83.クワ赤渋病菌レースの分布と抵抗性クワ属植物の検索(1988)

1.昭和5860年に発生した本病原菌の生態型に関する研究において、沖縄を中心とする南西諸島には、シマグワ「屋久島N0.55(仮称)」とヤマグワ「しんけんもち」に病原力の弱い生態型のみが、それ以北には病原力の強い生態型が優勢に分布することを明らかにし、それぞれレース1およびレース2と命名した。

2.レースに対する効率的な抵抗性検定法を検討した結果、接種源はシマグワで継代増殖あるいは液体窒素容器(超低温)に保存したさび胞子を殺菌水に懸濁し、これを被検クワ苗新梢に噴霧接種し、20℃湿室に8〜24時間保ったのち温室に移し、2〜3週間後の感染型によって判別する方法を確立した。この方法は年間実施可能である。

3.上記の検定法でレースに対するクワ属15種約130品種・系統の抵抗性を検定した結果、レース1に対して14の品種・系統が高度抵抗性を示したが、レース2に対して抵抗性を示す品種・系統はなかった。

4.クワ赤渋病菌のレースの地理的分布からみると南西諸島に対する抵抗性品種育成にはレース1、それ以北の地域にはレース2に対する抵抗性が目標とされる。

※高橋幸吉(1990)桑赤渋病防除.蚕糸科学と技術 29(5)38-42


 研究成果の目次に戻る