86.稚蚕人工飼料育における光線管理技術(1988)

竹田 敏(1988)家蚕3齢期の血中エクジステロイド量の消長と光条件.蚕糸試験場報告 30(4)553-567

1.人工飼料育における光条件と幼虫の成育について光周期との関連でみると、幼虫経過は6L18D12L12Dのうに24時間周期の明暗リズム、それも短日条件で経過が短くなること、また、幼虫期の就眠・脱皮の誘導における日周性は摂食中の明暗によく同調し、暗開始が脱皮の刺激となっていること、人工飼料における催青期の光条件と幼虫発育については催青温度との関係で全齢経過、3齢期の成育が検討されており、最近では催青期における種々の日長条件と幼虫発育、産卵性に及ぼす影響が報告されている。しかしながら、光の刺激と幼虫期における就眠及び脱皮との間には内分泌を含めた多くの生理事象が介在しており、催青期あるいは幼虫期の日長条件と幼虫経過との関係をみる場合、内分泌条件を把握することが必要となる。

2.そこで、催青期及び幼虫期の光条件と幼虫発育との関係を明らかにすることを目的として、3齢期における血中エクジステロイド量の消長と日長条件との関連を検討した。

3.3齢期のエクジステロイド量の消長についてみると、ピーク時のエクジステロイド量は蚕品種及び飼料等の飼育条件によって異なったが、250750ng/ml血液の範囲にあり、ピークの出現時期は3齢餉食後4860時間にあった。

4.催青期の種々の日長条件と3齢期血中エクジステロイド量のピークの高さ及び出現時期との間には一定の傾向は認められなかったが、3齢期の日長条件はエクジステロイド量の消長、特にピークの出現時期に顕著な影響を及ぼした。

5.3齢期における齢の前半明、後半暗の光条件とエクジステロイド量の消長について検討した結果、エクジステロイド量のピークの出現時期は飼育中の日長よりむしろ明暗の切り替えのタイミングに影響されるものと推察された。

Takeda, S. (1991) Effect of temperature on 3rd larval ecdysis after application of light stimuli in the silkworm, Bombyx mori. Appl. Entomol. Zool. 26(1): 9-15


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