73.多収性蚕品種「翔萌」(日02×02号)(1986)

農蚕園芸局(1986)蚕の新品種−春蚕用「日02号×中02号」.技術資料 第110号:1-2

1.日02号
  化性:二化性。系統:日日固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸試験場において育成した二化性白繭系日日固定種である。
  蟻蚕は暗褐色を呈し、蚕児の体色は淡赤系で斑紋は形である。蚕児の経過は日134号にくらべ稚蚕期がやや短く、壮蚕期がやや長めであるが、全齢では大差ない。虫質は強健で眠起はよく揃い、飼育取扱いは容易であるが、食桑は活発で蚕体はよく肥大するので、桑不足にならないように注意することが大切である。繭は白色の浅縊俵型で、ちぢらはやや粗である。越年卵の卵色は藤鼠である。
  本種と中02号を交配する場合、両品種の取扱いがほぼ等しいときは、本種の催青着手を2日遅くすればよい。蚕種の人工孵化は即浸では5分、冷浸では6分前後の塩酸浸漬時間が適当である。

2.中02号
  化性:二化性。系統:中中固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸試験場において育成した二化性白繭系中中固定種である。
  蟻蚕は黒褐色を呈し、蚕児の体色は青系で、斑紋は姫(い型斑紋を有する)である。蚕児の経過は支135号にくらべて稚蚕期は約0.5日、壮蚕期が約1日長めである。虫質は強健で、眠起はよく揃い、食桑は活発であるが、5齢期がやや長いので、壮蚕期の冷湿を避け、5齢末期まで良桑を飽食させることが大切である。繭は白色の楕円形で、ちぢらはやや粗である。また、割愛後の産卵が早いので注意を要する。越年卵色は生壁色である。
  本種と日02号とを交配する場合、両品種の取扱いがほぼ等しいときは、本種の催青着手を約2日早くすればよい。蚕種の人工孵化は、即浸では5分、冷浸では6分前後の塩酸浸漬時間が適当である。

3.日02号×中02号
  化性:二化性。系統:日中交雑種。適用蚕期:春蚕期
  本種は日中一代交雑二化性の白繭種で、稚蚕人工飼料育用および桑葉育用の品種である。
  蚕児の体色は淡赤系に青系を混じ、斑紋は形である。蚕児の経過は日134号×支135号にくらべて、1〜4齢期はほぼ同じであるが、5齢期は約0.5日長い。稚蚕人工飼料育、桑葉育ともに眠起はよく揃い、飼育取扱いは容易である。虫質は強健で稚蚕、壮蚕とも桑付当初から食桑が活発であるから、桑不足にならないように注意し、特に5齢期はつとめてうす飼いにし、良桑を飽食させることが大切である。
  本種は虫質強健で飼育し易く、繭重・繭層重が重く収繭量が多く、繭糸長・解舒糸長長く、生糸量歩合高く、繭層練減率が少ないなど、極めて優れた特徴を有する超多収性品種である。また、稚蚕人工飼料育の場合でもこれらの能力をよく発揮する品種である。繭糸繊度は3.2デニール内外である。

※江口良橘、嶋崎 旭、一場もとえ、渋川明郎(1995)多収性蚕品種「翔萌」(日02号×中02号)及び「大鷲」(日150号×中150号)の育成.蚕糸・昆虫農業技術研究所研究報告 第12号:47-93


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