35.ケミカルコントロールによる上蔟作業の簡易化(1969)

水田美照、桑野恒雄(1969)ラウリンアルデヒドとカプリンアルデヒドが熟蚕の登蔟性に及ぼす影響(予報).日本蚕糸学雑誌 38(4)316-320

1.ドクダミの主成分であるラウリンアルデヒドとカプリンアルデヒドが熟蚕の登蔟性に及ぼす影響について調べた。ラウリンアルデヒドとカプリンアルデヒドをキシロールとエタノールで250倍に増量したものをもみがらに吸着させて蚕座に散布したところ、熟蚕の登蔟性に顕著な影響が認められ、上蔟条件の悪い場合にも促進効果があることがわかった。

2.ラウリンアルデヒドを乳剤として使用しても、キシロール・エタノール溶液と同じ効果を示 した。

3.両剤を主成分とした溶液、乳剤に対し熟蚕はよく反応し、未熟蚕は反応を示さなかった。


水田美照、渡辺昭典(1969)脂肪族アルデヒドおよびドデシルアルコールの熟蚕登蔟促進効果.日本蚕糸学雑誌 38(4)347-355

1.脂肪族高級アルデヒドまたはアルコールの属する薬品のうち、n-ヘプチルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、カプリルアルデヒド、n-ウンデシルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、n-トリデシルアルデヒド、ミリスチルアルデヒド(三量体)、10-ウンデシレンアルデヒドおよびドデシルアルコールの10種について、これらの希釈液を上蔟期の蚕体、蚕座に散布して登蔟促進効果の有無を比較検討した。

2.水散布または無処理区に対し、各薬液とも登蔟促進効果が認められた。

3.10種類の薬液中、特にドデシルアルコール、ラウリルアルデヒドおよび10-ウンデシレンアルデヒドを含むものの登蔟促進効果が顕著であった。


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