生物研ニュースNo.49

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受賞・表彰

平成24年度 日本育種学会 奨励賞

生物研から宇賀優作内藤健の2名が受賞しました。

宇賀 写真

賞状を手に

受賞タイトル:

イネの根の形態と構造に関する遺伝解析と耐乾性育種への応用

受賞者:主任研究員 宇賀 優作

(農業生物先端ゲノム研究センター イネゲノム育種 研究ユニット)

受賞日:3月27日

 私は、根が土壌深くまで伸びる性質(深根性)に関与する「DRO1」遺伝子を発見しました。干ばつに弱い浅根品種にこの遺伝子を導入すると干ばつに強くなることから、乾燥に強い作物を作る(耐乾性育種)方法として、深根性の付与が有効なことを証明することが出来ました。草丈のような地上で見える形質とは異なり、根は土の中にあるため、調査をするのはとても大変でしたが、今後も根の研究を進め、より耐乾性の高い品種の育成につなげたいと思います。また、私の研究を土に隠れて見えない根のように支えて下さった関係者の方々に深く感謝いたします。

[宇賀 優作]

内藤 写真

「今はテーマを変え、マメの研究を
  しています。」

受賞タイトル:

イネ活性型トランスポゾン mPing による改変機構のゲノミクス解析

受賞者:任期付研究員 内藤 健

(遺伝資源センター 多様性活用研究ユニット)

受賞日:3月27日

 トランスポゾンはゲノム上のある場所から別の場所へと飛び移る(転移する)遺伝子で、生物の進化と深い関わりがあると考えられています。私はイネのゲノムに多数存在し、活発に転移・増殖する「mPing」というトランスポゾンについて研究し、mPingが転移した先の遺伝子の働き方を変える事例を多く発見しました。この結果はトランスポゾンの転移が生物の進化を促進し得ることを示しています。今回の研究成果は色んな縁や偶然が重なり合って生まれました。いつも私だけが目立ってしまうのですが、共著の方々の協力や支援を忘れないようにしたいと思っています。

[内藤 健]

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