92.桑の発芽予測プログラム(1989)

伊藤大雄(1990)桑発芽過程のモデル化と予測プログラムの開発.最新技術情報シリーズ 国立編:63-64

1.反応速度論に立脚した発芽過程のモデルを試作した。このモデルでは、桑の発芽が3つの化学反応によってつぎのように進むものと仮定した。すなわち、「休眠覚醒反応」が12月頃始まり、その後の低温により進展して、反応生成物の総量が1に達すると完了する。また「発芽反応T」も休眠覚醒反応と同時に始まる。この反応は高温下でよく進むと同時に休眠覚醒の進展度にも左右され、休眠覚醒反応の生成物の総量が0.5ならば反応速度は50%に抑制される。発芽反応Tの生成物の総量が1に達すると「発芽反応U」が始まる。発芽反応Uも高温下でよく進展し、その反応生成物量が1に達した時、桑は燕口期を迎えるものとした。

2.このモデルは、休眠覚醒反応の開始日や、各反応における温度−速度曲線のパラメータ等、延べ10個の未知数を有する。これらの未知数の数値化は、全国の蚕業試験場等における実際の発芽日と日別気温をもとに、発芽実態に最も適合するよう大型電算機で決定した。

3.得られた最適値の下で発芽日を計算して実測値と比較したところ、桑品種「一ノ瀬」や「改良鼠返」では、90%以上の年次で計算誤差が3日以内に収まることがわかった。

4.以上のモデルを用いてパソコン用プログラムを開発した。


 研究成果の目次に戻る