色々な品種の特徴を知る
イネには、昔から各地域で栽培されてきた「在来品種」と品種間の交配によって作られた「近代品種」とがあり、我が国の場合、「日本晴」や「コシヒカリ」などが代表的な近代品種です。
色々な品種の“イイとこ取り”で生み出された近代品種は、農業の発展に大きく寄与していますが、忘れられつつある在来品種にも、近代品種に受け継がれなかった貴重な特徴が数多くあることが判ってきました。ちなみに、日本で栽培されているイネは「アジア栽培イネ」の「日本型」に分類されますが、アジア栽培イネの中には縦長の「インド型」というタイプもあり、さらに海外では、「アフリカ栽培イネ」に分類される品種も作られています。
コアコレクションという研究用に選んだ品種のセットを使って、イネが持つ様々な特徴を遺伝子レベルで調べていますが、役に立つ性質を目的に合わせて自由に組み合わせられるようになれば、イネの可能性はもっともっと大きくなることでしょう。
コアコレクション:少数の品種でイネという生物の持つ多様な特徴を評価できるように選んだ品種群のこと。