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プレスリリース
平成19年7月17日
独立行政法人 農業生物資源研究所

イネのいもち病等の複数の病害に対して
極めて強い防御機能がある遺伝子を世界で初めて発見


  (独)農業生物資源研究所は、イネの遺伝子「WRKY45」(ワーキー45)に、イネの最大の病害であるいもち病を含む複数の病害に対して極めて強い防御機能があることを世界で初めて発見しました。

  多くの作物の様々な病害に対する防除薬剤として世界中で用いられているベンゾチアジアゾール(BTH)は、植物自体が本来有する病害に抵抗する機能を活性化させて防除効果を示すことが分かっています。当研究所の研究グループはその作用機構を詳しく解析した結果、WRKY45という遺伝子が、BTHによって活性化される作用の中心的な役割を果たしていることを明らかにし、この遺伝子の機能を世界で初めて解明しました。

  WRKY45遺伝子がよく発現するようにして遺伝子導入したイネ系統は、いもち病に対して非常に強い抵抗性を示し(極強の抵抗性を示す「戦捷(せんしょう)」という品種よりさらに強い)、さらに、白葉枯病などいもち病以外の病気にも高い抵抗性を示すことがわかりました。「WRKY45」遺伝子による病害抵抗性は、従来の高度抵抗性品種に見られたように、病原菌の突然変異により抵抗性が失われる可能性は低いと考えられ、安定した病害抵抗性品種育成への利用が期待されます。

  また、この遺伝子の機能は、コムギなど、イネ以外のイネ科作物にも広く利用できることが期待され、食料、飼料、バイオマス用等の様々な作物の農薬依存度を大幅に減少させることが可能になり、これらの作物の安定生産と環境にやさしい栽培に病害防除の面から大きく貢献することが期待されます。

  この研究は農林水産省委託プロジェクト研究「アグリ・ゲノム研究の総合的な推進」の「イネ・ゲノムの重要形質関連遺伝子の機能解明」で実施されたもので、成果の概要は世界的に権威のある学術誌「Plant Cell」のオンライン版に2007年6月29日に公表されました。

  なお、この研究の一部はすでに国際特許出願(特願WO2006/126671 A1)しています。


Rice WRKY45 Plays a Crucial Role in Benzothiadiazole-Inducible Blast Resistance Masaki Shimono, Shoji Sugano, Akira Nakayama, Chang-Jie Jiang, Kazuko Ono, Seiichi Toki, and Hiroshi Takatsuji Plant Cell First published on June 29, 2007; 10.1104/tpc.106.046250


【問い合わせ先】
研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長石毛 光雄
代表研究担当者:(独)農業生物資源研究所
耐病性研究ユニット長高辻 博志
電話:029-838-8383、e-mail:takatsuh@affrc.go.jp
広報担当者:(独)農業生物資源研究所 広報室長新野 孝男
電話:029-838-8469

【掲載新聞】7月18日(水):日本農業新聞、化学工業日報、毎日新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、常陽新聞、7月20日(金):日刊工業新聞、7月23日(月):産経新聞、7月25日(水):農業共済新聞、7月27日(金):科学新聞、7月30日(月):日経バイオテク


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