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【用語解説】

cDNA
  相補的DNA(complementary DNA)。タンパク質のアミノ酸配列はDNAの配列に依存して決められるが、DNA配列は一旦リボ核酸(mRNA)に写し取られてからアミノ酸配列に対応付けられる。このmRNAの配列を元にして人工的に合成されるDNAがcDNAである。タンパク質の遺伝子の直接的証拠であると同時に、実験室での取り扱いがRNAに比べて容易である。

アノテーション
  解読された塩基配列などの生データに対し、生物学的に意味のある情報を付与すること。特に、遺伝子の領域を確定しその機能に関する記載を与えることを指す場合が多い。大量の情報を解析するため、しばしばコンピューターによる処理が必要となる。

完全長cDNA
  cDNAのうち、特に全長を網羅したもの。一般に、cDNAは必ずしも対応するRNAの全長をカバーしていない。正確な遺伝子領域の同定と実験的検証には完全長cDNAが必須になる。

ゲノム
  ある生物が持つ全遺伝情報の一組。実体はデオキシリボ核酸(DNA)であり、塩基の異なる4種類のヌクレオチドの重合体である。この4種類の塩基の並び(配列)によって遺伝情報が決定される。イネでは約3億9千万塩基もの長さがある。

全塩基配列解読
  塩基配列は、専用の装置を用いてどのような順番でヌクレオチドが並んでいるかを明らかにすることにより決定できるが、一度に読める長さは限られている。そこでDNAを予め短く切断し、個別に解読した塩基配列をコンピューター上で再結合することにより、全塩基配列を再現する。イネでは2004年に解読が宣言された。

タンパク質コード遺伝子
  タンパク質は細胞生物を構成する主要な要素であり、そのアミノ酸配列の情報はDNAの配列として保存されている。生物の仕組みとしては、DNAから一旦RNAに配列を写し取り、その後RNAからアミノ酸配列に変換される。このようなアミノ酸の情報を含む遺伝子がタンパク質コード遺伝子である。

非翻訳RNA遺伝子
  非コードRNA遺伝子(noncoding RNA gene)。遺伝子の中にはアミノ酸配列をコードせず、RNAのまま直接機能するものがあり、非翻訳RNA遺伝子と呼ばれる。近年、このようなRNA遺伝子が予想外に多くあり、また重要な機能を果たしているのではないかと考えられている。


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