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主要成果 22

昆虫文献目録「三橋ノート」コウチュウ目135冊の画像公開

[要約]
明治時代から昭和20年代後半にかけて我が国で行われた昆虫研究に関する文献情報をほぼ網羅した「三橋ノート」全474冊のうち、昆虫の中で最大のグループであり、農林学的にも重要なコウチュウ目に関係する135冊、19,992頁の画像をデータベース化し、公開しました。
[背景と目的]
「三橋ノート」は、当所の前身である農事試験場に籍を置いていたこともある昆虫研究家(故)三橋信治氏が作成した文献目録であり、明治時代から昭和20年代後半にかけてわが国で行われた昆虫研究に関する文献情報をほぼ網羅した貴重な二次資料です。最近のデータベースでは検索できない時代の情報を見つけることができるため、農業環境技術研究所では、5年以上前から「三橋ノート」全474冊の画像データベース化を進めており、これまでトンボ目、チョウ目、ハエ目、カメムシ目の合計230冊、36,550頁のデジタル画像をWeb上に公開してきました。今回これに加えて、昆虫最大のグループであり、農林学的にも重要なコウチュウ目に関係する部分の画像データベース化に取り組みました。
[成果の内容]
  1. 「三橋ノート」(http://mitsuhashi.niaes.affrc.go.jp/m_note01.html参照)のコウチュウ目に関する135冊、19,992頁についてデジタル画像を取得し、画像データベースとしてWeb上に公開しました(http://mitsuhashi.niaes.affrc.go.jp図1)。
  2. 本データベースには、日本産のコウチュウ目に関する明治時代から昭和20年代後半までの文献書誌情報(著者名、タイトル、書名、巻、号、頁、発行年など)が分類群毎に整理されています。歴史的経緯のため、昭和20年以前の台湾、朝鮮半島および中国東北部の昆虫とその関連文献の情報も含まれています。
  3. 各頁に記されている主要な学名と和名をその頁のキーワードとして登録してありますので、閲覧したい分類群の学名もしくは和名を用いて掲載頁を検索し、閲覧することができます(図2図3)。
  4. このデータベースを利用することにより、コウチュウ目に関する分布情報や害虫種の発生情報など、他の文献データベースでは入手困難な時代の情報を特定の種を指定して検索できるようになり、時代的変遷を扱う生物多様性研究や分類研究等の発展に貢献できるものと期待されます。

リサーチプロジェクト名:環境資源分類リサーチプロジェクト
研究担当者:農業環境インベントリーセンター 吉武 啓、吉松慎一、中谷至伸、研究情報システム専門役 上田義治
発表論文等:三橋ノート画像データベース(http://mitsuhashi.niaes.affrc.go.jp)


図表1、2

図表3

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