84.脱皮ホルモンによる不吐糸蚕の吐糸誘導技術(1988)
Akai,H., Takabayashi,K. and Kiuchi,M. (1988) Induction of spinning from JH-treated eternal larvae of Bombyx mori by ecdysteroid administration. J. Seric. Sci. Jpn. 57(4):341-344
1.家蚕の終齢幼虫に高濃度の幼若ホルモンを投与することにより,不吐糸蚕(永続幼虫)が出現する。これらの幼虫は吐糸や変態の徴候を示すことなく正常蚕に比し15日以上も生き続け、その後斃死する。
2.この不吐糸蚕にエクジステロンを含む飼料を5齢10日目から13日目にかけて給与すると、l〜2日後にすべて熟蚕となり吐糸行動を始め、鶏卵大の繭を営繭した。
須藤光正、赤井 弘(1988)人工飼料育における不吐糸蚕の脱皮ホルモン投与による吐糸誘導.日本蚕糸学雑誌 57(5):405-408
1.人工飼料に混入する桑葉を最高615℃に及ぶドラム式回転乾燥機で瞬間乾燥を行い、長期間保存した後,人工飼料を調製し飼育したところ、高率で不吐糸蚕が出現した。
2.この不吐糸蚕は幼若ホルモンを多量投与した場合に生ずる永続幼虫に酷似し,長期間幼虫状態で生存し吐糸することなく斃死した。
3.これらの永続幼虫にエクジステロンを混入した人工飼料を給与したところ、その大多数が吐糸を開始し、巨大な繭を作った。