農業環境技術研究所刊行物研究成果情報平成22年度 (第27集)

普及に移しうる成果 7

昆虫データベース統合インベントリーシステム

[要約]
農業環境技術研究所に所蔵されている昆虫類の一次・二次資料の利活用を促進するためのインベントリーフレームを作成し、公開しました。本システムを介して当所に保管されている昆虫標本情報を主体とするデータベースに含まれるさまざまな情報の検索・閲覧が可能になった他、昆虫類の調査・研究に役立つ資料にもアクセスできるようになりました。
[背景と目的]
昆虫類は農業生態系における重要な構成要素であり、多くの農業害虫や天敵、環境指標生物などが含まれます。農業環境技術研究所では、農業環境研究に資する情報基盤を整備するため、昆虫類に関する様々なデータや標本などの資料を収集・整理し、データベース化しています。今回、それらの情報を検索・閲覧できるシステムを作成し、公開しました。
[成果の内容]
  1. 本システム(図1)は主として昆虫情報データベースの検索・閲覧システムから構成されています。昆虫情報データベースは分類群情報データベースと昆虫標本情報データベースから構成されています。
  2. 分類群情報データベースは、昆虫・クモ類およびその宿主や餌資源となる動植物の分類情報(種名など)、各分類群に関する情報(形態、分布、生態など)から成ります。
  3. 昆虫標本情報データベースは、 農業環境技術研究所に保管されている昆虫標本情報のデータベースで、クモ類など、農業環境に生息する他の節足動物群の標本情報が一部含まれます。このデータベースには一般の昆虫標本および各昆虫種・亜種の基準となるタイプ標本、研究の材料として使用された証拠標本、DNA分析用エタノール液浸標本の分類群情報やラベル情報、画像、文献情報、DNA分析用標本から派生した抽出DNA情報や塩基配列情報などが含まれます。昆虫情報データベースに含まれる全情報が「キーワード検索」(図2)または「ツリー検索」により一元的に閲覧可能です(図3)。ただし、DNA分析用標本情報については、他の標本情報とは用途が大きく異なるため、別にポータルを設けました。
  4. その他、昆虫文献目録「三橋ノート」の画像データベースや、農業環境技術研究所に関係する研究者によって作成された図説や図解検索表など、昆虫類の調査・研究に役立つ資料にも本システムからのリンクによってアクセスできます。
  5. 分類群情報および昆虫情報データベースについては、今後継続的にその内容を拡充し、本システムを用いて順次公開して行くことによって利便性の向上を図る予定です。

リサーチプロジェクト名:環境資源分類リサーチプロジェクト
研究担当者:農業環境インベントリーセンター 吉武 啓、中谷至伸、吉松慎一
生物多様性研究領域 安田耕司
発表論文等:昆虫データベース統合インベントリーシステム(http://insect.niaes.affrc.go.jp/)


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