43.繭検定用新型自動繰糸機(1973)

1.養蚕農家で生産される繭は、その売買時にサンプルを抽出し、繭検定所においてその消費価値に関係する形質を検定し、その成績を基に繭取引が行なわれる。この検定成績は、養蚕農家にとっては繭質改善の指標となり、製糸企業にとっては生糸生産計画に大きく貢献する。

2.繭検定所においては、これまで必要に応じて、繭検定方法の改善合理化、高性能な検定機械の導入、適正規格化等が行なわれてきた。現用の繰糸機は、昭和37年度から逐次全国各都府県に導入されたもので、すでに耐用年数に達し更新時期にいたっている。現在の繰糸機による検 定方法は、作業員1人が3台の繰糸機を受持ち、同時に3種類の繭の検定を行っているが、繰糸作業中の「抄緒作業」は手作業であること、繰粋の高速回転(150m/分以上)が機構上不可能であることなどにより、作業員1人当りの作業能率は、検定を1日6件の検定がほぼ限界である。

3.蚕糸試験場は蚕糸園芸局(現農蚕園芸局)の要請により、昭和45年以来、より能率的な繭検定用繰糸機の開発研究を行った。新しい繭検定用繰糸機は1セット6台が基準で、1名の主作業員は1セットを作業域とし、1回の検定繰糸で異なる6種類の繭を同時に行う。作業員は主に繭の補給、繭粒付調査、糸故障整理、繰詰め等の作業を行うが、1セットを1巡回する時間は約4分を標準とする。補助作業員は2セットに1名を配置するが、繰糸前および繰糸後の粒付作り、揚枠、調査事項の記入等の作業を主作業員と分担し、繰糸中は巡視管理作業を主に行 う。

4.索緒機により索緒された繭は、移繭バスケットにより抄緒部に移行し、抄緒機によって一定時間抄緒される。正緒の得られた繭は給繭部に補給され繰糸に供される。繰了した繭と不時落繭(繰糸途中で繭糸が切断した繭)との分離は、水流を利用する回転格子型分離機によって行われる。繰糸中に繭糸長を算出するために行う繭粒付調査は、繰枠回転後およそ10分間経過し粒付数が安定してから減緒にいたるまでの間、適宜に延べ9緒分の粒付について調査するが、その平均粒付数と解舒率の算出の基礎となる接緒回数は、制御盤の電動カウンタ一に各台ごと表示される。

(蚕糸試験場製糸部繭検定研究室 井上和也、浅原ちさみ、佐藤義宜、塚田和子、赤羽恒子、広田勝美、平野三郎、小河原貞二)


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