動物科学研究領域

動物生体防御研究ユニット


家畜の免疫応答の分子機構の解明 及び 新しい培養モデル系の開発

 動物生体防御研究ユニットでは、家畜の抗病性を高めるための基礎的研究として、自然免疫に重要な役割を果たすマクロファージ系細胞を中心に不死化細胞株の作出や、サイトカイン産生・放出などに関わるシグナル伝達機構について細胞および分子レベルでの解明を目指しています。また、ブタの病原体に対する感染抵抗性の個体差を明らかにするために、特定のパターン認識受容体の遺伝子型の変異とそれらの機能的な違いとの関連性について調べています。さらに、化学物質の薬効や毒性の評価など動物を使った実験を代替するため、コラーゲンビトリゲル®(高密度コラーゲン線維)膜を利用した新しい培養モデル系の開発を進めています。

ビトリゲル®」は国立研究開発法人農業生物資源研究所による登録商標です。
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    病原体による感染は免疫系細胞の表面にある受容体によって感知され、その情報は細胞内の伝達経路を介して核内の遺伝子発現を誘導し、特定のサイトカインの産生や放出などの免疫応答が起こります。受容体には抗病性に影響を与える様々な多型が存在することも知られています。
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    コラーゲンビトリゲル®膜の片面あるいは両面にヒトの細胞を立体的に培養して、生体内器官の構造を反映した培養モデルを構築します。動物実験に替わって培養モデルを利用して、化学物質の薬効や毒性を評価する培養システムを開発します。

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