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お知らせ
平成21年2月17日
独立行政法人 農業生物資源研究所


コムギの開花期を決定する遺伝子のしくみを解明
2月9日福井県立大で記者発表

福井県立大学生物資源学部ほか、農業生物資源研究所、理化学研究所の研究グループは、コムギの開花期を決定する遺伝子のしくみを解明し、The Plant Journalの電子版に1月28日発表しました。

このことについては、平成21年2月9日、福井県立大学において発表されたことをお知らせします。

お知らせ
平成21年2月9日
独立行政法人 農業生物資源研究所

コムギの開花期を決定する遺伝子のしくみを解明

- 福井県立大学生物資源学部などと共同でコムギの開花メカニズムを解明 -


ポイント
  • コムギの開花時期を決定する遺伝子(WAP1)の働きを解明
  • 収穫期が速くなるコムギの育成が期待できる
概要

(独)農業生物資源研究所は、福井県立大学生物資源学部と(独)理化学研究所との共同研究によって、コムギの開花時期を決定する重要な遺伝子であるWAP1遺伝子(現在、VRN1遺伝子と改名)が花芽形成に必要なフロリゲン(花成ホルモン)遺伝子WFTの働きを誘導し、コムギを開花へと導くことを世界で初めて明らかにしました。

コムギはイネと同じイネ科作物で、基本的には同じような遺伝子構成を持っていると考えられています。しかし、イネが短日で開花するのに対して、コムギは長日で開花します。こうした違いを明らかにする一端として、今回、WAP1遺伝子がどのようなしくみでコムギの開花時期を決定するのかを明らかにしました。イオンビーム照射によりWAP1遺伝子を欠落した突然変異体を見出し、それを詳しく解析した結果、WAP1遺伝子が欠落したコムギは、いつまでも花が咲かず葉ばかりを形成すること、また、WAP1遺伝子が長日条件下で花成ホルモン遺伝子WFTを活性化する作用があることが明らかになりました。WAP1に相同なイネ遺伝子にはこうした作用はなく、コムギとイネの違いの一つが明らかになったと考えています。

この研究成果の概要は、The Plant Journal(1月28日オンライン版)にすでに公開されています。

また、この知見を用いて、福井県立大学生物資源学部の研究チームでは福井県の栽培に適した早生コムギ系統「福井県大3号」の育成が進んでおり、平成23年に品種登録を予定しています。この系統は製品試験の結果、フランスパンやラーメンに適していることが明らかとなっています。今後、「福井県大3号」のさらなる改良や、新たな新品種の育成に役立つと期待されます。

予算:「アグリゲノム」(イネ) 多様性ゲノム解析研究、17-19年

Sanae Shimada, Taiichi Ogawa, Satoshi Kitagawa, Takayuki Suzuki, Chihiro Ikari, Naoki Shitsukawa, Tomoko Abe, Hiroyuki Kawahigashi, Rie Kikuchi, Hirokazu Handa, Koji Murai
A genetic network of flowering time genes in wheat leaves, in which an APETALA1/FRUITFULL-like gene, VRN1, is upstream of FLOWERING LOCUS T
The Plant Journal,Early View, Date: January 2009 | doi: 10.1111/j.1365-313X.2009.03806.x


問い合わせ先など
(独)農業生物資源研究所 茨城県つくば市 理事長石毛 光雄
研究担当者:農業生物資源研究所 植物ゲノム研究ユニット 上級研究員半田 裕一
電話:029−838−8374
福井県立大学 生物資源学部 生物資源科 教授村井 耕二
電話:0776−61−6000
広報担当者:農業生物資源研究所 広報室長新野 孝男
電話:029−838−8469


  【掲載新聞】2月10日火曜日:福井新聞、福井県民新聞

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