87.新病原クワ輪斑病菌の生活史と代謝植物毒素(1988)

Takahashi, K. and T. Teramine (1986) Zonate leaf spot of mulberry, with special reference to the life cycle and taxonomy of causal fungus Gonatophragmium mori. Ann. Phytopath. Soc. Jpn. 52: 404-412
Kinjo, J. K. Yokomizo, Y. Awata, M. Shibata and T. Nohara (1987) Structures of phytotoxins, AV-toxins C, D and E, produced by zonate leaf spot fungus of mulberry. Tetrahedron Letters 28(32): 3697-3698

1.1978年、高橋ら(1980)が高知県で発見し、現在四国・九州地方にまん延しつつあるクワ輪斑病菌Gonatophragmium mori (Sawada) Deighton 1969の生活史を実験的ならびに自然条件下で明らかにした。

2.本菌は夏〜秋季の主に桑園周辺の調査で162429種の草木および木本の落葉植物に寄生し、葉身に大きな輪帯状病斑を形成することを確かめた。このうち、カラヤマグワを除くほかの宿主は本菌の新しい宿主植物である。

3.人工培地で形成させたクワおよびノブドウ分離菌株の分生子接種では、供試植物のクワ科4属10種、ブドウ科2属2種4品種、ジンチョウゲ科1属1種のすべてが感染した。

4.本菌の宿主植物とその病徴、病原性、分生子世代および子のう世代の形態等分類学上の特徴から、Gonatophragmium moriの完全世代はAcrospermum viticola Ikata 1931 であると結論した。

5.Acrospermum viticola の培養物からと感染葉から植物毒素を単離し、前者をAV-toxin C, D後者をAV-toxin Eと名付けた。機器分析の結果から、それぞれ下のような構造であることを明らかにした。これらの毒素は、約10μg/mlで活性を示した。

※高橋幸吉、藤本 勲、小松利久男(1980)わが国で発見されたクワ輪斑病.日本蚕糸学雑誌 49(4)369-370


 研究成果の目次に戻る