第20回気象環境研究会:
農業水資源の潜在量評価と有効利用

 
 
趣 旨
 
 地球温暖化は確実に進行しており、これにより地上の水循環が変化し、ひいては食料生産や環境に大きな影響が及ぶと考えられている。地球規模の水循環のこれまでの研究によると、温暖化により全球は一様には変化せず、地域によっては洪水ばかりでなく干ばつも同時に発生するというような複雑な様相を呈することが推定されている。このような不安定な水循環において、農業では食料の安定的確保を可能とするための水の確保と、技術開発が重要な課題の一つになっている。
 
 一方、経済発展により生活用水や工業用水の需要が高まり、農業用水との間での水の争奪がおこり、農業部門で使用できる水量は将来的には減少傾向にある。しかし、人口の増加傾向は依然として止まるところを知らず、食料需要はますます増加し、良質な農業用水の需給はさらに逼迫(ひっぱく)することが予想される。
 
 本研究会では、このような温暖化による水循環の変動と産業間での水の争奪がある中で、(1)農業を取り巻く水環境がどの様に変動するのか、(2)農業のための水資源が枯渇している実態と農業に必要な水資源量はどの程度か、(3)農業部門の水使用を効率化し、水不足の中で作物収量を実質的に高めていくにはどのようにすればよいか、などの題材を取り上げ、21世紀の農業水資源問題を解決するために必要な研究の方向性を探る。
 

日  時 平成16年2月24日(火) 10:00〜17:00
場  所 農業環境技術研究所 大会議室
主  催 農業環境技術研究所

 

 
プログラム
 

 
挨 拶   陽 捷行(農業環境技術研究所理事長) 10:00-10:10
   
I   農業水資源の潜在量評価
1. モンスーンアジアにおける降水量変動と水稲 10:10-10:50
   松本 淳(東京大学大学院理学研究科)
2. リモートセンシングを用いた積雪水資源のモニタリング 10:50-11:30
   大野宏之(農業環境技術研究所)
3.
 
東ユーラシアを対象とした灌漑用水の時空間的分布特性の評価 11:30-12:10
 

 
 石郷岡康史(農業環境技術研究所)
 

 
− 昼食 −
 
12:10-13:15
 
4. 農業用水資源の枯渇の実態とその影響 13:15-13:55

 
 近藤昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)
 
   
II   農業水資源の有効な利用法
1. 日本における最近のイネの節水栽培と水利用の作物研究 13:55-14:35
   鴨下顕彦(東京大学大学院農学生命科学研究科)
2. 下層土貯留水の利用促進による節水栽培 14:50-15:30
   小沢 聖(国際農林水産業研究センター)
3. 樹木根による土壌水の再配分と近傍作物への効果 15:30-16:10
   桜谷哲夫(京都大学大学院農学研究科)
   
III   総合討論 16:10-17:00
 

参 集 範 囲
 
国公立・独立行政法人試験研究機関、大学、行政部局、
 関係団体等
連 絡 先
 
農業環境技術研究所 地球環境部 気象研究グループ長
 野内 勇
    Tel: 029-838-8201 Fax: 029-838-8211
    e-mail: nouchi@niaes.affrc.go.jp

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