用語集

放射能汚染と農業に係わる専門用語を解説しています。次の索引から検索できます。

対策地域内廃棄物(たいさくちいきないはいきぶつ)
放射性物質汚染対処特措法で定められた汚染廃棄物対策地域内の廃棄物。
滞留半減期(たいりゅうはんげんき)
放射性物質を作物が吸収したり、土壌の深い部分や風雨で別の場所へ移動するなどによって、放射能濃度が半分になるまでの時間。セシウム137については、水田で9~24年、畑で8~26年と、物理的半減期の30年よりも短いことが確かめられている。
中間貯蔵施設(ちゅうかんちょぞうしせつ)
仮置き場より搬入された放射性廃棄物を安定的に保管する施設。福島を含む栃木、群馬、茨城、宮城、東京、千葉、埼玉の8都県で必要とされる。施設の容量は、1500万~2800万立方メートル(東京ドーム23杯分)とみられ、必要な敷地面積は約3~5?である。今後3年程度を目標に整備し、貯蔵開始から30年以内に最終処分施設へ運ばれる。
中性子線(ちゅうせいしせん)
放射線の一つで、原子核から飛び出してくる高速の中性子。物質を放射性物質に変える。これは中性子が電荷を持たず、物質中の原子核に容易に吸収されるためである。透過力は他の放射線に比べて強いが、水やコンクリートなどに含まれる水素原子によって遮蔽される。
調理法による減少補正(ちょうりほうによるげんしょうほせい)
経口摂取による被ばく線量を算出する際に使われる係数で、食品を洗ったり、ゆでたりすることで、放射性物質の影響が減少する効果を示す係数。放射性物質が全く除去されない場合が1、完全に除去される場合が0、適当な値が設定できない場合は1とする。
直接汚染(ちょくせつおせん)
大気中の放射性物質が降下し、作物の葉面や茎、花などに付着して汚染されること。
  • 参考文献
  • 渋谷政夫編,1979,土壌汚染の機構と解析 -環境科学特論- ,産業図書
定量下限(ていりょうかげん)
試料に含まれる放射性物質を定量する場合に、定量できる最小値のこと。検出限界と同様に、定量結果がどの程度の「十分な信頼性」を持つかを判断するために用いられる。測定には誤差が生じるという前提に基づき、測定誤差の10倍を定量下限とする。測定機器の性能、測定時間、試料の量、および核種によって異なる。
電離箱式サーベイメータ
電離箱式サーベイメータ(でんりばこしきさーべいめーた)
主にガンマ線を測定する持ち運びが可能な計測器。放射線が箱内の気体を電離させることで発生する電流を計測して、放射線を測定する。NaIシンチレーションサーベイメータやGMサーベイメータに比べて高い放射線量を測定できる。
等価線量(とうかせんりょう)
生物が被ばくした時、個々の臓器が受ける放射線の影響の大きさ。放射線の種類によって、受ける影響に違いがあるため、これを補正する放射線荷重係数を吸収線量にかけて算出される。全身への影響を示す場合には実効線量を用いる。
特定一般廃棄物(とくていいっぱんはいきぶつ)
放射性物質汚染対処特措法で定められる廃棄物の種類。特定廃棄物より低いレベルであるが、放射能汚染の可能性がある廃棄物。具体的には、除染特別地域内や除染実施区域内で、除染作業に伴い生じた剪定枝や落葉、福島県ほか9都県の一般家庭ゴミの廃棄物焼却施設から出される焼却灰など。また、農家が廃棄する稲わらやこれらの焼却灰、堆肥も含まれる(岩手県、宮城県、福島県または栃木県において生じたもの)。これらは、市町村、一般廃棄物処理業者などにより処理される。
特定産業廃棄物(とくていさんぎょうはいきぶつ)
放射性物質汚染対処特措法で定められる廃棄物の種類。特定廃棄物より低いレベルであるが、放射能汚染の可能性がある廃棄物。除染特別地域内や除染実施区域内で、除染作業に伴い生じた剪定枝や落葉などや、福島県ほか9都県の産業廃棄物焼却施設から出される焼却灰など。また、事業者が廃棄する堆肥も含まれる。これらは、市町村、一般廃棄物処理業者などにより処理される。
特定廃棄物(とくていはいきぶつ)
放射性物質汚染対処特措法で定められる廃棄物の種類。汚染廃棄物対策地域内にある廃棄物や、8,000Bq/kgを超える放射性物質が含まれる廃棄物のことを示す。
とも洗い(ともあらい)
汚染されていない穀物を籾すり機や選別・計量機に投入し、一定時間運転することで機械の内部に残っているゴミやほこりを穀物に付着させて除去する方法。 福島第一原発事故後に初めて使用する場合やしばらく使用しなかった籾すり機や選別・計量機では、放射性セシウムを含むゴミやほこりが溜まっている可能性があるため、とも洗いの実施が必要とされる。とも洗いに使用した穀物は、誤って食用の穀物に混ぜたり、袋ごと取り違えたりすることのないよう、区分して管理する。