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QⅧ-2 遺伝子組換えサケが開発されていると聞いていますが、どのような状況ですか。

 AquaBounty Technologies社が開発したもので、AquAdvantage® Salmonと命名されています。アメリカでの販売を目指しているため、FDA(食品医薬品局)による承認(食品としての使用)を待っている段階です。

 この遺伝子組換えサケは、キングサーモン由来の成長ホルモンの遺伝子を大西洋サケに導入したもので、その成長速度は非遺伝子組換え大西洋サケの2倍ですが、成魚のサイズは非遺伝子組換え大西洋サケと同等です。

 カナダ東岸のプリンス・エドワード島で採卵し、飼育はパナマで行うとともに、三倍体処理を施したサケのみを飼育する予定とされていま す。AquaBounty Technologies社は、「パナマ国内のタンクで飼育するので、万一流出しても、熱帯の海では生存しにくい」、「三倍体にしてある(不妊なので繁殖不可)」、「非遺伝子組換えサケと遺伝子組換えサケの食肉成分は同じ」としています。

 AquAdvantage® Salmonが開発されてから十数年経過しています。動物では初めての遺伝子組換え食品なので、慎重な議論が重ねられてきました。 なお、カナダ環境省は2013年11月25日に、この遺伝子組換えサケ卵の商業用生産を認可しました(食用としての承認ではない)。

 AquAdvantage® Salmonのメリットは、養殖期間の短さ、すなわち餌量の削減にあり、天然資源への負荷を減らしつつ、消費量の増加に対応できると考えられています。

 懸念される点として、「食品としての長期的な影響」、「養殖場から流出した場合の環境への影響」、ならびに「食品表示」が指摘されています。 特に食品表示については、「適切な表示がなされるか?」、「店頭で非遺伝子組換えサケと遺伝子組換えサケの見分けがつかないのではないか?」との声が上がっています。 米国FDAでの承認についても、食品表示の問題が最も足かせとなっていますが、上記のカナダ環境省の承認を受け、どのような対応になるのか注目されています。