79.テンサンフィブロイン遺伝子のクローニングと構造解析(1987)

Tamura, T. and S. Sakate (1988) Isolation and characterization of fibroin mRNAs from the saturniid silkworms Antheraea yamamai, Antheraea pernyi and Philosamia cynthia ricini. Insect Biochemistry 18(2): 169-175

1.ヤママユガ科のヤママユガ(テンサン、天蚕)、サクサンおよびエリサンのフィブロインmRNAを単離し性状を明らかにした。

2.まず、ワンダリングステージの幼虫の後部絹糸腺からSDS-フェノール法により全RNAを抽 出した。次に高分子量のRNAをセファロース2Bカラムクロマトグラフィーおよびシュク ロース密度勾配遠心により分離した。

3.これらの高分子量RNAは、フィブロインのmRNAであることが以下の理由によりわかった。
@(分離された)各RNA試料はアガロースゲル(電気泳動)上で単一のバンドを示し、ゲル上で決定された分子量は、各フィブロインのポリペプチドから計算されるサイズと一致し た。
AこれらのRNAは、フィブロインが大量のグリシン(コドンがGGX)とアラニン(コドンがGCX)を含むことから期待される通り、約60%G+Cを含んでいた。
BこれらのRNAは、オリゴd(T)カラムに結合することからpolyA tailを持つことが示された。また、ウサギ網状赤血球溶解物(の翻訳系)でポリペプチドに翻訳された。


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