96.カイコ初期胚への微量DNA注入装置(1989)

神田俊男、田村俊樹(1991)空気圧を利用したカイコ初期胚へのDNAの微量注射法.蚕糸・昆虫農業技術研究所研究報告 第2号:31-46

1.カイコでの外来遺伝子の導入・発現系を作出するため、空気圧を利用した初期胚へのDNA溶液の微量注射法を開発した。

2.この方法は従来の方法に比べ簡便であまり高価な装置類を必要としないこと、注射を行うとき常に両手を使用できること、DNA溶液が空気以外と接触しないため汚染の恐れが少ないこと等の利点があった。

3.この方法を用いてカイコの初期胚にDNA溶液を注射した場合、1時間に60粒以上の卵を処理することができ、産卵直後の卵で約20%、3〜4時間の卵では30%以上の孵化率が得られた。

4.卵への微量注射に関する各種の条件を検討した結果、注射するDNA溶液を卵体積の1〜2%とした場合、Graceの培養液などの溶液に卵を浸漬せずにそのままの状態で注射し、注射後の穴をパラフィンで塞ぐ方法が比較的孵化率が高かった。また、注射する系統によっても、孵化率に差があった。

5.さらに、この方法で注射されたDNAは少なくとも孵化直前までは分解されずに卵内から検出できた。

Tamura,T., T. Kanda, S. Takiya, K. Okano and H. Maekawa (1990) Transient expression of chimeric CAT genes injected into early embryos of the domesticated silkworm, Bombyx mori. Jpn. J. Genet. 65: 401-410


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