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研究成果速報
NIAES
2013年12月18日
独立行政法人 農業環境技術研究所

農業環境技術研究所の研究成果2件が
2013年農林水産研究成果10大トピックスに選定されました

12月16日、農林水産技術会議事務局が 「2013年農林水産研究成果10大トピックス」 を公表 しました。

農林水産研究成果10大トピックスは、1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び独立行政法人研究機関の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果を、農業技術クラブ (農業関係専門紙・誌など29社加盟) の協力を得て選定するものです。

2013年の農林水産研究成果10大トピックスに、農業環境技術研究所による研究成果2件(「高CO濃度によるコメの増収効果は高温条件下で低下 ―気候の違う2地点のFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験により確認―」および「コメ・コムギ3ヶ月前に豊凶予測 ―世界の2割の栽培面積で―」)が選ばれましたので、お知らせします。

高CO濃度によるコメの増収効果は高温条件下で低下
―気候の違う2地点のFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験により確認―

独立行政法人農業環境技術研究所、株式会社太陽計器、秋田県農業試験場、秋田県立大学、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター、国立大学法人岩手大学、国立大学法人東北大学大学院農学研究科は、従来考えられていた大気CO濃度の上昇によるコメの増収が、温暖化が進行した際には期待されるほど大きくならない可能性を示しました。

成果のポイント

コメにおいて高CO濃度による増収効果が高温条件では低下することを示した。大気CO濃度の上昇は、光合成を促進して作物の収量を増加させることが知られていたが、本研究により、高CO濃度による増収は温暖化が進行した際には期待されるほど大きくならないことが示唆された。また、高CO濃度による増収効果は品種によっても大きく異なることがわかった。

本研究は、農林水産省プロジェクト 「農林水産分野における地球温暖化対策のための緩和および適応技術の開発」、文部科学省科学研究費補助金 「植物生態学・分子生理学コンソーシアムによる陸上植物の高CO応答の包括的解明」 の支援で行われた。

期待される効果

・ 温暖化がコメ生産に及ぼす影響の予測精度が向上する。

・ また、高濃度COを効率的に利用出来る品種を開発し、単収増につなげられる可能性が示された。

研究所名

(独)農業環境技術研究所、 太陽計器株式会社、 秋田県農業試験場、 秋田県立大学、(独)農研機構東北農業研究センター、(国)岩手大学、(国)東北大学大学院

担当者名

・ 農業環境技術研究所 大気環境研究領域 上席研究員 長谷川利拡、主任研究員 酒井英光、吉本真由美、福岡峰彦、特別研究員 臼井靖浩、契約研究員 若月ひとみ、物質循環研究領域 研究員 常田岳志、特別研究員 片柳薫子

・ 太陽計器株式会社 中村浩史

・ 秋田県農業試験場 作物部 研究員 松波寿典

・ 秋田県立大学 生物資源科学部 教授 金田吉弘、准教授 佐藤 孝、助教 高階史章

・ 農研機構 東北農業研究センター 上席研究員 鮫島良次(現 北海道大学大学院農学研究院教授)

・ 岩手大学 農学部 教授 岡田益己

・ 東北大学大学院 農学研究科 教授 前 忠彦、教授 牧野 周

連絡先

(独)農業環境技術研究所 大気環境研究領域 上席研究員 長谷川利拡 TEL:029-838-8204

なお、本成果に関する農業環境技術研究所の記者発表をウェブサイトでご覧いただけます。

高CO2濃度によるコメの増収効果は高温条件で低下 ―気候の違う2地点のFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験により確認―」(2013年3月 農環研プレスリリース

コメ・コムギ3ヶ月前に豊凶予測
―世界の2割の栽培面積で―

独立行政法人 農業環境技術研究所及び独立行政法人 海洋研究開発機構は、コメ・コムギの豊凶を世界の栽培面積の約2割について、収穫3ヶ月前の短期予測(季節予測)に基づいて予測できることを示しました。全世界を対象とする豊凶の予測技術開発は世界で初めてです。

成果のポイント

3ヶ月先の短期気候予測(季節予測)に基づき穀物の世界的な豊凶予測を行う技術を開発した。気温と土壌水分量の季節予測データを用いることで、コメとコムギの豊凶を世界の栽培面積の約2割について、収穫3ヶ月前に予測できることを示した。全世界を対象とする豊凶の予測技術の開発は世界で初めて。

本研究は、科学研究補助金 「研究活動スタート支援」(独立行政法人日本学術振興会)(2011-2012) 及び 環境研究総合推進費 「作物モデルの開発と水資源・土地利用との相互作用の分析」(2012-)の支援で実施された。

期待される効果

穀物輸出国の豊凶は国際市場価格を左右し、所得水準が低い、あるいは輸入穀物への依存度の高い国・地域はそれによって大きな影響を受ける。本予測技術の精度が向上すれば、世界の穀物生産の動向を監視すると共に、その予測に応じた食料備蓄の積み増し等の意思決定などへの活用が期待される。

研究所名

(独)農業環境技術研究所、(独)海洋研究開発機構

担当者名

・ 農業環境技術研究所 大気環境研究領域 飯泉仁之直

・ 海洋研究開発機構 横浜研究所 アプリケーションラボ兼地球環境変動領域 佐久間弘文

連絡先

(独)農業環境技術研究所 広報情報室 小野寺達也 TEL:029-838-8191

本成果に関する農業環境技術研究所の記者発表をウェブサイトでご覧いただけます。

世界のコムギとコメの不作を収穫3か月前に予測する手法の開発 ―季節予測による穀物の世界的豊凶予測―」(2013年7月 農環研プレスリリース

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