生物研ニュースNo.48
トップページ>刊行物>生物研ニュース>48号

« 前の記事   次の記事 »
会議報告
カイコ

カイコやシルクを利用した新産業の創出は、生物研の最重要課題の一つです。ここでは今年の1月と2月に行われた、カイコ・シルクの新しい産業利用に関する2つの会議についてご紹介します。

《カイコ・シルクの新産業-1》
第5回公開シンポジウム「カイコ産業の未来」

遺伝子組換えカイコによる医薬品開発・生産の現状について紹介

 平成25年1月18日(金曜日)に東京都千代田区の秋葉原ダイビル・カンファレンスフロアにて、生物研と群馬県の共催で公開シンポジウム「カイコ産業の未来」が開かれました。本シンポジウムは今年で5回目となるシリーズで、今回は「遺伝子組換えカイコによる医薬品開発・生産を目指して」をテーマに開催し、企業・公的研究機関・地方自治体・農家・マスコミなどから約140名が参加しました。中でも企業からは、医薬品、タンパク質生産、研究用試薬、エレクトロニクス、化粧品など幅広い分野から40名の参加があり、様々な分野で遺伝子組換えカイコの産業利用に関心が持たれている様子が伺えました。

 シンポジウムでは、まず(独)医薬品医療機器総合機構 の本田二葉次長より、バイオ医薬品開発の現状と課題について基調講演がなされました。その後「遺伝子組換えカイコを用いたバイオ医薬品の開発」について5件の話題提供があり、生物研からユニット長の瀬筒秀樹が遺伝子組換えカイコ技術の開発について報告したほか、遺伝子組換えカイコを用いた具体的な医薬品の開発状況や、(医薬品製造に利用する際必須となる)遺伝子組換えカイコの大量飼育技術の開発などについて講演が行われました。来場者アンケートによると、遺伝子組換えカイコ技術の開発に関する講演に最も高い関心が持たれており、また遺伝子組換えカイコ技術の実用化・産業化の拡大に期待するコメントが多く寄せられました。生物研としては、今後も高いレベルの技術開発を維持・発展させ、新たなカイコ産業の創出に貢献していくことが重要だと、改めて感じました。

カイコ産業の未来 写真
講演の様子
  多くの参加者を得て、活気に満ちたシンポジウムとなりました

[遺伝子組換え研究センター 町井 博明]

《カイコ・シルクの新産業-2》
会議報告 NIASシンポジウム 第7回「フィブロインセリシンの利用」研究会

» 48号目次へ


ページトップへ戻る