51.春蚕用蚕品種「日140×支145号」(1979)

農蚕園芸局(1979)蚕の新品種−春蚕用「日140×支145号」.技術資料 第93号:1-2

1.日140
  化性:二化性。系統:日日固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸試験場において育成した二化性白繭系日日固定種であって、支145号および支140号と交配して春蚕用に供する。
  蟻蚕は暗褐色を呈し、蚕児の体色は淡赤系で斑紋は限性形質を示し、雌が形、雄が姫であって、4齢起蚕より熟蚕まで斑紋による雌雄鑑別が容易である。蚕児の経過は日134号にくらべて稚蚕期、壮蚕期ともほぼ同じである。眠起はよく揃い飼育取り扱いは容易であるが、5齢の冷湿環境は経過が長引くばかりでなく、繭中斃蚕を多くすることがあるので注意を要する。また秋蚕期の粗硬葉給与は作柄ならびに産卵量に悪影響を及ぼすので、良桑給与が大切である。繭は白色の浅縊俵形で、ちぢらは普通である。越年卵の卵色は藤鼠である。
  本種と支145号または支140号を交配する場合、両品種の取り扱いがほぼ等しい時は、本種の催青着手を約3日早くすればよい。蚕種の人工孵化は即浸で3〜4分、冷浸で5〜6分の塩酸浸漬時間が適当である。

2.支145
  化性:二化性。系統:支支固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸試験場において育成した二化性白繭系支支固定種であって、日140号と交配して春蚕用に供する。
  蟻蚕は黒褐色を呈し、蚕児の体色は青系で斑紋は限性形質を示し、雌は形、雄は姫であって、4齢起蚕より熟蚕まで斑紋による雌雄鑑別が容易である。蚕児の経過は支135号にくらべて稚蚕期、壮蚕期ともほぼ同じである。虫質は強健で飼育取り扱いは容易であるが、稚蚕期の厚飼いはさけることが望ましい。繭は白色の楕円形で、ちぢらは普通である。越年卵の卵色は生壁である。
  本種と日140号とを交配する場合、両品種の取り扱いがほぼ等しい時は、本種の催青着手を約3日おそくすればよい。蚕種の人工孵化は即浸では5〜6分、冷浸では6分前後の塩酸浸漬時間が適当である。

3.日140×145
  化性:二化性。系統:日支交雑種。本種は日支一代交雑二化性の白繭種で春蚕用に供する。
  蚕児の体色は青系であるが淡赤系を混ずることがあり、斑紋は雌が形、雄が姫の両限性品種である。蚕児の経過は日134×135号とほぼ同じである。虫質は強健で食桑活発、眠起はよく揃い飼育取り扱いは容易であるが、5齢期にできるだけうす飼いをして良桑を飽食させると繭重が重くなり、繭層歩合、生糸量歩合も高くなり結果がよい。繭は白色の楕円形に浅縊俵形を混じ、ちぢらは普通である。
  本種は虫質強健で飼い易く、繭層重重く、繭層歩合、生糸量歩合高く、繭糸長長く、小節点高く、繭層練減率が低い。繭糸繊度は3.0デニール内外である。


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