生物研ニュースNo.47
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会議報告
NIASシンポジウム「最新アニマルテクノロジー」 公開シンポジウム ブタゲノム情報を活用した食と医の新展開

食べるブタと医療研究用のブタ、それぞれの今後について討論

アニマルシンポ 写真
講演の様子

 平成24年11月9日(金曜日)に東京都千代田区の秋葉原コンベンションホールにおいて、生物研と(社)農林水産・食品産業技術振興協会が共催する公開シンポジウム「最新アニマルテクノロジー」が開催され、独立行政法人や大学、地方自治体の研究者、行政、民間企業(ブタの育種や生産、飼料、実験動物の関連企業)などの関係者164名が参加しました。本シンポジウムは2部構成で、第1部では“食の新展開”として、ゲノム情報を利用したブタの育種(ゲノム育種)について4件の講演が行われ、生物研も開発に関わった「瑞浪ボーノポーク」など、ゲノム育種の実用化例の紹介等が行われました。また生物研からは、特別研究員の新開 浩樹が「ブタに病気に強い性質を付与するための育種研究の現状と展望」について報告しました。第2部では“医の新展開”として、医薬研究用の実験動物として使う医療用モデルブタの開発について4件の講演が行われ、生物研からは、主任研究員の鈴木 俊一が「免疫不全ブタの開発」について報告しました。

 国際協力の下に行われたブタゲノム解読は一区切りを迎え(「研究トピックス」参照)、今後はその情報を利用したゲノム育種が、激しい国際競争の中進むと予想されます。一方で、現在厳しい状況にある畜産業を再興するためには、実験動物としてのブタの利用拡大が是非とも必要です。このような現実を踏まえ、講演後の総合討論では、世界的な動向とそれに対して日本がとるべき研究開発の方向性について、熱心な議論がなされました。

[農業生物先端ゲノム研究センター 家畜ゲノム研究ユニット 美川 智、
遺伝子組換え研究センター 医用モデルブタ研究開発ユニット 大西 彰]

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