農耕地土壌図を使って研究や教育に活用を希望される方はCDを配布しますのでお問い合わせ下さい。
リサーチプロジェクト名:農業環境情報・指標リサーチプロジェクト
研究担当者::農業環境インベントリーセンター 高田裕介、小原洋、大倉利明、神山和則、生態系計測研究領域 岩崎亘典
発表論文等:高田ら、日本土壌肥学雑誌、80:502-505 (2009)

図表

図表

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