トップページ > プレスリリースリスト > 寄生蜂のゲノムの完全解読に成功、国際研究チームに農業生物資源研究所制御剤標的遺伝子研究ユニット田中良明主任研究員が貢献
平成22年1月19日 独立行政法人 農業生物資源研究所 |
寄生蜂のゲノムの完全解読に成功、国際研究チームに 農業生物資源研究所 制御剤標的遺伝子研究ユニット 田中良明 主任研究員が貢献
- 生物農薬として利用する寄生蜂の機能改良に役立つと期待 -
米ローチェスター大学および米ベイラー医科大学を中心とした、14か国157名の研究者による国際研究チームは、キンバエ、イエバエなどに寄生し、互いに交雑が可能な3種のコガネバチ科Nasonia属寄生蜂 (Nasonia vitripennis、N. giraulti 及び N. longicornis)、特にキョウソヤドリコバチ(N. vitripennis)を中心にゲノムの解析を進め、完全解読の結果約18,000の遺伝子を特定しました。研究成果は2010年1月15日付けの米国の科学雑誌「サイエンス」の電子版に発表されました。
キョウソヤドリコバチのゲノム中には、ハチに特有な形質である階級分化・性決定に重要な役割を果たすDNAメチル化やローヤルゼリーに関連した遺伝子、宿主の発育や行動を制御するための毒素、共生微生物であるウイルスやボルバキアから水平伝播によって取り込まれたと推測される遺伝子が多く存在することがわかりました。今後これらのゲノム情報を利用して寄生蜂の機能を改良することにより、寄主選択性や安全性に優れた生物農薬が開発されることが期待されます。
農業生物資源研究所制御剤標的遺伝子研究ユニット田中良明主任研究員は、国際研究チームの神経ペプチド研究サブグループに所属し、キョウソヤドリコバチの神経ペプチド関連遺伝子の網羅的解析に貢献しました。
発表雑誌
The Nasonia Genome Working Group (2010)
Functional and Evolutionary Insights from the Genomes of Three Parasitoid Nasonia Species.
Science Vol. 327. no. 5963, pp. 343 - 348 | DOI: 10.1126/science.1178028
連絡先 |
研究担当者: | (独) 農業生物資源研究所 制御剤標的遺伝子研究ユニット | |
| 主任研究員 | 田中 良明 |
電話番号:029−838−6104、電子メール:yoshiaki@affrc.go.jp |
広報担当者: | (独) 農業生物資源研究所 広報室長 | 川崎建次郎 |
電話番号:029−838−8469 |
【掲載新聞】 1月22日金曜日:日経産業新聞、2月3日水曜日:化学工業日報
トップページ > プレスリリースリスト > 寄生蜂のゲノムの完全解読に成功、国際研究チームに農業生物資源研究所制御剤標的遺伝子研究ユニット田中良明主任研究員が貢献
|