生物研ニュースNo.49

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受賞・表彰

2013年度 日本植物病理学会 論文賞

受賞タイトル:

イネ-いもち病菌相互作用における細胞表層キチンの局在性
ならびにキチン結合ドメインをコードする遺伝子群の解析
(原題は英文)

J Gen Plant Pathol.77(3):163-173 (2011)

受賞者:特別研究員 望月 進

(遺伝子組換え研究センター 耐病性作物研究開発ユニット)

受賞日:3月27日

[生物研所属の共同受賞者]

南 栄一、西澤 洋子(耐病性作物研究開発ユニット)

望月 写真

左:受賞式の様子、右:キチンの蛍光染色(緑色の蛍光がキチン)

 「いもち病菌」は、イネの重要病害である「いもち病」の原因菌です。いもち病菌の表層には「キチン」という物質があり、植物はこのキチンを関知していもち病菌に対する防御反応を起こします。本研究では、イネに感染する際にいもち病菌のどこにキチンが存在するかを蛍光染色により詳しく調べました。その結果、いもち病菌が菌糸の侵入や伸展に伴ってキチンを表面に露出させたり、他の物質で覆ったりと、その露出性を変化させていることがわかりました。蛍光染色は困難でしたが、繰り返し繰り返しの失敗の末に蛍光染色性の変化を見出したときには、達成感とともにバイオイメージング(物質の位置などを可視化して調べる研究方法)の楽しさを改めて感じました。今回の受賞を励みに、さらにイネ–いもち病菌間の相互作用の研究を進めて行きたいと思います。

[望月 進]

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