エネルギー原料に適したソルガムをつくる
我が国では、主に家畜のエサとして栽培されている「ソルガム」(モロコシやコウリャンともよばれている)。イネ科に属しているものの、イネよりもサトウキビやトウモロコシに近い植物です。
日本ではこれまで、エサとしての使い道が大半でしたが、近年になってバイオ燃料(エタノール)の原料としても注目されるようになり、より原料に適した品種の開発が進められています。現在行われているのは、糖分が豊富で、バイオエタノールの原料となるセルロースがたくさん採取できるものや、刈り取ってもまた生えてくるものなど、新種のソルガムを作る研究です。
先ごろ解読に成功した、アメリカのソルガム品種のゲノムを参考にして、3万個ものDNAマーカーを設定。2つの品種のソルガムを掛け合わせて新品種を作る時、この目印を調べることで、どちらの性質を受け継いでいるのかが分かります。将来、石油がなくなっても、ゲノムを利用して作られた新種のソルガムのおかげで、エネルギーが確保できるようになるかもしれません。
“イイとこ取り”の品種改良
様々な種類のソルガムのうち、糖分が多い品種に見られるマーカー、背丈の高い品種に見られるマーカー…と言った具合に、特定の性質を表すゲノム上の目印がはっきり判れば、“イイとこ取り”の品種改良が着実に進められるというわけだ。