37.稚蚕用螺旋循環式飼育装置(1971)

1.稚蚕共同飼育は年々増加の傾向をたどり、昭和45年の統計によると、全養蚕農家の79%がこれに参加している。一方、その飼育方法や施設について、昭和40年頃から機械飼育装置の開発が盛んに行なわれている。本飼育装置は労働生産性の飛躍的向上と、経営の近代化を目標として開発したものである。

2.本飼育装置は多段、螺旋循環方式の蚕座部分と給桑装置および蚕体消毒機からなる。蚕座部分は内廻りと、外廻りの二重螺旋状に設置したガイドレール上に多数の蚕箔を満たし、蚕箔相互はワイヤーによって連結している。そして多段に配置した蚕座のうちの1段を、作業場所として側方に延長旋回させ、その部分に蚕体消毒機と給桑機を架設している。

3.蚕体消毒機はその薬剤散布量と散布幅を自由に調節することができ、スイッチ操作で稼動する。給桑機はまず、?桑機できざんだ桑葉が第1コンベア、ホッパおよび、第2コンベアを経て倒円筒形のふるい(スクリーン)の内部に送り込まれ、スクリーンの回転によって桑葉片をほぐしながら、走行する蚕箔上に給与する。給桑量は、スクリーンの回転速度とスクリーン内に保持する桑葉量の多少によって変化するが、その調節は、指示目盛に衡桿錘を合わせることで行う。給桑幅は、桑葉落下幅を規制するスクリーンバンドの交換によって自在に調節できる。

4.育蚕作業は、できるだけ複雑な作業を簡略にし、掃立時の毛蚕の配置は2人で行い、1人が催青容器の枠をはずすと、他の1人がこれを受取って、毛蚕の付着している覆い紙、穴あき紙、下敷き紙の順に、蚕箔の進行方向に対し、その中心を通る帯状に配列する。

5.平常の給桑作業は2〜3人で行い、?桑機に桑を供給する。

6.除沙作業は行なわず、拡座は給桑機からの桑葉落下幅を適宜広げていく方法で十分である。

7.配蚕作業は3人で行い、配蚕前日に剥離用の網を敷き込んでおき、その網上に上った蚕を、1人が蚕箔の中ほどまで巻くと、反対側の2人が、それを端まで巻きあげて順次蚕箔外にとりはずす。

8.すべての作業は10m/分の蚕座速度で行なうことが可能である。なお、作業を行なわない時は、常時2.5m/分前後で蚕座を運行させ、各蚕箔の蚕児が触れる室内気象条件を均一にする。

(蚕糸試験場養蚕部機械化第2研究室 中田昌保、渡辺昭典、渡辺喜一郎、唐沢哲二、若林己喜 雄、剣持謙二、清水軍一)(蚕糸試験場中部支部養蚕研究室 栗林茂治、市川柳仁、小境泰典、宮林満雄、山野井文夫、浅野知子)

※渡辺昭典、中田昌保、渡辺喜一郎、唐沢哲二、若林己喜雄、剣持謙二(1974)稚蚕用螺旋循環式装置の試作小型装置による蚕飼育試験.蚕糸試験場彙報 第100号:1-19


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