11.春用蚕品種「日122号×支122号」(1949)

蠶絲局技術改良課(1949)新らしい蠶品種−「日122、支122及びその交雜種.技術資料 第3號:1-6

1.日122
  化性:二化性。系統:日歐固定種。來歴:本品種は農林省蠶糸試驗場(中里 延)において育成したもので、支122と交雑して春蠶用に供する。
  本種は二化性白繭系日歐固定種である。蟻蠶は暗褐色を呈し、蠶兒の體色は淡赤系で、斑紋は形であるが稀に姫を混ずることがある。蠶兒の経過日數は比較的長いが太平に比べて大差がない。食慾は餉食後徐々に昂進するから、餉食當時の食桑量は割合に少く、盛食期においても比較的緩慢であって、食桑量は少い方である。低温多濕及び高温多濕に對しては稍弱い傾向があるから温濕度の調節に努めると共に食桑状態が緩慢であるので少量多回育を行うのが安全である。
  繭は純白色で尖り氣味のある俵形で縮皺は密である。越年卵の卵色は藤鼠である。
  本種と支122とを組合せる場合、兩品種の取扱いが略々等しい時は本種の催青着手を5日早くすればよい。蠶種の人工孵化法は即浸、冷浸共に鹽酸浸漬時間は4.5〜5.0分が適當である。

2.支122
  化性:二化性。系統:支支固定種。來歴:本品偉は農林省蠶糸試驗場(中里 延)において育成したいもので日122と交雑して春蠶用に供する。
  本種は二化性白繭系支支固定種である。蟻蠶は暗褐色を呈し、蠶兒の體色は青白色で斑紋は姫である。蠶兒の経過は長安に比べて1齢が僅かに短く、5齢が稍長いが、全齢においては大差がない。支那種としては蠶兒の擧動が緩慢の方であって、餉食後の食慾昂進が緩かで食桑量は多くない。虫質は普通で長安より強いが飼育に際しては稚蠶期に低温の湯合は食桑が不活溌であるから25℃中心に保温し、支那種としては食桑が緩慢であるから日本種飼育の氣持で取扱うがよい。
  繭は白色楕圓形で縮皺は普通である。種繭の保護は他の支那種と同様でよい。越年卵の卵色は生壁色である。
  本種と日122とを組合せる場合、兩品種の取扱いが略々等しい時は本種の催青着手を5日遅くすればよい。蠶種の人工孵化法は即浸、冷浸共に鹽酸浸漬時間は4.0〜4.5分が適當である。

3.日122×支122
  化性:二化性。系統:日支歐交雑種。本種は日支歐交雑二化性の白繭種で春蠶用に供する。
 蠶兒の體色は青白色で斑紋は形であるが姫を混することがある。蠶兒の經過は太平と長安の交雜種に比べて稚蠶期が稍短いが全齢においては大差がなく、眠起は斉一である。蠶兒の擧動は普通で餉食當時は小食であるが、盛食期の食桑量はかなり多い。虫質は強い方であるが一齢の經過が稍早いから桑不足に陥入らしめないように注意を要する。
  繭は白色のよくしまった浅縊俵形で縮皺は普通である。
  本種は繭重は比較的少いが、繭層重、繭層歩合が多く、繭糸長が長く、繭糸量、生糸歩合が多い。解舒、小類も良好であって繭糸繊度は3.0デニール稍細目である。


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