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プレスリリース
農業生物資源研究所ロゴマーク
平成22年6月9日
独立行政法人 農業生物資源研究所

イネは日の長さを測るための正確な体内時計を持っていた!

- イネの精密な開花制御につながる成果 -


ポイント
  • イネは30分の日の長さの違いを認識し、開花ホルモンの遺伝子の働きを調節します。
  • イネ品種の開花期を正確に制御することが可能になります。

概要

1) (独)農業生物資源研究所は、イネが季節変化にともなうわずか30分の日の長さの違いを認識し、開花ホルモンである"フロリゲン"の合成を調節する正確な体内時計を持っていることを発見しました。さらに、開花ホルモンの合成を促進する機能と逆に抑制する機能をもつ、相反する2つの遺伝子を同定し、日の長さによってそれらの相互作用が変化することにより、開花を早めたり、遅らせたりしていることを明らかにしました。
2)今回の発見は、イネの開花期の微妙な調整を可能にし、品種ごとで栽培に適した地域を拡大する育種につながる成果であり、将来、人工的にイネの開花期を調節する技術を開発するための基盤となると考えられます。
3)この成果は、2010年6月13日に国際雑誌 Nature Genetics のオンライン版で公開される予定です。
予算:農林水産省委託プロジェクト「新農業展開ゲノムプロジェクト」(平成20年度〜現在)、
         科研費 若手研究(B)(平成20〜21年度)
参考資料 [PDFファイル:239キロバイト]
Hironori Itoh, Yasunori Nonoue, Masahiro Yano & Takeshi Izawa
A pair of floral regulators sets critical day length for Hd3a florigen expression in rice
Nature Genetics (2010) | doi:10.1038/ng.606
Received 28 January 2010 | Accepted 03 May 2010 | Published online 13 June 2010

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長石毛 光雄
研究推進責任者: (独)農業生物資源研究所植物科学研究領域
光環境応答研究ユニット 上級研究員 井澤  毅
電話番号:029-838−7446、電子メール:tizawa@nias.affrc.go.jp
研究担当者:(独)農業生物資源研究所植物科学研究領域
光環境応答研究ユニット 研究員 伊藤 博紀
共同研究者:(独)農業生物資源研究所QTLゲノム育種研究センター
センター長 矢野 昌裕
(社)農林水産先端技術産業振興センター 農林水産先端技術研究所
研究員 野々上 慈徳
広報担当者:(独)農業生物資源研究所広報室長川崎 建次郎
電話番号:029-838-8469


【掲載新聞】 6月14日月曜日:日本経済新聞、東京新聞、茨城新聞、常陽新聞、日経産業新聞、化学工業日報、6月18日金曜日:日本農業新聞、6月25日金曜日:日刊工業新聞

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