14.蚕の卵色による雌雄鑑別法(1951)

田島彌太郎、原田忠次、太田 登(1951)蠶卵の色により雌雄を鑑別する方法の研究−第1報 X線による轉座染色體の形成−.育種学雜誌 1(1):47-50

1.転座作成の材料として第二白卵(w2)を用いた。w2ヘテロ型の雌蛹について化蛹後1〜7目にX線照射を行った。処理雌にw2雌を戻し交雑してRF2を作ると、黒卵と白卵が1:1に分離する。このうち黒卵だけを掃立て、4、5齢中に雄蚕児を全部捨ててしまって雌だけを残す。この雌にw2、od雄を交雑した。この場合にも黒卵と白卵が分離するが、今度は1:1の他に種々の比率を示すものがある。それには無頓着に、白卵を再びピンセットでつまんで除去して黒卵だけを掃立て、1齢日目に油蚕のみを分離する蛾区を探した。

2.このようにして2年間に遺伝子型検定を行ったものは6523蛾に及んだが、この中で計算どおり油蚕のみを分離した蛾区はわずか1蛾区のみであった。

3.このように、1蛾区だけ黒卵から孵化した蟻蚕が全部油蚕からなっている区が発見されたが、計算によると、これらは全部雌でなければならない。飼育を続け、5齢期に調査したところ全て雌であった。また、羽化後の蛾についても全部黒眼であることが確認された。

4.従って、この区の黒眼油蚕雌はすべてB型またはC型の転座型個体であると推測されるので、これにw2/w2雄を交雑すれば再び黒卵と白卵が1:1に分離し、しかも黒卵は雌、白卵は雄となるはずである。調査結果は、この推測と完全に一致していた。

※田島彌太郎、原田忠次、太田 登、小林義彦、卜部澄子(1955)第三章 卵色による雌雄鑑別の研究.蠶絲科學研究所彙報 第5號:25-47


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