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研究成果の紹介
平成24年3月8日
独立行政法人 農業生物資源研究所

「ファイトレメディエーション用カドミウム高吸収イネの開発に成功」、
英国科学雑誌に掲載、2月27日に東京大学で発表


発表内容 (東京大学 農学生命科学研究科のプレスリリースより引用)

東京大学と石川県立大学は、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所と共同で、イネのカドミウム集積を決める鍵となる遺伝子を発見しました。この遺伝子の発現を減少させることで、従来のカドミウム高吸収品種イネの約4倍のカドミウムを集積するイネの開発に成功しました。カドミウム汚染土壌を浄化するために必要な期間を大幅に短縮することが可能です。

作物のカドミウム量を低減するためには、カドミウム汚染土壌で栽培してもカドミウムを吸収しない「低カドミウム作物」と、今回発表した植物の力でカドミウム汚染土壌を浄化するための「カドミウム高吸収イネ」の開発が必要です。土壌中のカドミウム濃度が下がれば、イネや野菜など農作物のカドミウム含量が低下し食の安全に貢献します。

また、ここで用いられた研究手法と成果は、東日本大震災に伴う東電福島第一原発事故による放射性物質の土壌汚染と食品汚染の問題解決に向けても重要な示唆を与えるものとなります。

本研究は、農林水産省新農業展開ゲノムプロジェクト、生物系特定産業技術研究支援センターイノベーション創出基礎的研究推進事業の支援を受けて行われ、その成果は英国の科学雑誌、『Scientific Reports: Nature publishing group』に掲載されました。

東京大学 農学生命科学研究科のプレスリリース


Yasuhiro Ishimaru, Ryuichi Takahashi, Khurram Bashir, Hugo Shimo, Takeshi Senoura, Kazuhiko Sugimoto, Kazuko Ono, Masahiro Yano, Satoru Ishikawa, Tomohito Arao, Hiromi Nakanishi & Naoko K. Nishizawa
Characterizing the role of rice NRAMP5 in Manganese, Iron and Cadmium Transport
Scientific Reports: Nature publishing group, DOI:10.1038/srep00286 OPEN ARTICLE

【掲載新聞】 2月26日日曜日:日本農業新聞、2月27日月曜日:化学工業日報、日本経済新聞、3月8日木曜日:日刊工業新聞
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