生物研ニュースNo.51

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会議報告

シンポジウム:植物を用いたバイオ医薬品の現状と今後の課題

植物での開発の現状や問題点を整理し、医薬関係者に紹介

スギ花粉症治療米

 11月8日(金曜日)に東京・秋葉原のUDXカンファレンスにて、生物研主催のシンポジウム「植物を用いたバイオ医薬品の現状と今後の課題」が開催されました。シンポジウムには91名が参加しましたが、うち40名が製薬会社等の医薬関係企業からの参加で、残りの大部分も大学、独立行政法人の医薬分野からの参加でした。

 「バイオ医薬品」は遺伝子組換えなどのバイオテクノロジーを応用して作った医薬品のことで、微生物や動物細胞を用いて、既に多くのバイオ医薬品が実用化されています。一方、植物を用いたバイオ医薬品は、まだ開発段階にあります。そこで本シンポジウムでは、植物を用いたバイオ医薬品について、開発の状況や、医薬品としての承認に向けた対応、臨床研究などを紹介する10の講演を行い、開発の現状や問題点について整理しました。また、シンポジウムのテーマの一つは生物研が開発を進める「スギ花粉症治療米」であり、生物研から特任上級研究員の高岩文雄とセンター長の野誠がそれぞれ「スギ花粉症治療米の開発」と「スギ花粉症治療米の医薬品としての承認に向けた対応状況」について紹介したほか、慈恵医大の斉藤三郎氏が「スギ花粉症治療米の臨床研究」、島根大学の川内秀之氏が「マウスでのスギ花粉症治療米を用いた舌下免疫療法(舌の下にアレルギー源となる物質を投与する治療法)の有効性」について紹介しました。

[遺伝子組換え研究センター 機能性作物研究開発ユニット 小沢 憲二郎]

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