ダイズゲノム情報と品種改良

ダイズの日長反応性を介した開花制御に関わる遺伝子を解明

植物は日の長さ (日長) の変化を感知して開花の時期を制御する性質 (日長反応性) を持ちます。ダイズは日の長さが短くなると開花が促進される短日植物です。この日長反応性に最も大きな効果を示す E1 という遺伝子座が存在することは1927年に報告されていましたが、その遺伝子の実体は分っていませんでした。私たちは、世界で初めて E1 遺伝子を明らかにしました。ダイズ種内には E1 遺伝子の一部が変化した変異遺伝子を持つ品種が存在します。これらの変異遺伝子を利用することにより、約20日の幅で開花期を制御できることが分りました。変異遺伝子を識別できるDNAマーカーを用いた選抜によって、栽培地域の日長に応じた品種を開発することにより、ダイズの安定生産につながっていくことが期待されます。

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