近年、世界各国で地球温暖化対策への取り組みが盛んですが、中でも、石油に替わる再生可能なエネルギーとして、植物(バイオマス)からのバイオエタノール生産が加速されています。バイオエタノールの原料は、トウモロコシ(アメリカ)やサトウキビ(ブラジル)などですが、いずれも、食用部分(でんぷん、糖)を使用しているため、トウモロコシのみならず、それらを飼料とする畜産製品などの価格が上昇しています。このため米国をはじめ世界各地で、非食用作物や木質バイオマス、稲わら等の非食用部からのバイオエタノール生産技術の開発が始まっています。
こうした技術開発において一つの大きなカギとなるのが、非食用バイオマスの糖化、アルコール発酵、廃棄物処理等の効率化であり、どれも微生物が関与しています。
農業環境技術研究所は、環境資源の保全、利用を目的とした「農業環境資源インベントリー(インベントリーとは目録を意味します)」を充実させており、その中で、さまざまな作物に生息する微生物(細菌、糸状菌、酵母)を収集した「微生物インベントリー」を整備し、機能の解析を行っています。それらの蓄積や経験を生かし、活用を目的として、現在「非食用バイオマスからのバイオエタノール生産」に向けた研究を開始しています。
この講演会は、研究独立行政法人からなる「バイオ燃料研究推進協議会」が主催する第12回バイオマス合同研究会として、また農業環境技術研究所が主催する講演会として、公開で行います。
主として日本の醸造技術の視点から、「非食用バイオマスからのバイオエタノール生産技術」を考え、「糖化」、「発酵」、「環境に配慮した生産技術」の研究における研究の現状や課題について専門家に情報を提供してもらい、関係者間の情報交換をするとともに、広く微生物に関心のある方々にもバイオマス研究の現状を知ってもらうことを目的としています。
ぜひ、多くの方々のご参加をお願いいたします。
開催日時: 2008年3月13日(木曜日) 13:00−17:40
開催場所: アルスホール(つくば市立中央図書館2F)
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所、研究独法バイオ燃料研究推進協議会
参集範囲: 研究機関、民間、大学、研究独法バイオ燃料研究推進協議会関係者など
公開とします。関心のある方はどなたでも参加できます。
参加費: 無料
参加申込み: 予定数に達したため、参加申込みは終了させていただきました。