国立研究開発法人農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
遺伝子組換え研究推進室 |
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QⅧ-12 | 害虫抵抗性の遺伝子組換え農作物を栽培し続けると、もっと抵抗力の強い虫が登場することはないですか? |
農業現場では、殺虫剤の使用により、その殺虫剤に対して抵抗力を持った害虫が出現することがあります。このことは、害虫抵抗性の遺伝子組換え農作物にも当てはまります。このため、遺伝子組換え農作物の栽培が普及している米国では、害虫抵抗性の遺伝子組換え農作物が栽培されている畑の中または周囲に、非遺伝子組換え農作物を栽培する緩衝区を設けることが義務付けられています。
これにより、仮に抵抗力を持った害虫が出現したとしても、保護区で生育している抵抗力を持たない害虫と繁殖することにより、抵抗力を持った害虫の出現頻度を低下させることができます。(抵抗力を持った害虫と、それを持たない害虫が交配した場合、通常抵抗力を持たない子が生まれることが知られています。)
また、抵抗力のある害虫の出現を定期的に調査して、緩衝区の設置がきちんと守られ、機能しているか確認しています。